ソニー生命に立ち入り
ソニー生命が、金融庁に立ち入り検査を受けているとの報道です。
ソニー生命保険の社員から架空の生命保険契約で現金をだまし取られる被害が相次いだ問題で、金融庁が同社に立ち入り検査に入っていることが5日、分かった。業務の成果に応じて賃金が支払われる「完全歩合制」の給与形態が事件を招いた可能性があるとして、実態の把握に乗り出した。
報道の内容を見るとかなり闇の深い事件です。完全歩合制の給与体系のため契約が取れないとかなり収入が下がるため、無理をした挙句架空の生命保険契約を作り上げてしまったそうです。外資系保険会社に多い給与体系のようですが、悪事に手を染めてしまう導線となりうる制度であることが明るみに出た格好です。
予兆があった
ツイッターを見ていると、業界内では知るところとなっていた模様です。
募集人のブラックリストこと生保協会の廃業募集人登録制度。今までは一律3年だったのが、顧客金銭の詐取費消の場合20年になったそうですな。この四月から。事実上の業界追放やね。
— 保険屋(乗合)@医療保険不要派 (@pokohokenojisan) 2018年4月4日
おい!ソニー生命のLP、君たちが架空投資詐欺とか架空契約詐欺とかやりまくるからこんなんなったんやで!
反省せぇや。
LPとはライフプランナーのことですね。@pokohokenojisanさんのつぶやきを引用します。
何だかんだ言ったけど小職はソニー生命が大好きです。
— 保険屋(乗合)@医療保険不要派 (@pokohokenojisan) 2018年3月27日
たくさん売ったらすごくいっぱいお金くれるところとか。
LPがちょいちょい架空契約詐欺で逮捕されるお茶目なところとか。
今時メールじゃなくFAXで個人情報ガンガン送りつけてくるところとか。
やっぱり保険売るならソニー生命が一番やね。
そうでしたか・・。
ソニー生命の人に「キャンペーン旅行なんて今時大丈夫?」って聞いたら、大丈夫ですよ、国内だし。多分キリがいい50回まではやりますよ。とか言ってて。
— 保険屋(乗合)@医療保険不要派 (@pokohokenojisan) 2018年3月27日
前から思ってたけどソニー生命の関係者ってやっぱり脳ミソ筋肉で出来てるんやろな。
そんな奴ばっかりやもんなぁ。
まぁ頑張りや。
うーん。
褒賞旅行なんてあかんぞと金融庁に言われて以来すっかり褒賞旅行は見なくなりましたが。
— 保険屋(乗合)@医療保険不要派 (@pokohokenojisan) 2018年3月27日
今年もやりますソニー生命第49回SPC。福岡です。
昨年末あれだけ金融庁にしばかれたのに反省の色なし。
さすが俺たちのソニー生命。
頑張れソニー系代理店のみんな。
チューリッヒはもっとこっそりやてるぞ。
去年から問題になっていたんですね。
過去のニュースをさかのぼる
報道されているのは、下記2件ですね。
ソニー生命保険は18日、男性の元社員(45)が香川県内で6人と架空の生命保険契約を結び、計1億3521万円をだまし取ったと発表した。ソニー生命によると、元社員は高松支社で営業を担当。平成21年9月~29年4月、架空の保険の加入を呼び掛け、50万~約9千万円を現金で受け取った。被害者からの問い合わせで判明した。元社員も詐取を認めているという。
ソニー生命保険の福山支社(広島県福山市)の元男性社員(52)が、架空の保険契約で複数の顧客から現金をだまし取ったことが26日、わかった。被害額は数千万円、被害者は10人近くにのぼる可能性がある。
また、ダイヤモンドオンラインでは考察記事が掲載されています。
事後対応をはじめとして、ソニー生命の残念過ぎる企業体質と、お粗末な内部管理体制が浮き彫りになってしまったからだ。
去年も金融庁は立ち入り検査していたのですね。
感想
外から見ていると、やりがいのありそうな仕事に見えるわけですが。
おそらく、成功した人にはものすごいインセンティブを付けているんですね。一方で成功できない人には全く支払われない。
金融庁からも何らかの強い指導が行われると思いますが、ライフプランナーのライフが削られることで好業績が支えられていたということであり、中長期的なビジネス継続の視点が欠けていると言って差し支えないかと思います。
なお、「廃業等募集人情報登録制度及び代理店廃止等情報制度」というのを今回初めて知りました。
廃業等募集人情報登録制度及び代理店廃止等情報制度 | 個人情報の取扱い | 生命保険協会
いわゆる業界ブラックリストで、これに登録されると保険業界に居られなくなる・・。20年もの間になったんですね。
なかなか勉強になりました。
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