ある朝の私と課長の会話
※フィクションです。
朝目が覚めると、何となく風邪っぽい。
昭和のサラリーマンは、ここで栄養ドリンクをグビっと飲んで会社に向かうのが当然だったらしい。まあでも平成になってそれも非効率ということになり、有休使えよと上司は言うのだけど、がっつり熱があればね、もちろん休むんだけど。
でも、うーん多分、熱も37度台だよ・・「ピッ・・」・・ほら、37度3分。
この微妙な感じが大人の風邪って感じだよな。
仕方ない、会社行くか。
・・・なんてこれまでやってたけど、とりあえずチャットで上司と相談してみよう。
私:「おはようございます。すいません、課長、ちょっと熱っぽいんですけど。」
課長からすぐ返信があった。
課長:「お?もしかしてコロナか?」
私:「いやあまだ37.5度はないんで大丈夫だと思うんですけど、すこし熱っぽいんですよね。」
課長:「え、そうか。今日なんか緊急の仕事あったっけ・・?」
うーん、うーん、あ、そうだ。今日までに今後の結合テストのシナリオを課長にレビューしてもらわないといけなかった。じゃないとプロジェクトがリスケするって昨日誰かが言ってたような。
私:「課長、例のプロジェクトの結合テスト、レビューしてもらうの今日が期限でした。」
課長:「え、あああの件。それって今日の午前中までに提出するって昨日きいてたけど。」
私:「そうです、あと1時間くらいあれば完成するんですけど。」
課長:「そうかあ。うーん困ったな。これオンスケだからリスケすると影響は小さくないな。」
私:「やっぱりそうですよね。もう9割できあがってるんで油断してました。」
課長:「いや、体調に油断も何もないんだけど、とりあえず事実としてフォローしなきゃいけない、が。」
私:「そう、フォローできる人今会社にいないんですよね。一緒にやってるBさんも有休取るって言ってましたから。」
課長:「うーん、どう?、今は少しなら手を動かせる感じ?」
え、この質問の意図は何だろう。もしかしてテレワークでやってくれって言ってる?。
私:「は、はい。少しなら仕事できそうですけど・・。」
課長:「申し訳ない。とりあえずドキュメントだけ仕上げてくれたらこっちで処理するから、なんとかお願いできるかな。」
私:「は・・はい。わかりました。」
うーん。体調悪いって言ってるのに、結局引き受けちゃった。仕方ない。やるか。
その結果、ドキュメントの更新に結局は2時間かかり、午前中は仕事をする羽目になった私でした。
テレワークが体調不良をこき使う
皆さま、コロナ騒ぎでテレワークブームが起こっているのはご存知かと思います。
テレワークできるなんて羨ましいね、なんて声も聞こえてきます。
でもこのテレワーク、このまま放置してると、会社側が「出社は難しいけどなんとか在宅ではこなせる」ぐらいの症状について、仕事させようとしてくるのは必至な状況です。
なぜこんなことを言っているかと言うと、ITの運用の仕事は随分昔からテレワークが可能なようになっているからです。特にクラウドの分野では、インターネットとリモートデスクトップがあればどうにでもなるような技術が整っています。本当に便利だなあと思うときもあるのですが、会社にいなくても仕事ができてしまう諸刃の側面があります。いくらお休みでも寝ているときでも油断できません。コンピューターは24時間動いていますし人間の都合なんて知りません。特にバッチ処理なんて夜間動くものなので、バッチ中心のシステムを運用していると、品質によっては地獄です。
世の中、テレワークを歴史上はじめて本格運用しようとしているのでしょうから言っておきます。オフィスに行く/行かないで休みと連動させるのは、いい面もあります。テレワークが使えるようになると、業務上リソースが厳しい状況の時に、体調不良者も前段のように「少しだけ」仕事するようになってしまいます。
テレワークハラスメントを無くせ
いろんなハラスメントがあり世の中大変ですが、テレワークハラスメントという概念も生まれるでしょう。「出勤しなくていいんだからできるでしょう」という圧力です。いや少しでも体調悪いんだから、仕事させるなよ、とお思いかもしれませんが、マネージャーが明確にルールを持ち、メンバーに周知徹底させないと、実は体調不良者がリモートでゴリゴリ仕事しているなんて自体が起きかねないです。
前段のフィクションではマネージャーのリードが悪いのですが、これは責任感の高いメンバーレベルでもおきえることです。しかし、体調不良者は絶対に休むべきですよ。風邪は万病のもと。少しでも調子が悪いときのための有給休暇ですから。
便利便利とテレワークの良いところばかりこのところ報道されているように思えますが、全てバラ色ではないよ、ということを申し上げたいと思います。