orangeitems’s diary

クラウドではたらくエンジニアの日々の感想です。

NEC新野社長のインタビューを読んで

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NEC新野社長のインタビュー記事から

このブログで何度も書いているNECの経営改革の話題ですが、また新野社長のインタビュー記事が出ていました。個人の感想として、この内容に触れたいと思います。

 

cloud.watch.impress.co.jp

「2018年は、変革に向けたギアチェンジの年。これまでの『当たり前』を捨て、本当に必要なものを、いかに強くしていくかに取り組むことになる」と語る新野社長に、NECのこれまでとこれからを聞いた。

 

感想

私の個人的な感想です。

かなり長文の記事なのですが、それにも関わらず社長の発言内容に、具体的な事業内容があいまいなのが非常に気になります。

・「自らが変化をして、自らが市場を作っていく」

・「これだけ世の中が変わっているのに、頭だけで考えようとしている。実行力がまったく追いついていない。その姿勢を根本的に変えないといつまでたってもかわらない」

・「ギアチェンジ」

・「全員がギアチェンジをしてほしい」

・対話会を実施

・約30人の現場のエース級人材を“変革の推進役(Change Agent)”に任命して、2018年7月から変革プロジェクト「Project RISE」を本格的にスタート

・トップが現場に行って、なんのためにこれをやるのかということを言い、「こうやったら達成できる」「もし達成に向けた阻害要因があるのならば言ってくれ。絶対に解決する」という話をしています。

・グローバルで責任を持てる事業は国内事業から切り離し、それをグローバルビジネスユニットに移管して、製販一体の体制

・グローバル事業における責任と権限を一元化

・熊谷さんがGEジャパンを辞めるという話を聞き、「ぜひ一緒にやってほしい」とお願いした

その他諸々続くのですが、具体的なプロダクトが見えてきません。変わろう、変え方は有識者中心にみんなで考えよう。社内でわからなければ社外から引っ張ってこようと言う風に見えます。

もともと、SIという仕事自体がお客様の要望を聞いて、システムインテグレーションを行うことを主眼としているためお客様の言われたことの中にしか、ビジネスの芽がないという風に錯覚しがちなのではないかと思います。

本記事のまとめにて、

――いま、NECが抱える課題はなんでしょうか。

 ひとことでいえば、社内の「文化」です。技術、顧客、競合、市場のすべての環境が変化しています。変化対応力が、企業の強さを決める要因ですが、そこに課題があります。現場の社員までを含めて、自分で市場を見て、自ら考えて、指示を待たずに自ら行動するということができていない。外から来た人に見てもらうと、明らかにNECのやり方は遅れていることがわかります。

とあるのですが。市場が変化し、それに対応する能力が必要とあります。私は違うと思うのです。市場を変化させる革命的な(イノベーティブな)製品こそNECに求められているのではないかと思うのです。

Google/Apple/Facebook/Amazon(GAFA)は市場の変化を見て製品を投入しているわけではありません。投入した製品が市場を変えるのです。

家電メーカーで例えます。お客様中心主義でユーザーから吸い上げた要望を、プロダクトにベタベタくっつけていった結果、家電はどうなったでしょう。どんどんボタンが増えていき階層が増えていき、最終的には収拾がつかなくなって、欧米の高級なスマート家電に駆逐されていったではありませんか。昭和のお客様中心主義が招いた幻想をNECも引きずっているのではないかと思います。

窮地だったAppleを救ったのは、スティーブジョブズのiMacでありiPodであり、iPhoneでした。ユーザーの動向を見て作ったプロダクトではありません。ユーザーが想像しないような体験で感動をさせたい、その思いで会社全体を引っ張った結果がAppleの再興でした。窮地に陥っているという意味では、Appleの復活劇は大変参考になります。スティーブジョブズはエンジニアだったわけではないことから、社長のビジョンで何を作り出し実現し、市場をどう主体的に揺り動かしていくかというシナリオが最も大切だと思います。

ところが、今回の内容を読んでも、社内文化を変えていく、組織を変える、事業を買う、有識者を活用する、そんな調整型の改革ばかりで、市場を変革するようなプロダクトが見えてこないのです。

市場で一番流行っているものを追いかける感度を磨き、早急に投入しマネタイズするということを追いかけた結果、レッドオーシャンに飛び込み価格競争に直面し、差別化できずに有識者は競合に引き抜かれていくというリスクを感じざるを得ません。リスクヘッジばかりしていると、かえってリスクとなると考えます。

もっと社長には、市場が気づいていないNEC発の革命的なプロダクトを、熱っぽく語る役割を期待せざるを得ません。「世界中が新しいNECのそのプロダクトを使うことになる」、そんな宣言を待ち望んでいます。

 

答え合わせはもうすぐ

今期の決算が来年の春に出ると思うのですが、その結果を待っています。驚くようなプロダクトが実は用意されていて、V字回復の起爆剤となるような出来事が隠されていた、そうなればいいなと思います。