アメリカの目的
いよいよ、大型の対中関税が発動されますね。
アメリカの目的はこう考えます。
巨大な貿易赤字をこれ以上垂れ流しにはできない。事実、毎年の国家予算を組み上げるのも苦労するようになり、数日の政府閉鎖まで行われる始末だ。なんと情けない。
貿易赤字をゼロにするまでアメリカは行動し続ける。行動しなければいずれ破たんする。これまでの政権が何もしてこなかったのが悪い。
これまでの国連や世界秩序のしがらみで、アメリカの取りえる行動は相当限られてきた。その結果が今の状況だ。全部ゼロベースで考える。常識など通用しない。
もちろん行動すれば、たくさんの避難や抵抗にあうだろう。しかし、考えてみてほしい。行動しなければ、我々は破たんするのだ。それはあってはいけない。
今起こっていることは全て説明がつきます。
コラム:WTO脱退、トランプ氏の自己達成的予言か | ロイター
7月に対中関税発動 米、500億ドル分の詳細公表 (写真=AP) :日本経済新聞
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きりがないのでこれぐらいにしますが、全て行動は一貫しています。これまでの国際秩序を否定したうえで、貿易赤字を解消する世界を作ることが最大の目的です。
中間選挙目的ではない
今年に入ってからのアクションは、中間選挙目的だ。選挙が終わればマイルドになるだろうという見解も散見されます。私はこの論理を明確に否定します。トランプ大統領のビジョンは以下の言葉に表されます。
Make America Great Again(アメリカ合衆国を再び偉大にしよう)
詳しくはWikipediaをご覧ください。はじめからこの言葉を発していました。このためには方法はいとわないというのが私の見解です。今起こっていることはごくごく自然だと思います。
ここ30年くらい安定してきた国際秩序は、今後ドラスティックにアメリカが変えていきます。それはトランプ大統領が原因という見方を各メディアがするのですが、彼は優秀なフロント営業マンです。彼の後ろにいるアメリカ国民の意思を代表しているに過ぎないのです。オバマ前大統領は完全なる調整型で、ウィンウィンを目指しましたが、ノーディールつまりウィンウィンでなければ取引しない、ということは徹底できませんでした。トランプ大統領は北朝鮮と会談を行ったように、誰かを打ち負かそうとはしていません。アメリカがウィンでない取引に、ノーディールを突き付けているのです。
ということで、トランプ大統領のパフォーマンスじゃなくて、アメリカは本気でやるんだということがじわじわ世界中で理解が進みだし、新しい世界秩序への不安から株式市場は下落を始めています。
2018年も下半期に入りますが、相当な変化を覚悟しておいた方が良いと思います。長年の常識が全く通用しなくなりますから、日々のニュースを注視し、自分の周辺に変化の兆しがないか注意深く観察する必要があります。もしかしたら自分の勤めている会社が急激な環境の変化に襲われるかもしれませんし、逆にチャンスもあるかもしれません。
日本は大きく影響を受ける
日本の社会構造もかなり硬直化してきていますがこれから大きく変化することが必至だと思います。今はテレビや新聞が騒いでいるだけで、トランプ大統領困ったもんだねえ、ということで終わりにしがちですが、とんでもないことを、この片隅のブログに残しておきたいと思います。