orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

【日経 xTECH EXPO 2019】 IT業界の展示会に思うこと

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日経 xTECH EXPO 2019

今日、行ってきたんですよ。東京ビッグサイト。私が日経電子版も日経 xTECHも有料サブスクリプションに登録していることもあって、一度行ってみようかと。

 

expo.nikkeibp.co.jp

 

明日までやっているらしいのですが台風も近づくので、今日のうちに行っておこうかと。たくさんのコーナー、ブースがあって刺激を受けてきましたので消えないうちにレポートにしておきます。

 

思うこと

 

ビッグサイト、そろそろ古いし狭いよね?

この東京ビックサイトという場所でいろんな催しが行われ、たくさんのビッグビジネスが生まれたことはわかっています。コミケの聖地なんでしたっけ・・(私は行ったことがありません)。東京の中心地からアクセスも比較的いいので有名な催事場なんですが、今日思った。古い。そりゃあ何度も何度も使っているから、古くはなりますよね。でももう本当に思った。古い。いくら会場をきらびやかにしても、壁や天井を見上げた時の老朽感は隠しようがない。ビジネスや商談というのは雰囲気が大事なので、何だかみすぼらしい場所だとまずいのではと。いや10年前は確かにキラキラしてたんですが。モノは使えば消費されるということですね。人気がある場所だけあって消耗も激しいのかなと思いました。

また、狭い。展示したい会社はたくさんあるのですがひとフロアが畳6畳分ぐらい。そこにパネルを置いて人だけ立たせるのって、かえってブランドイメージ落としませんでしょうかということです。

全体的に、ビッグサイトと言う場所が展示会を行うにはそろそろ役不足になってきているのではないかという思いを深くしましたよ。

 

名刺獲得大会でブース出すの、古くない?

今回の展示で特に思うのですけれども、ビッグデータ解析、見込み客の分析、営業活動のデータ分析による省力化、みたいな、AIや分析の分野の商材がたくさん展示されています。これって、結局、展示会に来た人の個人データって、君たちが分析して見込み客を見つけて営業するんだよねっていうのがバレバレです。

容姿端麗な女性を立たせて、ノベルティーと販促資料を配らせて、名刺を獲得。展示会終了後リスト化して、テレアポをして商談化していく、みたいな古典的な動機でブースを出している会社が多すぎるんです。

ですから、ちょっとでもブースで話を聞こうものなら、そのリストに登録されメールマガジンが送られてきたり営業コールがかかってきたりする。1件2件ならいいんですが10件20件になってくるともうさばけないし営業妨害に近くなります。

・・というのを、ITで自動化しスマート化するソリューションがいっぱい並んでいて、オイオイと思うのです。これじゃ気軽に個人データ渡せんだろと。

私は思うのですが、「個人情報は入場の認証のみに使い、営業活動には一切使用しません」ということを誓約する展示会はいかがでしょう。であれば、客サイドも気軽にブースに寄って技術的なことを話したり情報収集したりすることが気軽にできます。

ちょっと通路を歩こうものなら、私の右手にノベルティーを持たせようと躍起な女性が右から左からかかって、もちろん話はしたいんだけどそれもらったら営業社員が近寄ってきてパスされて、「いつごろご導入予定ですか?」「予算は?」みたいになっちゃうのがほんと嫌で嫌で。

ま、私もブースの中の人になることもあるので、手の内がわかってる分ね、本来は本当に技術交換の場に限定して、もし提案が欲しいのであれば客サイドからPULLするような仕組みのほうがいいんじゃないかな、って思ったんです。

だから、来る人来る人に話かけられてもお断りしていたんですが、そういうことです。そろそろゲームショウみたいな形式の方がいいんじゃないかなと。

 

せせこましい

多分、昔と比べると本当に展示会にかける予算は厳しくなっていると思っていて、ブースの中にはほとんど機材等がありません。サービスが書かれているパネルと数台のパソコン、液晶テレビぐらいしかありません。

せせこましい。

どうせやるなら、技術を見せてほしいし、営業活動するくらいならブランド力を上げるためにデモやセッションをやったほうがいいのではと思います。

昔に予算をかけてもあまり効果がなかったから、どんどん収れんされていき、今のシンプルな展示の形になったんだと思いますが、夢がないかなあって思います。

 

一番おもしろかった展示

そう言えば、その中でも一番面白かった展示をご紹介しておきましょう。

 

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これ、あの電気自動車テスラ model3を分解したという展示です。何か、パネルと人の山を見せられるよりこういうほうが良いなあって思いました。

守備範囲ではないですが行ったかいがあるというものです。

 

業界分析

と、個人的な感想はここまでにしてxTECH EXPOのことについて触れておきます。

結構バランスのいい展示会だと思います。AI、分析、クラウド、基幹業務、IoT、RPAなど、IT業界が今追いかけている分野がまんべんなく配置されています。

AIが乗りに乗っていて、AIそのものを売りにするブースから、サービスにAIを引っ掛けて売るブースまで、何かとAIを中心にするのがトレンドであるのは言うまでもありません。AIだから売れるというわけでもなくとにかく集客だけはできるという様子でした。AI売りますよと言われて、ピンとこない人は多いでしょう。そこでビジネスをつかめた企業が伸びますから健全であるとは言えますが、私もまだビジネスレベルでピンとは来ていません。

共通に言っていたのは「高度な知識がなくても簡単にAIが使える」という言葉でした。AIを正面から取り組むと数学に行き当たるのはわかっていて難度が高いのは知っていますが、それではプログラミングをするのにコンパイラまで知る必要があるかというとそんなことはありません。だんだんAIも高次化して仕組みもわからずとも、クリッククリックで使えるようになるちょっと手前にあるような気がしています。どんどんライブラリ化が進んで、仕組みはわからないけど使えるみたいな世界に近づいていることは各社のブースを見てもわかりました。

また、分析(BI)のコーナーは盛り上がっていましたね。AIという漠然とした話より、各社が持っているデータを有効活用するというネタの方が業務的にイメージが付きやすいのだと思いますね。クラウドもあるし最近は分析がホットです。

一方、クラウドは言葉は残っているのですが、単にWebアプリケーションのことを指していて、SaaS全盛。IaaSのコーナーなんて皆無です。あぁ、インフラはまだ地面の中に潜っちゃったのかなと思いつつ、まあInterropとかに行けばいいのかね・・。と。IaaS単体で言えばもう市場における勝負付けが決まってしまい、わざわざ販促しなくってもいいという感じかもしれませんね。

RPAは元気がない感じ。昨日、市場規模のニュースがあったのですが。

 

www.atmarkit.co.jp

 IDC Japanは2019年10月7日、国内RPA(Robotic Process Automation)ソフトウェア市場の動向を発表した。

 2018年の市場規模は、対前年比113.5%増の155億600万円。IDCは、ホワイトカラーのルーティンワークを自動化する目的でRPA導入が進んだとしている。

 

まだまだ155億円だとニッチかなと。成長率も物足りない。今回のような総花的な展示会だとカテゴリーの勢いがそのまま出るんだなあと思いました。

まあ今年・来年でドカンと来るかもしれませんがとりあえず今回の展示会ではあまり存在感は無かったなと。

 

あと、余談ですが、Slackのミニセッションをお伺いしました。

 

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Slackは国内だと口頭で80万DAU(本当につかっているユーザー)だそうで、あぁまだまだ開拓する余地は全然あるなあと思ったのですが、ここからが勝負な気がします。国内に1億2000万人いるとすると、まだまだ行けるでしょう。

ただ、Slackでの大企業ユースのデモを見た限りだと、あぁ大企業って大変だなあ、Slackでどんなにスマートにしたところで、人間系の調整がなくなるわけじゃないしなあ。Slackの使い方のコツみたいな話が良く出てくるのってこういうことなのだなと思いました。

 

そういや、SaaSのソリューションのブースがやけに多いのですが、もうそろそろレッドオーシャンではないですかね。クラウドでWebアプリを簡単に作れますー、はいいのですけど、全ての行動がディスプレイと人間という関係性だけに閉じこもっていくように見えています。なんだかデバイスって、もっと自由でいいはずなのに。

 

そんなところです。また、近々展示会に行くかもしれないので、刺激があったらまとめます。