orangeitems’s diary

クラウドで働くインフラエンジニアの日々の感想です(ほぼ毎日更新)。

RPAの面倒を見るのは誰か

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RPAの面倒を見るのは誰か

RPA自体が企業における非生産的なデジタルワークを削減してくれるというのはもはや共通認識となっているのはわかります。しかし、RPAのソフトウェアライセンスやサブスクリプションだけ購入しても何も変わりません。RPAを利用して業務を分析しシナリオを作り、現場業務に乗せること。また日々の変化に対してシナリオを修正したり異常値が飛び込んできたときに対応したりと、RPA自体の面倒を見る人がどうしても必要になります。

そもそもRPAの主体は現場なのか。情報システム部門なのか。誰がシナリオを作成しメンテナンスするのか。業務はリアルタイムに変化していくのでRPAも変化していかなければいけないのですが、RPA自体は自動で追随してくれるものではないのです。細かい修正に対して全て情報システム部門が担当となるとパンクしてしまうのは当然でしょう。どこかで線引きなり役割分担をしていかないといけないのがRPAだと思います。

さて、この「RPAの面倒を見るのは誰か」について興味深い調査結果が発表されています。

 

RPA人材というパワーワード

RPAに積極的に取り組んでいるヒューマンリソシア社の調査結果です。

 

cloud.watch.impress.co.jp

ヒューマンリソシア株式会社は9日、RPA利用企業へのアンケート調査の結果を公表した。調査によると、RPAを利用しているもしくはこれから利用する予定である企業担当者のうち92%が活用を広げたいと回答する一方、「RPAスキルをもった人材の育成」を課題に挙げた割合が76%に上ったという。

 

ヒューマンリソシア社がRPAスキルを持った人材の派遣に取り組んでいるので、バイアスがかかるのはしようがない前提としても、このRPA人材という言葉はなかなか深みがあります。

人の働く時間を大きく削減すると言われたRPAに対して、こちらにも人材が必要となるからです。

きっと、RPAで失敗した企業はこの話題に敏感でしょう。RPAを導入しようとしたけれども使いこなせる人がいない。RPAを専門に扱える人材がいない。現場スタッフへの教育が難しい。面白いことに、RPAには人材が必要で、スキルも必要ということです。しかし経営者がRPAに期待するのは無駄な工数の削減ですから、工数を削減するために工数がかかってしまうことに対して違和感を感じてしまうでしょう。短期的に考えると失敗します。

 

RPAのシナリオ開発を担当する部署

さて、大いに注目したい記載が下記です。

 

RPAのシナリオ開発を担当する部署については、56%が利用部門と回答。半数以上が利用する部門自らシナリオを開発しており、現場がRPA活用を主導している実態が明らかになったと分析している。導入初期と拡大期(複数部門もしくは全社に展開して活用を推進している時期)を比較すると、活用が広がるにつれ、利用部門でのシナリオ開発比率が高まっており、RPA活用の拡大には、利用部門が積極的にシナリオ開発に関わることが重要だと推測されるとしている。

 

かなり重要な議論であると思います。RPA自体がブームとなった去年2019年にいくつかのセッションに参加したことがあるのですが、ユーザーを中心に大きな議論となっていました。RPAシナリオをマネジメントするのは利用部門なのか。それとも情シス部門なのか。上記の通り、利用部門自体がシナリオ作成にかかわる、つまり現場がRPAを直接マネージすることが主流となりつつあるという話です。

上記部分を深堀するために、ヒューマンリソシア社のリリースを確認してみました。

 

www.athuman.com

主にシナリオ(※2)開発を担当する部署について聞いたところ、56%が利用部門と回答した(図表4)。半数以上が利用する部門自らシナリオを開発しており、現場がRPA活用を主導している実態が明らかとなった。

 また、導入初期と拡大期(複数部門もしくは全社に展開して活用を推進している時期)を比較すると、活用が広がるにつれ、利用部門でのシナリオ開発比率が高まる(図表5)。RPA活用の拡大には、利用部門が積極的にシナリオ開発にかかわることが重要だと推測される。

 

逆に言いますと、RPA自体が企業になじむためには、導入初期から利用部門がシナリオ作成するビジョンを持っていないと、途中でつまづくのだということです。

このビジョンに賛同しない経営者がいるところに、RPAを持っていってはいけない、ということを示していると私は思います。

 

まとめ

特定のRPAソフトウェアが専門家でないと扱えない仕組みであるならば、それは好ましくないと考えます。

Excelのように、利用部門側が積極的に使える代物でないと、現場はRPAを使わない思考にどんどん流れてしまうでしょう。せっかく導入したのに効果が得られないということになります。

RPAの評価軸は「これなら現場でも使える」というユーザーインターフェースが大事になってくるんだろうな、と言う直感はもともとあったのですが、明らかにユーザーサイドはそのような流れになっているなということを示してくれる調査結果だと思います。