したたかな日本企業
ひところ、GAFAMが日本企業から次々と好待遇で人材を引き抜いている話がありましたが、なんとなく逆のことが起きている気がしています。
パナソニックは17日付で米グーグルのバイスプレジデントの松岡陽子氏(48)を役員待遇で迎え入れる。松岡氏はロボット工学の専門家でグーグルでスマートホーム事業「ネスト」を率いた実績があり、その手腕を「つながる家電」などに生かす。同社はビジネスモデルの変革のため外資系企業などから人材を相次ぎ採用している。日本の大手企業で幹部の外部登用の動きが広がってきた。
「外資に引き抜かれて待遇が激変した、さようなら日本企業」のような記事は注目を集めますし、それを合図に日本企業の社員が「だから日本企業はダメなんだ」という合唱を始めるのは何度も見たのですが、日本企業は幹部レベルにGAFAMから登用している例が目立つようになってきました。
上層部が変わると会社は変われると思います。
その結果利益が増えるのなら結果的に技術者の待遇も上がります。なかなかしたたかだなと思います。
考察
NECの例を見たり・・。
NECは社内改革に乗り出す。専門組織を立ち上げ、日本マイクロソフト(MS)などで実績をあげた女性幹部にかじ取りを託す。業績低迷でリストラも必要になるなか、強い危機感を持つ新野隆社長の号令のもと、役員を皮切りに中堅・若手社員の評価手法も変えていく。意思決定の遅さや実行力の乏しさが停滞を招いたという反省から、背水の覚悟で改革に挑む。
有名なパナソニックの例を見たり・・。
2017年4月の就任以降、ドラスティックな改革を推進してきた、パナソニックコネクティッドソリューションズ(CNS)社の樋口泰行社長(兼パナソニック専務執行役員)に話を聞いた。
松下電器の技術者からキャリアをスタートし、米ハーバードビジネススクールでMBAを取得、戦略コンサルに転身し、アップルなどを経て、45歳の若さで日本HP社長に就任した。その後ダイエーの社長、日本マイクロソフトの社長・会長を歴任し、請われて選んだ行き先は、古巣のパナソニックだった。「異例の出戻り人事」と言われた。
そりゃあもう、GAFAMどころか中国の企業のほうが日本企業より先進的な部分もあり、日本企業は世界の最先端ではないというのは間違いありません。
しかし、第二次世界大戦後の日本の状態を考えればわかりますが、もともと日本は外国の優れた技術を学んで取り入れ、体力をつけて成長していった面があります。
こう差がついたことが明らかだと、日本企業のやるべきことは一つで、優れた外国の企業と仲良くし真似することなんだろうな・・と。
そして単に真似することだけで終わらないのが日本人の良いところで、カスタマイズしつつもっとコストパフォーマンスを上げて本家を追い越していく。
日本は経済大国だ何だと持ち上げられ、真似する相手がいなくなってから迷走し始めたのではないかと思います。トップになるのが苦手な国民性なのではないかと。まだ、行動成長期の貯金もありますし人口減時代にはまだちょっと時間があるので、ここで優れた外国のモデルを研究し、適用していく時期にさしかかっているのではないかと思います。
追い抜かれたことを自覚すれば、追いかけることができます。
外国とのコミュニケーションが重要に
追い抜かれたことを前提に言えば、その知識は外国にあります。
今やインターネットがありますから、その知識に日本にいながらアクセスすることができます。
しかし、全部外国語です。したがって、外国語が重要となってきます。
しかし今や外国語を一から勉強しなくても、AIで自動翻訳してくれる時代です。
外国語の基本を学びながら、自動翻訳でどんどんかじっていく。
最近、気づくとそういうことをやっていることが多くて、日本語に情報がないということを痛感することがあります。SNSはナレッジベースにならないし・・。最先端の便利なものはたいてい英語だし、たまに中国語のケースがちらほら出てきました。
今さら外国語の教科書を持つ気がないのですが、なんとかITの力で乗り越えたいなと。ただ若い方は外国語そのものをマスターした方が今後相当有利になるんじゃないか。外資で働いてみるのも良いでしょう。そして日本企業に帰ってきて還元すると厚遇されると思います。
まあ、そういう時代ですね。