orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

Slackは成長できるのか

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Slack

日本では「Slackを超大好きな人」が一定数いて、特に開発者にユーザーが集中しているのでITニュースやSNSを見ていると、まるでSlackを使っていない職場はブラックでレガシーで昭和な職場と言わんばかり・・です(偏見)。

私も先週行われた日経 xTECH EXPOZ 2019で、Slackのブースを見つけてミニセッションが始まったので聞いてまいりました。

 

internet.watch.impress.co.jp

SlackのDAU(日間アクティブユーザー数)が、2019年9月に1200万人を突破した。同社公式ブログで10月10日付で発表された。前年比で約37%の増加だという。また、有料プランの利用数が600万件を超えたことも明らかにしており、「Slackを日々アクティブに愛用してくれているユーザーは急速に増え続けている」としている。

 

日本ではどうなのかなー、と率直に思ったのですが、プレゼンの中でデータ公開がありました。

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この下の部分が日本の記載で、開発者が50万人以上使っていて世界第二位のユーザーがいるのだと言う言及がありました。まあ日本が一億二千万人いるとまだまだ成長期だなという感触もありました。

立ち止まっている場合じゃないですね。

という形で、日本では熱烈なファンが多いSlackは順風満帆なように見えます、が。

 

株価は軟調

Slackは今年上場して、スタートは大変好調だったのですが。

 

jp.techcrunch.com

米国時間6月20日はSlackにとって歴史的な日となった。ビジネスコミュニケーションに革命を起したスタートアップはWORKのティッカーシンボルでNYSE(ニューヨーク証券取引所)に上場を果たしたが、初日の取引で株価は大きくアップし38.50ドルの終値を記録した。これは売出価格の26ドルを48.5%も上回る価格だ。

 

ところが、その後急落を重ねています。

www.bloomberg.co.jp

4日の米株式市場時間外取引で、職場向けメッセージアプリを提供する米スラック・テクノロジーズの株価が急落。ニューヨーク証券取引所(NYSE)上場後初の決算で、下期(2019年8月-20年1月)に入り売上高の伸びが鈍化するとの見通しが示された。これは激しい競争で同社の急速な成長が抑制される可能性を示唆している。

 

先日の段階までの株価推移はこの通り。10月に入って底を打ったのかは不明ですが反転するかは不透明です。

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slack 株価 - Google 検索

 

なぜ成長性に疑問符がついているのか

私が注目している1つの記事があります。

 

forbesjapan.com

こうした手法で上場を果たしたスラックの株式は、現時点では以下の4つの理由から、買うべきではないと考えられる。

1. 売上高の伸びが鈍化している

2. 採算が取れない

3. 現金燃焼率が非常に高い

4. 投資家を重視しない企業統治

 

この記事は今年の6月であり、上場後すぐにこの内容を書けているのは素晴らしいなと思いました。現状の低評価の根本となっていると思います。

 

Slackが上場時に得たキャッシュを基に、どうやってマネタイズをしていくのか。WeWorkの例と同様ですよね。現在ビジネスモデルに対する目がとても厳しくなっています。

日本の熱烈なファンが多いという意味ではTwitter社と似た感触があります。Twitter社はなんとか広告でのマネタイズに成功しましたが・・。Slackは無料アカウントでのアクティビティーが多いにも関わらず広告なしを貫いています。

また、競合も複数おり、さてSlackは日本の熱烈ユーザーがリードするほど今後伸びるのか。もっとはっきり言えばマネタイズできるのか。

そう言った視点からSlackを見ていくのも面白いのではないかと思います。

 

そうは言っても、日本人好みにどんどん昨日拡張しているんですけどねー(興味はある)。今日のニュースです。

internet.watch.impress.co.jp

そのFrontiersで、Slackはいくつかの新しい発表を行なった。具体的には、昨年のFrontiersでロードマップにあることが明らかにされたEnterprise Gridでの「Shared Channels(シェアードチャネル/共有チャンネル)」の提供が今夏からベータ版として開始される予定であること、ルーティンワークの自動化をコードを書かなくても実現できる「Workflow Builder(ワークフロービルダー)」が今年の末までにベータ版として提供開始であること、先日発表されたSlackとOffice 365/Google G Suiteとの接続アドオンとしてカレンダーのスマート統合機能の提供を今年の末まで行なうこと、さらにSlackアプリケーションの検索機能が強化されたことなどが明らかにされた。

 

パワーユーザーがライトユーザーを連れてきて、より成長できるのか。それとも競合とのレッドオーシャンに巻き込まれて頭打ちになるのか。興味深いところです。