orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

ソフトウェアの課金方式はどんどん「CPUコア数」を基本とするようになっている

 

よく仕事で使うようなソフトウェアの課金方式が、どんどん「CPUコア数」を基本とするようになっている。今日見たニュースだとXeonは288コアを動かすようになるらしい。それだと物理CPUは1つであっても288コアを持つので、CPUコア数課金をするソフトウェアがまるまる使うと大変なことになる。288コア x 1コア当たりの課金、みたいになるからだ。

 

pc.watch.impress.co.jp

 

従って、OSを仮想化して、4コアなり8コアなりを割り当ててその上で使う、みたいな話になるが、つまるところ物理サーバー台数はどんどん減るが、ソフトウェア費用は下がらないみたいなことになりがちである。VMwareだってCPUコア数課金を始めるようなので、結局のところ、CPUコアを無駄に使うと、IT投資の無駄が増えることになる。

この話は何につながるかと言うと、どんだけCPUコアを無駄に割り当てて来たか、について今後反省を迫られるということだ。例えば8コアのOSを動かしているが4コアでも動くのなら、4コア分のソフトウェア費用を無駄に払っているということになる。

これまでは、円がドルに対して強かったり、アメリカのインフレ率も大したことがなかったので、結構適当に、余裕を持ってサイジングしたところで予算の範囲内にとどまることが多かった印象だ。

ところが、CPUコア数を根拠とした課金が増え、かつ値上げの一方なので、きっと「どこかに無駄にCPUコアを割り当てて無駄に課金しているサーバーがいるはず」という観点が、埋蔵金のように語られるようになるんじゃないか、と思っている。

だってこのソフトウェア課金、CPUコア数 x ドルベースの単価、みたいな計算方法なので、円安が進むとどんどん日本の企業はIT支出を搾り取られるようになる構図だからだ。しかも単価はインフレしている。

ってなことで、もうだいたい予想がついている。

OSごとの実CPU利用率を分析し、このOS、CPUをあまり使っていないんでコア数減らしましょう、みたいなアセスメントをすることがトレンドとなると思っている。自分がシステムオーナーなら真っ先にこの作業をする。

だから、物理CPUが288コアになった、と言う話を聴くと、でもそのコア数分のソフトウェア料金取ってくるから全然うれしくないよね、と言う話になる。

なんだかな、大昔にIntelがCore 2 Duoを出してコアという概念が出てきた時すごいな、と思ったものだけどそのすごさが、ソフトウェアの課金体系によって無駄になりつつある。ざっくり言えば、16コア物理CPU x 2 と、32コア物理CPU x 1は、同じ価値になりつつある。せっかく物理CPU数を減らしたって意味をなさない。物理CPU1個当たりの課金、ってのが恐らく化石な考え方になる日は近い。

本当の進化って、どんどん高性能なことを安価でできるようになるはずなのに、これじゃ高性能になればなるほど価格が上がって行くので、なーんの意味も無いのである。

今後、CPUコア数を使うことにどんどんシビアになっていく。それがほんと、めんどくさい未来なのである。運用の現場がひーひー言うに決まっている。減らし過ぎたーとか、データ出せとか・・。

やだやだ。