orangeitems’s diary

クラウドで働くインフラエンジニアの日々の感想です(ほぼ毎日更新)。



RE: 給与前払いサービスって大丈夫なのと言っている人は古い

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はじめに

今日の毎日新聞にて給与前払いサービスが広がっていることを知って、実際どれぐらい広がっているかどうかをまとめたのが下記の記事です。

 

www.orangeitems.com

 

一連のコメントを読んだ感想を記します。

 

まず事業化してから問題点を洗っていくプロセス

「給与前払いサービス」には、あたかも資金繰りが厳しい人が止むに止まれずお金を引き出し、それに高い手数料を取って企業が収益を得ようという面もあるかもしれません。この類のネガティブコメントもたくさん頂いています。

一方で、このような法律では認められていますが倫理的にはどうなんだろうとグレーゾーンに対して日本人が揉めている間に、外国人がやってきてサービスを始めて席巻してしまう場面をたくさん見てきました。そして物議を醸している間にどんどん利用者が増え、問題点はPDCAにて改善していき結局はデファクトスタンダード/インフラ化してしまうことが多いです。

例えば、Youtubeがそうです。Youtube開始当初は、著作権違反の温床としてさんざんネットでも叩かれてきました。下記は2006年の記事です。

 

www.itmedia.co.jp

 

日本企業は合法かどうか、リスクがないのか全部洗いだしてから、ビジネスを始める傾向があった一方で、とりあえず立ち上げて問題に対処していくという外資系の戦略がデジタル時代はかなりはまっていて、ガラケーの世界は脆くも壊れてしまったのはご存知の通りです。

したがって、給与前払いサービスがかなりの企業が参入しすでに一般化し始めていることを考えても、この仕組みが社会にどのような影響を与えていくか考えていかなければいけないフェーズになっていると考えます。しかも今回参入している企業群を見ても、大企業・ベンチャー含め内資の企業ばかりです。日本もサービス実装することに対して、外資並みの俊敏性が付いてきたと思います。

すでにかなりの参入企業や事例がある状況では、「給与前払いサービス」がなぜこれだけ参入が広がるほど需要があるのか。その主体は誰なのか。便利になったのはどんなケースなのか。その中身を直視していく必要があります。そして本当に問題点が隠れていて、しかも何らかの被害が具体的に発生しているのであれば、これは法律で規制していかなければいけない案件でしょう。今のところ、とにかく利用が広がっているという事実しかありませんので、今後、利用者は主に誰でどんな目的で使っているのか民間の調査結果等が出てくるのではないかと思われます。

 

「貸金業ではない」金融庁のお墨付きがある

ちなみに、「給与前払いサービス」は(特定の条件を満たす限り)貸金業ではないという結論を金融庁が出しているので紹介しておきます。

 

www.meti.go.jp

 

上記の日本語が難しいのですが、とりあえずはここに書いてあることさえ守れば、貸金業法に縛られず事業化できるというお墨付きがあるということは共有頂きたいところです。

 

需要を探る

何がメリットなんだろうと思って導入各社の事例を読み返してみました。システム開発会社のメリットではありません。給与前払いサービスを導入する会社のメリットです。システム開発会社には利用料を支払わなければいけないので、メリットがなければ導入しないはずです。手数料はシステム開発会社に入りますから。

 

この記事がまとまっているのかな・・と。

prtimes.jp

(企業側メリット)
・求職者に人気の「日払い・週払い」対応が可能となり、求人応募数が増加、さらに従業員満足度が向上し定着率アップにも役立ちます。
・導入費用・ランニングコストは0円。前払い用の資金は、給与支給日までHayakyuが立て替えします。
・給与支払いサイクルの変更は不要。日々の振込み作業、前払いの管理・記録等、煩雑な事務作業も発生しません。

 

(従業員側メリット)
・給与が月末〆翌月未払いの職場でも、「早給」制度があれば急な出費にも対応可能です。
・会社・上司への承認は不要。自分の稼いだ給料だからだれにも気兼ねせず、必要な時に働いた分のお金を受け取ることが可能です。
・スマホ・PCの専用WEBサイトから24時間365日、手軽に給与前払いの申請が可能です。 

 

従業員メリットだけ見ると「大丈夫かな?」「貧テック」なんて言葉が出てきても違和感はないかなと思います。急な出費に耐えられない資金繰り大丈夫か・・と(というか大丈夫じゃないから使うんでしょうね)。ここはやはり問題点。

企業側の方を注目したい。日払い・週払い対応可能な職場は求職者に人気があるそうです。結局のところ人材不足への対応ということになります。この「人材不足」というキーワードはどの事例を見ても登場しました。

以下の記事は定量的にそれを示しています。

 

www.businessinsider.jp

公式サイトによると、アルバイトの求人で「日払い対応」を表記すると応募数が約3.7倍に増加するというデータがあり、従業員の離職率も下がる傾向にあるという。

 

アルバイト不足に悩む職場で、だからといって時給も上げられない。そんな場合の一手としてこのサービスを導入することが広まっているという理解は自然だと思います。しかも従業員定着率もいいというのも発見です。

学生さんなどは、サークルのイベント参加や友達との約束など、急な出費はよくありすぐにお金が手に入るほうがとてもメリットがあるのはよくわかります。私も苦学生でしたから・・。

そういえば、マクドナルドのクルーも前払い制度があるそうです。

 

www.mcdonalds.co.jp

前給制度

前給制度とは、本来翌月15日に支払われる今月分の給料の一部を、今月末日までに受け取れる便利なシステムです。最短で翌日の振込ができます。

 

アルバイト、そして学生という層だけ考えると、従業員と企業とシステム開発会社がWin-Win-Winとなる利用シーンはかなりありそうです。

また、日雇い・週雇いで求人が劇的に増えるのであれば、企業がこぞって導入するのもわかる・・。

 

一方で、はてなブックマークのネガティブコメントのように問題点もはらんでいますから、手数料等、ある程度の規制は今後必要になってくるかもしれません。手数料は企業側がある程度は支払うべきと言う議論も出てくるのではないでしょうか。