orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

RPAやシステムによる自動化が進む社会、少し先のことを考えよう

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どんどん自動化が進む社会

かつての花形業界と言われた銀行業界が、いよいよフィンテックやRPAの流れ、および人口減による貸出減、新規参入による飽和状態など、就職先としては先が読めない状況となってきました。人気企業ランキングにもこれが反映されメガバンクをはじめとして急落している状況です。

 

【総合】2019年卒 就職希望・人気企業ランキング | キャリタス就活2019 | 新卒・既卒学生向け就職活動・採用情報サイト

航空、総合商社大手が上位に。銀行が順位を落とす
総合ランキングで首位に立ったのは日本航空(JAL)。前年の4位から3ランクアップしました。航空業界では全日本空輸(ANA)が3位に入り、国内大手が人気を集めました。2位の伊藤忠商事は前年から5ランク、6位の三菱商事も3ランクアップと、総合商社も躍進。一方で順位を落とした銀行では、三菱東京UFJ銀行(※調査当時)が4位にランクインしたものの、前年1位のみずほフィナンシャルグループが17位、同5位だった三井住友銀行が14位となりました。

 

世の中の仕事のうち、繰り返し作業がどんどんITの力で省略されて行った時、SFのような話ですが、「人が余る」ことが現実的になるのではと思います。今人手不足といえば物流なのですが、これを引き起こしているECとのあり方自体を見直すことによって、かなり合理化できる要素があります。すでに取り組みは始まっています。

 

「超・人手不足」の物流業界を救う3つの大革新 | 卸売・物流・商社 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

ヤマト運輸の労働組合が宅配便の荷受量の抑制を要求」というニュースに象徴されるように、物流現場の人手不足、疲弊が問題になっている。人手不足解消のカギともなりそうなのが、デジタルテクノロジーによるロジスティクス変革だ。

 

コンビニの世界でも人手不足が深刻になってきました。成長のために人を集める手法が限界に来ており、対策として無人レジが一般化されつつあります。

 

人手不足対策、ローソンが無人レジ店展開へ | ロイター | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

ローソン<2651.T>は4日、来年春をめどに無人レジの実験を首都圏の数店舗で始めると発表した。利用者がスマートフォン(スマホ)で商品代金の支払いを済ませることで、レジ対応をする店員が不要になる。

小売業界でも人手不足は深刻化しており、コンビニ大手では24時間営業を見直す動きも出てきた。無人レジはローソンの省力化に向けた取り組みの一環。近い将来、自動的に調理された「からあげクン」を接客ロボットが売り込みをする日が来るかもしれない。

 

いろんな業界で省力化・無人化の取り組みが激しくなっていて、このままでは、「人余り」が起こるのではないか、と個人的に予感しています。

 

もはや数字にも表れている

こちらの、「人手不足な職業・人余りな職業」ランキングにはもう影響が現れ始めています。

 

「人手不足な職業・人余りな職業」ランキング | 就職四季報プラスワン | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

大手をはじめ人気企業は競争率が高く、業界や職業によって、「人手不足」の職業もあれば、逆に「人余り」となっている職業もある。では具体的に、どういった職業が人手不足、人余りなのか?

 

このニュースで典型的なのが「一般事務の求人倍率が0.30倍」という数字です。このランキングではパートタイムが除かれているので、結局は一般事務の非正規化が進んでいるということになると思います。裏を返せば一般事務はいつでも人を削減できる状態にして削減を進めることが進んでいるということになると思います。

この調査において倍率が高い仕事はITが及びにくい職業であると言えます。ただ、ここで言われる倍率の高い医療関係の仕事においても、ITによる技術革新を享受しようと、若手医者を中心にベンチャーが動いているのを知っています。

 

なぜ、東大医学部卒の医師が、スタートアップの代表に?《MEDLEY》豊田剛一郎 人生を賭けた挑戦 | CAREER HACK

日本で研修医をしていたころ、救命救急など、1ヶ月の半分ぐらいは病院で寝泊まりする生活で。別に苦でなかったし、それが当たり前だと思っていました。ただ、医療というシステム全体で見た時、医療従事者の自己犠牲の精神に寄りかかっている。新しい時代になれば、薬も、検査も、治療法もどんどん増えていく。高齢化社会で患者さんも増えますよね。一方で、若い労働力は減っていく一方で…じゃあどうするんだ?と常々感じていました。

 

医療情報をITが取り扱うとき必ず医師法の壁があります。WELQの問題は記憶に新しいと思います。最終的には人の命につながるため、IT技術者は近寄らず、一方の医者はIT音痴であり、医者のいう通りにシステムを作って行ったらとんでもことになるということも最近よくニュースになります。

 

システム開発の失敗を巡り裁判に至るまで、旭川医大とNTT東の2010年 | 日経 xTECH(クロステック)

NTT東日本は訴状のなかで、「強引かつ際限のない仕様の追加・変更の要求だった」と主張している。NTT東日本が裁判資料として提出した開発プロジェクトの議事録には、旭川医大の医師が「右クリックできなければ新システムは使えない」といった発言をしていたことなどが記載してある。

 

そこで、医者が中心となりIT化を引っ張り、労働環境やサービスレベルを引き上げようという動きです。MEDLEYという企業は、CEO始め医者が集まってできたスタートアップでかなり注目しています。マーケティング的に考えてもブルーオーシャンです。期待しています。

 

なお、政治の世界においても、AIをもっと活用し公務員の仕事をもっと効率化すべきとの意見が出て来ています。

 

「政治にAI導入を」 小泉氏が提唱 :日本経済新聞

自民党の小泉進次郎筆頭副幹事長は29日、千葉市の幕張メッセで開催された政治とテクノロジーの関係を巡る討論会で、政治の世界にも人工知能(AI)を導入すべきだと持論を展開した。政治(ポリティクス)とAIなどのテクノロジーを掛け合わせた造語「ポリテック」も提唱した。

 

人手不足解消の先

このように、人手不足という言葉が現在踊っていますし、人口減という将来も確定的な中、仕事という概念を捉え直ししないといけない時期が迫っていると思います。今はまだ過渡期なので単に非正規が増えているだけという状況ですが、むしろ非正規がどんどん削減される時代が来ます。

真に人余りが実現してしまったとき社会はどのような絵になっているのでしょうか。企業が成長するにあたり、リニアに人が必要なくなる社会。例えば、コンビニは増えるけれども全部無人コンビニ。今のガソリンスタンドがこれに近いかもしれませんね。都会はセルフばかりです。単なる人口減よりも、就労人口減のほうが急激に進む時代。

例えば、農業などに投資し、食料自給率を上げていくのは効率的かもしれません。人余りの状況であり、かつ地方の遊休不動産が増えていくことを考えると一石二鳥です。また、仕事をしないことに対してベーシックインカムの議論も再検討しなければいけないと思います。現在は創業に対してリスクが大きすぎます。人余りを活用して創業を増やし経済を活発化させることも考える必要があります。

このような予測もすでに出てきているとのこと。

202X年、再び人余り? AI投資で効率化進む :日本経済新聞

人手不足でほぼ完全雇用の状態とされる日本経済。だが企業が一斉に人工知能(AI)導入などの省力化投資に動き始めたことで次第に余剰人員が膨らみ、2020年代には完全失業率が再び上昇に転じるとの観測も出ている。

人手不足、ブラック、現在の人々の関心はこちらに集まっていますが、もっと先には仕事すらない社会が待っているのかもしれません。早めに先回りをした人と準備をせずにその時代を迎えてしまう人の間で、大きな差がついてしまうものと思います。

前もって分かっていればできることがたくさんあるはずです。まずはその概要から知りましょう。

 


RPAの威力 ~ロボットと共に生きる働き方改革~2017/11/16