orangeitems’s diary

クラウドで働くインフラエンジニアの日々の感想です(ほぼ毎日更新)。

責任者ではあるが実装はできない人の気持ち

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実装しないが責任を持つ人について

世の中、いたるところにいらっしゃると思うんですよ。

自分はこのサービスの責任者です。そしてこのサービスを実装する組織に対して、こんなことをしてほしい。あんなことをやってほしい。いろいろ指示するのですが、実際に実装する能力は、ない。ただ成果物のイメージは具体的にある。綿密に打ち合わせをして伝え、できあがったものを確認し、何か不備があれば指摘する。そういう役割を持っている人。

自分自身では成果物に対して手を動かすことはできません。お店で言えばお客さんに近いのですかね。これください、ただこんなふうにしてほしい。でもお客さん自身が商品を作るわけではないですよね。そして手に入れて、満足できるかどうかを判断する。お客さんと違うのは、もし不満があったらお店にフィードバックをすること。そしてどこまでお金をかけて、作り直させるかを判断することです。もし自分の指摘が右往左往したらお金ばっかりかかった割に、とんでもないものができてしまうかもしれません。

このような役割の人を最近は、「プロダクトオーナー」という名前で呼ぶらしいです。作る人たちは別にいて、期間を区切ってお願いし、成果物を確認する。名前からして偉い人ですね。ゲームやアニメで言えばプロデューサーや監督、と言うのでしょうか。スポーツの分野では、監督のほかにGM(ジェネラルマネージャー)という役割があって、普段現場にいないでチームのことは監督に任せ、運営に責任を持つ。これも似ている面があるのかもしれません。現場からの昇進でGMになるのではなく、経営者のスキルでGMになる方もいらっしゃいます。

 

どんな気持ち?

こういった役割の人。私には無理だなと思っています。私は、メンバーにイメージを伝えて指示することがある人ですが、もし無理だなと思ったら自分で実装します。実装技術で上回っているから、未熟なメンバーたちのリーダーができると思っている節があります。できない人がなぜできないのかを考えますし、次回はできるようにと話をします。こうしたいな、ああしたいな、ということが自分の中に発生した時、もしくは顧客や営業から依頼されたとき、こうやってやればいいのではないか、いやそれより別のやり方もある。そんな立場です。

だから、根本的に、前節のプロダクトオーナーであったり、経営者みたいな立場の人たちの気持ちって、どんな感じなんだろうと不思議になることがあります。

ビジネス規模がどんどん大きくなってきたときに、責任を持つ人と実装する人が完全に分離してしまうことは起こりえるでしょう。例えば、東証一部の大企業の社長が、自社製品の末端のネジの作り方まで把握しているとは、思えない。最終的にはどこかの下請けが製造していて、実装はお願いしているに過ぎない。もしかして自社内にも実装できる人はどこにもいないのかもしれない。でも、自社商品として、自社サービスとして責任は取らなければいけない。

一方で、現場からたたき上げで社長になるような、末端までマスターしているケースもあります。中小企業はそれに近いかもしれない。プレイングマネージャータイプと言われ、監督だけど選手もやる。過去、プロ野球でもそういったケースはありましたが成功したケースはないですね。やっぱり、ある程度規模が大きくなったら、指揮・責任と実装は分離してしまうのだと思います。

もし、実装に対して諸問題があったとしても、自分でやればいいか、と考えているのが私です。しかし、「責任者ではあるが実装はできない人」は多分、違う気持ちなんじゃないかなと思います。自分じゃなんとかできない。できるとすれば、なんとか実装できるように仕様を調整するか、実装できる人を外から連れてくるしか、ない。でも予算は限られているはず。

野球で言えば、チームを日本一にしたいけど、今のチーム編成じゃどうしても無理なので、外から助っ人を連れてくるか。いや、監督を変えるしかないか。そんな思考をするんでしょう。しかし、自分はバットを持たないしボールも投げないし、コーチすらできない、ということになると思います。練習設備を充実させるとか集客力を上げて選手の年俸を底上げし、やる気を上げるというのもあるかもしれません。

私には想像もつかないのですが、こういった役割の人々、結構特別なスキルが必要なのでは?と思います。実装技術とはまた違うスキルだと思います。

 

違和感の正体

すごく実装技術に優れている、例えば敏腕プログラマーが会社を起業して、自ら商品開発し必ずうまくいくかというとそうではないと思います。

最終的に何を作るかということとそれを実装するというのは、両輪であって、同じものと勘違いしてはいけない、ということです。

両方に優れている人もいるかもしれませんが、片方だけという場合もあります。片方だけだから悪いというのではなく、どちらかだけでも優れていれば素晴らしいと思います。問題は、それを自覚することです。そして、別の立場の人も尊重しなければいけない。責任者が実装する人をアゴで使ったらいけませんし、実装する人が責任者を、あいつはコードの一行も書けないなんて言ってもいけません。

私は、多分、「両方できないと気持ち悪い人」というまた違う領域にいるので、プレイングマネージャー以外のことはやりたくないんだろうなと思います。うまくいっているうちはいいですが、多分組織が大きくなるとあれこれ実装に口を出し過ぎてうまくいかなくなるタイプじゃないかなあと自己分析しています。プレイングマネージャータイプでうまくいかなくなるケースはだいたいこれです。

このように役割を意識して身の回りを俯瞰してみると、自分の適性や進路が見えてくるのかもしれませんね。