orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

マスタリングTCP/IPを読んだか読んでないかで随分違う

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IT業界に飛び込むのなら基礎が大事という記憶

IT業界にいるのにITのことを知ろうとしない人って結構いるんです。基本的なことは3年ぐらい勉強すればわかってしまうと思うのですが、その3年をいつまで経っても避け続け四十代になる人はかなりの人数いるのではないかな・・と思うことがあります。

私は四十代になって、机に本を開いて勉強する、ということはないのですが、二十代のころ、特に大学を卒業して5年位はすごく本を読んでいた記憶があります。

AIなど数学を駆使する分野はともかく、IT業界に従事する一般的な知識であればそんなイメージで対応すればいいと思います。二十代にたくさん勉強して、あとは現場で応用を習得していくのが良いと思います。

基礎をきちんとおぼえたから現場でロジカルに考えられる人。何となく現場で方法を身に着けるも基礎がないのでなぜそうなっているのかを知識として蓄えられない人。その差を抱えたまま10年レベルで時を過ごすと、すごい差が生まれてしまうのは実際に見てきたので証言しておきます。

 

昔であった名著

私がその若いときに読んでた本のうちの一つがこれ。

 


マスタリングTCP/IP―入門編―(第6版) (日本語) 単行本 – 2019/12/1

 

第6版が先月出たばかりですけれども、私は多分に初版を1998年ごろ手にしているはずなんです。

私が今身についていることについて、この本で学んだことは非常に大きいです。この本は入門編と書いてありますけれど、下記の目次となっています。

 

目次
第1章 ネットワーク基礎知識
第2章 TCP/IP基礎知識
第3章 データリンク
第4章 IP(Internet Protocol)
第5章 IPに関連する技術
第6章 TCPとUDP
第7章 ルーティングプロトコル(経路制御プロトコル)
第8章 アプリケーションプロトコル
第9章 セキュリティ
付録

 

章立ては第1版からおそらく変わっていないのではないでしょうか。

 

 

読んだ方がいい理由

今の若い人たちは、データリンク層やIP、TCP・UDPまでの話を結構すっ飛ばして、なんとなくネットワークを使いだす人が多い。そうすると、いざネットワーク周りで問題が起きた時に何をトラブルシューティングすればいいか、わかってないなあというケースが非常に多いのです。

もっとかみ砕いて言えば、どのレイヤーで問題が起こっているか、というイメージがつかめていないので、問題を絞り込めていくことが見ていて難しそうなのです。

私もネットワークが専門ではないのですが、ただ20年前にこの本に出会い、概念を整えてから時間を積み重ねてきたので非常に良かったと思っています。経験を積んでいく前に早めに読んでおくと、実際に仕事で経験を積んだ時に意味が分かるようになります。

20年前から考えれば仮想化も進み、ネットワークも、あまり低レイヤの層を意識せずに高度な設定ができるようになりました。パブリッククラウドはその象徴です。一方で、問題が起こった時に素早く推察するためには、上記でご紹介した本をわかっているのといないので、問題に対する理解の差が大きくついてきます。普段の設定作業すら、基礎があることでその意味が分かるようになります。

ぜひ、経験が浅いという自覚がある人は読んでほしい本です。

私がはじめて読んだ約二十年前からデザインが変わっていないのがほほえましいです。ただ中身は現代向けにアップデートが行われ去年の年末にまた新版が出ました。

ちなみに、同様に、昔読んだ本を探してみたのですが、全く見つかりませんでした。このTCP/IPの本がこの二十年間普遍的な知識であった証明であると思います。きっとこれからも、マスタリングTCP/IP入門編の内容は大きく変わらない根本的な話だと思います。