orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

大企業にイノベーションは無理なんじゃないか

 

最近は外部イベントもリアルで行われるようになってきていて、Web会議だとちっとも頭に入ってこなかったけど、イベント会場だとなるほどなるほど内容は頭に入ってくる。

で、やっぱりIT系ということもあり、イノベーションが大好きで先進技術の紹介と、それを使った事例紹介という定番の流れ。多分、最近どんなイベントに行ってもこんな感じじゃなかろうか。

この流れってスティーブ・ジョブズが作ったんだよな、と思いつつ、おいおいプレゼンの字が小さすぎてここからじゃ読めんよと思ったものだが、最近のプレゼンはあんまりページ数を増やさず、1枚に情報を詰め込むのが流行ってるよね。Web会議ベースのリモートイベントが流行して、そうすると小さな字でも投影できるから、それに慣れちゃったんだな。

字が見えん。それなら音だけで聞くか。

音だけでも十分情報源になるんだけど、次に困った話が。

事例がしょぼいんだな。こんな立派な場所を貸し切って、たくさん人を呼んだのに、天下の大企業がこれかー、と。正直そう思った。

そりゃね、イノベーションのスタートなんて、こじんまりとしているわけ。大きく成長する事業だって始めはテスト飛行から始まる。

そうなんだけど、イベントの箱の大きさや豪華さに対して、負けるよねこのしょぼい事例だと。で、参加者は思うよね。しょぼいなーって。

そんなことより大企業ならではの、大企業案件の大型プロジェクトをこうやってやっつけたとか、今こうやってビジネスしてる、みたいな箱に見合った話をしないとさ、大企業自体のブランド価値を下げちゃうんじゃないのか、って。

もしイノベーションをやりたいんなら、未踏領域やりました、その検証結果です、これから未来へ突き進んでいくんだ・・終わり、ってこれって、打ち切りマンガのパターンと同じじゃない?。事業化ってそこからが難しいわけでさ。

ビジネスになるかどうかよくわからんものを、横に並べてイノベーション感を出しても、しょぼい。じゃあ大企業ならではの案件の詳細を披露したら、ってそれはきっと機密情報の観点からそんなこと簡単にはできないんだろう。

そこでもう、イベントを聴きながら、大企業の限界を感じちゃったわけ。今ではたくさんのIT系の大企業が生まれているけど、いろんな場所でイノベーションが生まれにくいことに苦しんでいるんじゃなかろうか。だから、最近の大企業って、イノベーションを成功しそうな企業を買っては、イノベーションしなそうな部門の社員をどんどん放流というかレイオフしてるよね。

ウチの会社とパートナーシップを結んだら、よりよいビジネスができます!と言いながら、そのネタは外から大資本で買ってきた別の会社で、使えない部門は削ぎ落としちゃう。これって、「大企業はイノベーションができる」って言うのかな。

だから話は戻るけど、それでも、大企業ならではの事業、ビジネスの話を聴きたいよね。その規模、小さなウチではできん・・ぐぬぬ・・となりたい。イノベーションなんてもう諦めて大規模な、実際の現場の話をイベントでは繰り出したほうがいいと思うよ。実際、それが稼ぎになってるんでしょ。

まあつまり、これはジョブズの呪いなんだな。イノベーションが社会を変えるっていう呪い。いや、変えているのは現場の皆さんであって、厳しいプロジェクトマネジメント運営を成功させてきたマネージャーの手腕なんだけど、ね。それをもっと誇るべきでしょうと思うんです。