orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

相手の言っていることがわからない時のしのぎ方

 

未経験のときを思い返すと、確かにわけがわからないことは多かった。わけがわからないのに担当者にされることも多かった。あの時代のおおらかなところが、担当者にスキルがあろうがなかろうがとりあえずはアサインしてしまうことだ。その上で、わからないことがあれば何でも聴いてと言われる。

この、教育が不完全な状態で仕事開始、みたいな状況は今の世の中どれくらいあるのか。結構なストレス状態だと思う。だって、無知の状態で、サービス提供を求められるわけで。

でも当時の私は「知ってますよ」という顔をしてしのいでいた。日本語だもの。文脈はまず大事。その上で「音」が大事だった。何言ってるかわからなくてもカタカナで受け入れておく。わからないその言葉を後で調べる。調べるってったって当時はGoogle検索なんて無かった。社内のナレッジデータベースや本のマニュアルなどを見て情報を探した。ただ社内には存在しない一般的な情報であることも多く、えーいめんどくさいと、たくさん本を買い込んで頭から最後まで読んでいった。

本を読む、だけで言えば、机の上に本を広げノートを取りながら、はちまき巻いて蛍光灯の下で集中しなくたっていい。どこでだって本は読める。淡々と1ページ目からめくっていって最終ページまでたどり着けばいい。

ただ、本に書いてある内容が「わからない」と、それって無駄な時間にしかならない。わからないのに読み進めないこと。わからないということはその本がまだ難しすぎたのかもしれない。レベルがもっと低い本を買って先にそれを読む。何しろ、わかる、ということを積み重ねていく。

「わからないことがあれば聴いてね」と先輩方は言うが、相当悔しい。勝手にわかってやる。むしろ先輩方がわからないことを聴いてやろうぐらいのひねくれた思考で、裏で勉強しまくるというのが私の若手の時のモチベーションだったと思う。

質問される方、先輩の立場に今私はいるが、質問者の気持ちがよくわかる。なーんにも準備しないで、わからないことに対するくやしさの意識もなく、質問してくる人。簡単に言えば伸びがない。伸びるのは本人の感情が大きく関わっていて、どうにか認められたいという欲求が強い人は、前段のように何か抵抗してくるのである。

わからないときにはぜひ、「わかる本」を読んでほしい。そして、わからない本の場合、お金を損したと短絡的に思わないで一旦横において欲しい。そしてそのわからないが解説されている別の、簡単な本を手にとって欲しい。そうやって、わからないを回避し、わかるを積み上げていけば、いつかわからない、もわかるようになる。

そうやって、未経験の状況から這い上がっていったことを思い出した。そういえば、私の基盤は、どう考えても基本情報処理技術者試験だ。まずはあの資格を合格できる基礎知識を持って、現場のわからないに立ち向かっていくと、相手が何を言ってるかわからなくても、文脈で捉え、後から詳細を調べて「わかったことにする」ことができるはずだ。さすがに、何にも予備知識無しで、現場で活躍するのは厳しい。

私が未経験初心者だったのももうはるか20数年前の話で、どうやって攻略したっけ、と思い出すのも一苦労。でも攻略の方法は全然変わってないと思う。本は、いいよ。ネットは断片的な知識が多すぎて、自分に何が欠けているかわかりにくい。偏った知識のままその場しのぎになってしまう。体系的で、かつわかりやすい名著を手に取り、そして一冊ずつ積み重ねていけば、クリアできるでしょう。私のように。