orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

人間はコロナウイルスを忘れるか

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もうコロナのことなんか聞きたくない、と言う人もいらっしゃるかもしれませんが、仮説のようなものを思い当たったので書いておきます。

 

人間の心には面白い仕掛けがあって忘れるという機能が備わっています。どんなに強い印象を持った出来事でも、10年したらほとんど覚えていません。覚えていると言ったって都合のいいことしか覚えていません。軽微なことや嫌なことはどんどん忘れてしまいます。思い出はいつも甘いものとは言いますが人間のこの機能のおかげでみんな未来に向かって明るく過ごせるのだと思います。

この今回のコロナの件が、10年後に思い出になっているかというとなっているのだと思うのですが、そんな長期の話ではありません。この話ともう2か月くらい付き合っている記憶なのですが、どうもこの2か月の間特に今日ぐらいまでが情報量としてはピークのように思います。それこそテレビニュースでも、ネットでも、SNSでも、どんな情報源をみてもコロナのことばかりでそろそろ皆、嫌になってきたのではないでしょうか。

嫌になったから忘れる、ということではありません。どうも人類は、ウイルスを防ぐためにどうすればいいかということについて、恐ろしいくらい情報のシャワーを浴びて、脳が疲れていると思います。手を洗え。アルコール消毒せい。人と離れて歩け。せきやくしゃみを浴びるな。不要不出の外出は控えよ。換気のいいところが望ましい。普段と違う行動様式をいくつもいくつも強制されているはずです。こういった普段と違うことを習慣のようにやるということは、疲れます。脳の中でサブシステムを作ってそこで運用監視をしなければいけないからです。そしてアラートがなったら体が動く。今、電車に乗っていて、マスクをしていない人が近づいてきたら避けるでしょう。そんないくつもの行動様式が脳にプログラミングされていっています。それも億単位の人々に、です。

 

最終的に、人間の基礎的な行動様式として文化として刷り込まれると、どんな人々も脳で考えず自然とできるようになってきます。マスクをいつもつけるのはずっと続かないとしても、体調が悪ければ外に出てはいけないというのは新常識となるはずです。咳エチケットと呼ばれることも、今後は当たり前となるでしょう。人々は頭で考えなくても今、一生懸命人間が気にしていることは、自然とできるようになっていきます。

そうすると、人間は一般的にウイルスの脅威に対して回避能力が高まります。個々の人々が気を付けることが文化となれば、感染率は驚異的に減少します。インフルエンザの患者数が今年、劇的に減っていることは周知の事実です。今我々が行っていることは、脳のトレーニングとしてはかなりハードなはずですが、これを乗り越えると脳を使わずとも体が動くようになります。

その結果、コロナの脅威が遠ざかるとともに、政治的にも警戒レベルが下がり、最終的には、人間は忘れていくのではないかと。

頭を使わずとも皆が知っているので、これからメディアのコロナ関連の露出もだんだん小さくなっていき、脅威そのものも、脅威だったことも人々は忘れていくのではないか。ただ、行動様式としては文化として新しく入手しウイルス耐性が結果として上がるのではないか。

 

どうすればウイルスに感染しやすいか、ほとんどの日本人が知りえたように。今、欧米の各国民がそれを知り始めています。最終的には世界レベルで知るでしょう。ウイルスの脅威に対して人間はどのように普段から備えておくべきか。体調不良を軽視してはいけない。感染力を前提として考えると、今後はテレワークの設備は企業は保持する必要がある。満員電車も放置はできない。時差出勤も活用しよう。コロナのことを今後忘れて行っても、人々の意識はもう変わっているのです。

※一説によると欧米のほうが、マスクは付ける習慣がないしハグもするし人の距離感も近いらしい。日本は欧米より、ウイルス感染しない文化に近かったのかもしれない。

 

このところ、私も在宅が多く、コロナ情報の嵐に揉まれてすこし辟易してきたのですが、少し情報が「マンネリ化」したような気がしていて、このままいくと「ネタ切れ」するんじゃないかと思っています。

そうしたときに、人間の「忘れる」が発動するのですが、合わせて国内や国外の状況が改善することが必要です。そのためにはまだ油断せず、今までの各人々の取り組みを文化にしていくことが重要だと思います。

この問題が解消し、人間が今回のことを忘れて行っても、ウイルスを広げない行動様式を「あたりまえ」としていく。そうやって人間の文化はリスクを乗り越えて来たのではないか・・と思いました。