派遣社員の時給が爆上げ?
日経電子版を見て奇声を上げてしまいました。
厚生労働省は派遣社員に勤務年数や能力に応じた賃金を支払うよう企業に義務づける。同じ業務で3年の経験を積めば初年度より賃金を3割上げるなど、具体的な水準を示す指針をまとめた。2020年4月に「同一労働同一賃金」の制度が始まるのに合わせ、正社員との賃金差の縮小を促す。
時給1,500円の人であれば、3年後に時給1,950円。
時給2,000円の人であれば、3年後に時給2,600円。
こりゃすごいですね。
厚労省のレポートを探してみました。
厚生労働省の文書はこちら
探しましたが・・ここにありました。
上記リンクのうち、「局長通達本文」という文書が今回の日経記事のソースになります。
こちらの4ページ目に注目します。
勤続から3年経った場合、131.9%賃金が上昇していなければいけないと言っています。
もっと言えば、1年目でも116%、2年目でも126.9%であり、3年目にいきなり3割上げるというわけではありません。
ちなみに上記文書の前後に、
① 職種別の基準値
③ 地域指数
という値があって、給与は、
一般基本給・賞与等の額については、別添1又は別添2の数値((1)の
①×②)に別添3の地域指数((1)の③)を乗じた額とする。
とあります。
結局のところ、基礎的な給与がありそこから経験を踏まえ給与を上げなさい、と書いてあるのです。
本文書は、厚生労働省職業安定局長が各都道府県労働局長に対して、通知を行うものです。各都道府県労働局は派遣事業者へ指導を行う立場ですから、こちらの文書を持って企業を指導し本件を義務付ける、ということになります。
さあ企業はどうする
派遣社員を雇い入れた際、1年後に1割ずつ時給を上げていくことを、利用企業は想定しているでしょうか。
来年(2020年4月1日)に施行しますから、これに合わせて派遣事業者は強制的に制度を変え、この通知に沿う必要があります。
まだ半年以上ありますから、これを派遣先企業に通知して今後継続するかどうかも含めて見直しがかかることとなります。
かなり世の中を変えうる、画期的な指導だと思いますがいかがでしょうか。
経済界のいろいろな反応が出てくるでしょう。
興味を持ってその後を追いたいと思います。
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