orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

1on1が詰む理由がわかった

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なるほど、話題となっているこのスライドを見て気づいたことがあります。

 

speakerdeck.com

この通りすれば、1on1がうまくいくか・・と言えば、うまく行くこともあるしうまくいかないこともあるだろう。

1on1には、残念ながら特効薬のような「こうすればうまくいく」というのは端的に言えばないと思う。相性の問題もあるし、社風の問題もある。仕事内容の問題もあるし、立場もある。

ただし、「部下が何も話してくれない」というのは、共通して発生する課題のように思える。なのに、一人一人管理職が部下に対応しなければいけないので、結果として時間と負担ばかり増えるのに、結果、「なんでこんなことに時間を取られるの」と会社内に不満が充満することになる。というよりなったのを見たことがある。

これは、1on1というのは、管理職側にトレーニングと基礎知識が必要だということの裏返しのように思う。一見、個室に読んで30分話せば、それで1on1は成立してしまう。したがって何の準備もなく始めてしまう。一度始めたら最後までやらないと、あの人は話したけど私は話してない、が起こってしまう。

そして始めてから気づく。何を話せばいいのだ、と。部下は何でも話してくれるに違いないと思って対応すると、かなり何も話さない。問題はないか。いえ、ありません。満足です。大丈夫です。そんなやりとりばかり行っていると、なんて自分の組織は優秀なんだ。すばらしい、と管理職は思い込むが、しばらくしたら退職者が出たり、いさかいが起こったりして、あれれ、となる。おいおい何もあのとき言ってなかったじゃないか。

もしくは、特定の部下が不満をつらつら言う。どんどん言う。言わない部下に対して言う部下のほうが問題が可視化されるので対応するものの、ふたを開けてみれば、その部下が他のメンバーから一方的に嫌われたというのがわかった、ということもある。もしその部下に肩入れしようなら、他のメンバーから一緒に嫌われてしまったりして、カオスな状況が発生してしまったりする。それも見たことがある。

そう、1on1は簡単に始められ、そして始めると終われないという性質を持つ。そして開けなくてもいい箱を開けてしまったりもする。どうせ開く箱なら早く開けてしまえ、という思想もあるけれど、ここでいっぺんに開いてしまい収集がつかなくなるということもある。優秀な管理職が、問題を全部見える化し、一つ一つ解決していこうとしたら、部下が不満を認識してしまい対立した、という事例もあるだろう。

結局の所、1on1を武器として扱うのなら、それなりの準備と素養が必要だということだ。悪影響すらある。やるべきではなかった、という判断もある意味正しいときもある。そして、きちんと準備と知識があれば、有効な会議体にもできる。

それぐらい繊細なものだという理解が1on1に対しては必要に思う。私も部下として参加したこともあるし、管理職としてやったこともあるが、総じて意味がないと感じた。でもこれは、1on1が悪いというより、準備がなさすぎた。流行っているからといって導入してしまった会社に流されただけのように思う。

今では、やるとしても慎重だし、議題と目的意識を持ってそれ以上はやらないようにしている。短絡的に「共感が大事」と言って、共感できない部下をどう取り扱うか。それでも仕事ができる部下はいるから。自分は共感されない管理職でも仕事はしなければいけないから。

素人考えて1on1など始めないほうがいいと思うのである。