orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

いやいや違うでしょ

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今日のお題

大企業の中高年リストラ関連で注目を浴びている下記の記事。

 

chikirin.hatenablog.com

 

考察

全ての会社員が「思考時代」に追随し、「言われたことをやる」から「自分で考えてやる」に移行したらどうなるか。

とんでもなく統制が取れないと思います。

「言われたことをやる」人は必要です。もう必要ったら必要。

世の「言われたことをやる」否定論をもうそろそろぶった切りたい。

「自分で考えてやる人」の価値が増大しているのは当たり前です。なぜなら、やりたいことの規模に対して、人数を増やす必要があったのが今まで。しかし、これからは自動化・省力化の推進で、人数を増やす必要がなくなったからです。

コンピュータにやらさればいいことがどんどん増えたので、「自分で考えてくる人」が出したスマートなアイデアを具現化するのに人間が不要になった。そして、その規模を増やせばその人が利益を総取りできるようになったのです。

で、じゃあ人間全てが、「自分で考えてやる人」となり利益を総取りできるか。

とんでもない、誰かが勝ち誰かが負けるのです。

であれば、「自分で考えてやる人」が向いていない人が、ああ思考時代だ、と言って考えて出したとしても負けるだけです。負け戦なんてわかってやる必要はない。

必要なのは、「自分で考えてやる人」でありかつ優れた人を見つけ、その人と信頼関係を結び、その人から出てくる「言われたことをやる」人になることです。

大企業にいて、その優れた人に出会えて遣えることができればいいですが、大企業の組織は流動的ですから、切り捨てられる危険があるでしょう。

お勧めは、中小企業で「自分で考えている人」が利益を総取りしているところ、です。社員数で言えば百人そこそこぐらいか。

「言われたことをやる」のがとても得意で、負けない人だっています。私は逆にそういう人と仕事をするととてもうまく行きます。私は言われたことをやるのが逆に苦手です。

そうやって社会は成り立っていると思います。みんなが思考するのが得意なわけではない。逆に言われたことをやるのが苦手な人もいる。

極端にならないことです。自分の得意なことにフォーカスし、それを安定的・持続的に獲得するためにはどんな立ち位置であればいいか考えること。

この世の中、AIだRPAだで、単純作業については省略しようとしてますが、であっても「言われたこと」はなくならないですよ。だって、優れたビジネスプロセス自体は簡潔になりえないのです。それぞれのプロセスを具現化するためには緻密な「やること」があって、それを百発百中で実施できる誠実さや正確さ、そしてコマンダーとの信頼関係は機械で置き換えられないんです。

巨額の富を生むかもしれない「自分を考える人」の近くに、「言われたことをやる人」がいて、そこで生み出される富はもちろん分配される。

安定した状況に自分が置けるのなら、長期ローンを組んでもいいと思いますよ。「自分で考える人」も「言われたことをやる人」も。

 

単純化できない

今日同時に、日経新聞から興味深い記事が出ています。

 

www.nikkei.com

 

「中高年社員はお荷物」というのは、言えば真実のようですが、中身を見ていくと、全てにおいてなかなかそうとはいかないということです。

単純な論を、スパッと言うと説得力のあるように見えますが、世の中は複雑だと思います。

単純化は危険、するべきではない。

ということで、時代の大きな変わり目は来ているのだけど、そんな簡単な話じゃないと思いますよ、というお話でした。