orangeitems’s diary

クラウドではたらくエンジニアの日々の感想です。

「RPA女子プロジェクト」から透ける男女不平等社会

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現代社会は男女平等なんかじゃない

今回の記事は男性目線の記事です。

私はかれこれ20年くらい社会人をやっていますが、大学を卒業するまでは日本は男女平等だと固く信じていました。文系の学部で女性が過半数の学科に進んだのもあって、全くもって現代は男女平等だと思っていました。教科書にもそう書いてありましたし。

ところが、今社会を見回してみて、学校で説明を受けた男女平等世界など存在しません。大体の会社の役職は男性ばかりです。

www.nikkei.com

帝国データバンクが15日まとめた「女性登用に対する企業の意識調査」によると、調査対象企業の管理職に占める女性比率は平均6.6%だった。昨年調査から0.2ポイントとわずかに上昇した。政府は2020年までに指導的地位に占める女性の割合を30%に引き上げる目標を掲げているが、実現にはほど遠い現状が浮き彫りになった。

この統計は今も変わっていないと思います。私の行動範囲を見渡して見ても。

社会人になって10年以内に結婚・妊娠イベントが男女ともに遭遇する機会が多いのですが、そのときに女性が退職するケースが私の世代では多かったです。今は産休制度など充実してきましたが、それでもまだ多いと思います。特に核家族化も進行しており子育てしながら正社員を女性が続けるのは非常に難易度が高いのが事実だと思います。託児所などを整備した先進的な企業もあるとは思いますが、激務をこなしながら、ほとんど託児所に入れて十分な教育を施すのは無理がありますよね。

そして、結局は男性が役職を占領し、一方で女性は正社員ルートから外れ非正規社員ルートへドロップアウトしがちです。男性も年齢に伴う給料の伸びは抑えられており、共働き世帯は非常に増えた一方で、女性は非正規で子育てや主婦業と両立するというケースが多いのではないかと思います。

少なくとも、大学までは男女同じ条件で勉学を競ってきました。なぜか社会の暗黙のルールで男性が主導権を取り女性は、主導権を取った男性に取り入り、ある程度の「女性の役割と思われていること」を捨て「男性も顔負け」の仕事をしないと、出世できない社会にあると思います。

そうでないと、管理職率6.6%なんていう数字は出ないと思います。結局どんなに男女平等と言ったって、社会はそうなっていないのは認めざるを得ないところだと思います。

一方で、学校は今どうなっていると思いますか?。恐ろしくジェンダーフリーのルールになっています。私の時代は、男子の名前順と、女子の名前順がありました。学校によって違うかもしれませんが、男女一緒に名前順となっています。男子は技術、女子は家庭科なんていう分別も無くなっています。このように、やはり学校を出るまでは社会は男女平等だと思い込み育つわけです。しかし、現実は上述の通りです。特に絶望するのは能力の高い女性たちだと思います。今風に言えば、スキルパスが整備されていないのです。

女性たちは、男性と同じように新卒採用を目指していい会社に入社しようとします。そこまでは男女一緒です。ただ、何かおかしいことに気がつくでしょう。女性の職業はフロントの仕事が多いです。いわば「若さ」を活かした業務、例えばアナウンサーや広報、営業職などがわかりやすいと思います。活躍している女子アナウンサーは、圧倒的に入社5年以内だと思いませんか?。逆に男性はそのような職業より、地道に経験を重ね認められば役職に就けるスキルパスが、女性よりも多くあります。どの会社に聞いても男女の機会は同一だというでしょう。でも現実の統計、6.6%が物語っています。そもそも女性がキャリアを重ねて行くような制度設計になっていないのが事実だと思います。出産や育児まで、民間の会社で面倒見れないというのが本音なのでしょう。

 

RPA女子プロジェクト・・?

ここまで読んで、以下のニュースを見ていただきたく。

japan.cnet.com

RPAテクノロジーズとブイキューブの社長は男性です。こちらは技術系の会社。MAIAとWarisの社長は女性です。こちらは女性の派遣や復職支援に強みを持つ会社。そしてビジネスモデルは以下の通り。

プロジェクトは主に「RPA女子のためのオンライン教育サービス」と「RPA女子派遣サービス」の2つ。オンライン教育サービスはRPAのスキルを身に着ける女性に向けたサービスで、受講期間は約2カ月。IT初心者でも学べるコンテンツを用意するほか、オンラインによるQA対応、コミュニティへの参加などを通じてRPAの教育を行うほか、OJTも行う。価格は3万円/人。申し込みや詳細は特設サイトに記載されている。

 派遣サービスは、価格が30万円/月からとなっており、BizRobo! Basic開発ライセンス1個、V-CUBEライセンス5個を付与し、RPA女子によるロボ開発を30時間/月からで対応。企業側のニーズに合わせて、遠隔リモート、時短常駐などさまざまな形式にてサービス提供を行うとしている。

結局、男女不平等のステージの上で、女性は非正規・派遣の立場であり、これに教育を行ったり、派遣業務のネタを与えるのは正社員の男性側という絵です。

これが社会の縮図だと思います。

なぜ派遣社員で、なぜ女性がやらなければいけないのでしょう。これでは活躍したとしても、女性は派遣社員のスキルパスから逃れられません。そして、RPAで現場の実業務を省略したらどうなりますでしょう。仕事が減って現場の(女性が多い)非正規社員の枠が減らされるわけです。RPAの本質って事務員の人減らしですからね。これでは男女平等社会なんてさらに遠のきます。

 

考察

私は決して、専業主婦の価値を認めていないわけでもなく、RPAの価値を認めていないわけではなく、非正規を下に見ているわけでもありません。ただただ、女性が男性と同じように社会で活躍したいという欲求があるとき、あまりにもそれがしづらい社会になっているということを主張したいだけです。あの学校でのジェンダーフリー活動はなんだったのか。あれだけ男女平等を強調しておいてこの社会の矛盾はなんなのか。これは一度表現してみたかったことです。

正規社員のスキルパスを転げ落ちるとなかなか非正規から戻れないように制度設計されているのに、女性が、主婦業に引き込まれるようになっていて、それで非正規化してしまってそこから、男性と競争ができなくなってしまっているのです。

ただ、では社会をある日急に男女平等にしてしまったら、いろんなことが立ちいかなくなることも事実だと思います。どうあるべきかをもっと考えねばならないと思いますし、上記の「RPA女子プロジェクト」というこの「女子」という言葉にまやかしがあると思います。「RPA男子プロジェクト」ってありますか?。女子、ということで未婚前の「社会的に最も価値が高い(まだ男性と同等に戦える時期)」という暗黙の意味を込めていると感じます。この結婚、出産、子育てという価値のある仕事を、女性が役割を担うことが半ば強制されている中で、それが終わって戻るべき仕事や社会が最適化されていないことこそ問題だと思います。

以前、「リカレント教育」について記事を書きました。

働き方改革により生涯学習がリカレント教育と名前を変えて登場した背景 - orangeitems’s diary

なかなかリカレント教育が社会運動にならないのが歯がゆいですが、女性が子育て完了後に、スキルパスを復活できるリカレント教育を一般化させ、復帰しやすい環境づくりを整えていくのが、正しい道であると思います。明らかに、女性が復帰しにくい男性優位のルールが形成されていて、男性側も本気で手当てしようとしていないような気もしなくもありません。男性の私がそう思うのですから、多分にそう思います。これは、理屈ではなく「雰囲気」です。93.4%が男性で占められた役職社会のなか、女性に対して排他的になるのは雰囲気です。牛丼屋に女性が入りにくいとかいうアレに近いものがあります。

 

まとめ

RPAをネタに女性だけに派遣のスキルパスを作るなんて、なんと男女平等実現に逆流しているのかと感じた次第です。RPAテクノロジーズが復職したい女性を正社員として一括雇用し教育するっていうんなら筋道は通るんですけどね・・。下記は採用サイトなんですが、写真が男性ばかりで・・・、興味があればご覧ください。

rpa-holdings.com

 

ということで、本来の男女平等とは何かについては、社会全体で議論し整理していく必要があると思います。とにかく今の状況は、男女不平等としか言えない。苦しんでいる女性がたくさんいると思います。リカレント教育が進み、簡単に復職でき、男性と平等に競争し、仕事できる社会を望みます。

 

追記

具体的に言えばこういうことです。参考まで。

anond.hatelabo.jp