orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

やる気がない人をどうすればいいか

 

やる気がない人問題、確かに考えてみたら、仕事に対して向上心を持ち、出世欲にあふれている人ばかりではない。今の給料でも満足だし、嫌な思いさえしなければずっとこのままでいいという価値観もあるかもしれない。

私自身はどうかというと、実はそうなのかもしれないとも思う。所属している会社でこれ以上の責任を負いたいとは思わない。そしてここから給料を上げていきたいとも思わない。責任と報酬は比例するべきなので、責任を増やしたくない以上は報酬も増えないのが自然だとは思う。とは言え、もっとやれと言われたらやるしかないけれど。あまり自分からつかみに行ってもどうにもならないから、目の前の仕事をやるだけである。

ただ、今の報酬がこれだけだから、仕事はこれだけしかやりません、というのは社会人として手本にはできない。むしろ仕事は報酬以上を返す勢いで取り組む。それで会社が返してくれないのなら「搾取」の領域だが、逆に報酬に満たない仕事量の時もあるから、年単位で省みて、割に合っているのならばそれでいいと思う。

だから、まるで自分の仕事に対する最大出力を報酬や待遇に合わせてセーブするような姿勢は、間違っていると思う。最大出力を出したときと自分への報酬の差分は、「会社への貸し」と思っておけばいい。たくさん貸し付けると会社は絶対に無視できなくなる。たくさんの貸しを作ったまま辞められると非常に困ると思い出す。人間の心とはそういうものだ。もし借り倒すしかない姿勢の会社なら、即刻辞めるべきだ。それをやりがい搾取と人々は呼んでいる。

さて、もし部下に、あまりにも「報酬=責任」に毒されていて、最大出力を出さない人がいるとする。どうすればいいか。最近オフィスに毎日通って思うのは、チームワークで仕事をさせることの意義だ。3人~5人くらいの小さな単位でいい。チームの役割を定めて全員でカバーし合うような仕事のさせ方。そうすると誰かがたくさん仕事をしたり、あまりしない人ができたりする。それで、やった、仕事が少ないやとなったときに、なんだか居心地が悪くなる。もっと自分ができるのに彼がたくさんやっている、というのが全員にシェアされる。あまり気持ちのいいものではないので、じゃあ、これはやりますよ、なんて仕事のシェアし合いでリバランスされているのを見ていくと、個々のやる気よりもチームの和が優先されていく。このチームで心地よくあるために、最低限はやるか、のような雰囲気が生まれていく。

無論、チームが良い雰囲気で運営されていくためには、良いマネージャー、良いリーダーの観点が必要だ。ただ良いマネージャーやリーダーは、「報酬=責任」なんてあまり考えておらず献身的な方が多い。そういう人物がチームを練り上げていくと、やる気がない人、も様変わりする様子を私は見ていて、結局人間、楽しい方に流れるもんやね、って言うのを傍から見ているのである。

在宅勤務の悪しきところは、こういったチームワークの良い部分を打ち消してしまうこと。個人単体で高いパフォーマンスができ、チームと関わりなく自律的にアウトプットできる人はいいけれど、全員がそうではない。会社は組織、という特性を考えると、チームワークが持つパワーはどうしても重要になる。

数年前、コロナ禍で全員が在宅となった際には、チームワークの貯金を使って、なんとか在宅でこれをシミュレーションしていた。ただ、時間が過ぎるとともに貯金は失われ、昨今は在宅を中止してオフィスに戻している会社の考えていることは、今回お話ししたようなことだろう。チームワークが楽しい、という機能は無視できないから。