orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

効率や生産性だけを追ってもうまくいかないのはなぜか

 

効率やら生産性やらって、私が大好きなキーワードなんだけれど、これらの要素を極めたら幸せになれるかというと、そんなことはない。

何かやるべき目的があって、そこまでのプロセスを決め、そして実行していく。実行する段階では、効率やら生産性やらがポイントになっていく。今まではこういう風に処理をしていたけれど、こういう工夫をするともっと手早く、手間をかけずに完成させられるよね、という発想、改善の実施。こういった効率の追求は、ITの仕事をする人の得意分野である。

もともと、私自身はめんどくさいことが嫌いなので、効率を上げることに異様に執着してきた。その中でITが現れ、ITが好きになるというシナリオでIT業界に入っている。ITが好き、の基盤には効率好きがあると思う。

さて、では、なぜ効率だけ煮詰めてもよろしくないことがあるのか。

それは、そもそもの目的が正しいかどうか、については効率や生産性と関係がないことだ。

わけのわからない目的に対しても、効率は存在する。いろんなことを効率化しました、だから目的が効率よく達成できるようになりました。良かったですね。しかし、ビジネスがうまく行きません、効率化しようにもお客が来ません。なんてことは世の中にたくさん落ちている。

会社でも、平社員レベルから1つ上に出社するまでは、効率良く仕事し生産性が高いと思われた人が優先される。

しかし、それだけでは、単なる「効率厨」扱い。そもそも、それをやる必要がありますか?、まで踏み込んだ思考ができるようにならないと行き詰まる。無駄なことを効率的にやっても、無駄は無駄だ。

「私、何でもやります!。指示をください!。」

というタイプの人は結構たくさんいる。目的を考えたり決断をしたり、責任を取ったりすることは苦手。人から指示されたことをやるのはめっぽう上手。

このタイプの人の場合、目的の正しい人にたどり着けるかがポイントとなる。これが案外、運任せな要素となる。

効率好き、生産性好きな人がそのスキルを煮詰めて、フリーランス的に動き、お金を稼ぐのか。それとも、ビジネスの目的を考えられ、何をすべきかを決め、その成功報酬を狙ってお金を稼ぐのか。

この前者と後者、とても対照的であり、おそらく、人生のどこかでに自分が今後どちらを選ぶかを選択させられるはずである。

私は前者が上手な会社で若手時代は育ったが、後者が上手な会社を30代半ばで選択しなおした。

どんなに技術があっても、自分で目的をつかみ成功するには、それなりのポジションにいないと求められない、と思った。誰かに目的決めの部分を握られ、それに振り回されるのは我慢ならなかったから。

一方で、目的を決めて責任を取ることが全ての果実ではないので、技術をぶん回して生きるというのも一つの生き方である。それが上手な人はいるし、下手にビジネス論に踏み込むより、効率の追求を専門にしたほうがいい適性の人もいる。

どちらを選ぶにしても、自分自身が何を選んだか、くらいは考え、知っておくべきであろう。