5Gの話・・ではなく6G
通信回線の話です。5Gがいよいよリリースされる今年ですが、気の早い話で6Gの情報が漏れ聞こえるようになってきました。
内容を確認するとえらく未来的なので特集したいと思います。
6G関連記事特集
・5G evolutionおよび6Gの進化の方向性
・要求条件とユースケース超高速・大容量通信、超カバレッジ拡張、超低消費電力・低コスト化、超低遅延、 超高信頼通信、超多接続&センシング
・6Gへの技術発展と、候補として考えられる技術領域
1.空間領域の分散ネットワーク高度化技術(New Network Topology)
2.非陸上(Non-Terrestrial Network)を含めたカバレッジ拡張技術
3.周波数領域のさらなる広帯域化および周波数利用の高度化技術
4.Massive MIMO技術および無線伝送技術のさらなる高度化
5.低遅延・高信頼通信(URLLC)の拡張および産業向けネットワーク
6.非移動通信技術のインテグレーション
7.無線通信システムの多機能化およびあらゆる領域でのAI技術の活用
速い、だけなら言及しないのですが・・、自動ワイヤレス充電ってすごいですよね。6Gの端末は充電する行動が不要で6Gエリアに入ると勝手に充電されるそうです。
帯域もレスポンス、信頼性も段違い。実現すると地球のどこにでもつながるし、交換される情報の量が半端ないのでもはや「情報を届ける」という概念は古い話になりそうです。利用者は通信をしているというより、別の場所にある情報を同時に共有できる。そしてその情報量があまりにも多いので「再現したもの」とは見分けがつかなくてまるで同一と錯覚するということになろうと思います。5感、とありますので視覚だけではなくいろんな感覚に訴えられるだけの情報を扱えるということです。
それだけの情報を処理しなければいけないアプリケーションのアーキテクチャーは、当然変化が促されるでしょう。ただこういった体験型のアプリケーションで参考になるのはゲームの世界です。生産性の高いプラットフォームが開発されリッチなタイトルがたくさん出るようになりました。6Gをリードするアプリケーション開発プラットフォームが開発されるのは不可避で、SIとゲームの境界線が溶け出すのではないかと思います。
これだけ6Gになって信頼性や超低遅延、帯域の拡張が行われると、LANやWANの世界も変化する必要がありそうです。まだ企業や家庭のLANでは1Gbpsの有線回線がポピュラーに使われていて今私がブログを書いているパソコンも同様です。光回線も最近は10Gbpsベストエフォートを聞くようになってきましたがまだまだ普及はしていません。無線通信ばかりが拡張してもコストの安いLANやWANが追い付かないと足回りでボトルネックになるので、どのように進化をさせていくのか。むしろ有線通信が無くなる世界まで想定しなければいけないことを考えると、私が知っているITがなんだか古臭いものに思えてしまいます。
高市早苗総務相は21日の閣議後の記者会見で、国内で春に商用化する高速通信規格「5G」の次の世代となる「6G」を2030年をめどに実現するための総合戦略をつくると発表した。27日に有識者会議を立ち上げ、夏までに工程表や政策支援をまとめる。5Gの技術開発や商用化で中国や米国に遅れた反省を踏まえ、検討を急ぐ。
NTTの裏には総務省あり、ということで政府主導でこの6Gの話は進んでいます。5Gの話って実際日本は蚊帳の外で、海外の技術を使わせて頂き普及させるだけでしたから良いことだと思います。
国内では携帯電話料金の引き下げを迫られ、次世代通信規格「5G」では海外勢に主導権を握られる――。影が薄れる一方の「悩める巨人」NTTグループが、10年後に到来するとみられる次々世代の「6G」時代を視野に反転攻勢に出た。武器は「光」だ。ネットワークの中核の半導体などでデータの伝送手段を電子から光に切り替え、消費電力の増大という問題の解決策も提示する。
単に技術だけNTTなど一社で作り上げても世界で使われなければガラパゴス規格になってしまう、ということで米インテルと組んでコミュニティーをリードしますよという話です。グローバル経済においてスタンダードを主導できるかどうかというのがどれだけ大切なのかということを米中貿易戦争にてたくさんの人が思い知ったため、6Gにおいては政治が担う機能がかなり強そうだとも思いました。
2020年がスタートして間もないが、「6G」に関する「海外イベント視察&情報収集&レポート(報告書作成)業務」(報告会・プレゼン開催も含む)に対するリクエストが、ここ最近(2019年11月または2019年12月以降)、急速に増えている。
「6G」に関連する将来ビジョンや先端プレイヤーの動向、テクノロジー・トレンド・先端技術や先端商品・サービスについて、当該法人企業(当該プレイヤー)、特に先端技術の応用・展開の可能性を追求するR&D部門や、新製品開発や新規市場創出を模索するマーケティング部門から強く求められている。
この背景にあるのは、「6G」などの先端分野について、海外の方が日本よりも2~3年は進んでいる(先行している)からである。
いやいや、総務省や日経新聞は日本がリードすると息巻いているけれども、実際は海外の方が日本より先行しているよという記事もあるので、鵜呑みにはできんなとも思っています。フィンランドで3月にも6Gイベントがあることを考えると、うかうかしていられないのが現状のようです。
さて、日本では2020年春頃に5Gがスタートする。通信インフラや技術にかかわらず、デフレ期に緊縮財政に固執するという亡国的な政策を採る日本が、あらゆる分野で世界に後れを取ることは当然だ。
こうして日本がもたついている中、さらに驚くべきニュースが届いた。
11月7日、中国の科学技術省が発行する科学技術日報が、次々世代通信技術である「6G」の調査研究を開始したと報じたのだ。
まだ5Gが始まったばかりだというのに、中国は既に次の世代に着手したということになる。
当然ファーウェイがリードする中国も動いているでしょうね、という話です。
感想
通信回線だけ早くなっても意味はなくて、アプリケーションが必要だしそれを動かすハイパフォーマンスなコンピュータも必要です。CPU、メモリー、ストレージが進化してきた延長線上では6Gが満足するスピードは出ません。
いくら道が大容量でも、例えばストレージに読み書きするスピードが遅ければ、情報を送る時点で詰まってしまいます。ストレージは大容量化したけれども読み書きのスピードが進化できていない。
CPUやメモリーまわりは、量子コンピューターが実用化して実現するのかというと今の段階ではまだまだHello Worldであり10年経ったら手元に来ているかというと首をかしげたくなります。
キーボードというデバイスが結局は無くならないように、今使っているものの延長線で画期的な進化が必要でしょう。
最近ではコンテナを活用することが目玉になっていますが、まだまだソフトウェア上の工夫でありハードウェアが6Gに合わせた形に進化はしていません。
ITの世界にいる以上、全体の進化に合わせるつもりではありますが、1990年代のように画期的な進化が6Gに合わせて起こるのか。そもそもインターネット時代が100年前から考えるとファンタジーなだけに、期待して待ちたいと思います。