クラウド案件で食べている私だが、難易度高めのお仕事が始まった。高いサービスの製品であり、予習するためのお金もない。そんな製品を構築して欲しいというので、つい、手を出してしまった。
まあ、拒否権もないのではあるが。お得意様だし、要望をえり好みしていたら、簡単に客は去ってしまう。基本Yes。もちろんお金見合いだが、お金が見合わなかったことがないので、やっぱりYes。
ただ・・。やったこともない製品に対して、期限を切られ品質まで保証しなければいけないというのは、毎回思うが厳しい。技術的に厳しいのか。というかその技術を学んだことがないので、マニュアル・・First Stepみたいな記事を読みだす。Hello Worldね。Hello Worldで大金もらえたらいいんだけどそうはいかないので、次を次を読んでいくんだが、マニュアルが不出来である。
あれ、もしかして日本語訳がおかしいのかなと思って、英語の原文を読むのだけど同じことが書いてある。ということは、私の理解力の問題なのか。
しようがないのでマニュアルを離れ、やったことがある人がQiitaに記事を書いてくれているので参考にする。なるほど。こちらはまだ読みやすいし、マニュアルの通りに行かない点も載せてくれていてありがたい。
だけど、Qiitaレベルの記事は、初学者向けか、もしくは相当やり込んだ人の記事か。もちろん網羅はしていないので、結局詰まる。
そして、マニュアルに戻る。
あとは、マニュアルをいくら読んでもわからないので、とりあえず動くかどうかわからないけど、そのまま手順通りやってみようということで、いろいろと手を動かし始める。
この、手を動かし始める、というところからきっと、脳の中で情報の組み換えが起こるようだ。
手を動かしていると、いろいろ発見があって、そうかそうか、と思っているうちに、再度マニュアルを読み返してみる。
ああ、そういうことを言いたかったのかこのくだりは!。
・・ということを、数日繰り返している。
とても苦しい。
若手教育のレベルだと、外部研修があったり書籍があったり、資格があったり、今回のように訳の分からない技術に、無学習で立ち向かうことがないのはやっぱり親切だなと思う。
すごくエキスパートで、だからこそ来る仕事は簡単に思えて、チャレンジも無くて、それでいて給与が高い。尊敬もされる。
・・なんてこと、多分ないんじゃないかな。
ある程度の基礎と経験があった上で、何かわからないことを期限までに完成せよと言われ、そしてやり遂げる。そういうことを何度もやってきたけど、これができるから、高いお金を頂けるんじゃないか、と思ってる。
多分、誰かにできる仕事は、誰かにもう行ってるんだよ、そんなに高くないお金で。
こんな無茶な話、誰なら受けてくれるんだろう。お金はあるけど、誰か!いませんか!、みたいな状況を作り出し、自分からハマり出す人がきっと、成功するんだろうけど。
こんな仕事のやり方、いつまでやってるんだろうと思うけど、まあ、ずっと続けるんだろうな。だって、この業界。訳の分からないものを作り出しては、使いたいお客様がいて、そして作らなきゃいけない人が必要になるという図式はずっと一緒だから。
それで失敗を踏むと、炎上プロジェクトみたいな話にもなるし、場合によっては裁判でどっちの責任か決着をつけるみたいな話もある業界。リスクは依然として業界のいたるところに眠っている。
そのリスクをいかに凌いで、もっているパワーでやっつける。
リスクとリターンは裏返し。
うーん、誰にでも進められるやり方ではないけれど。