orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

もう、とうの昔に仕事には飽きているのだよ

 

仕事には挑戦を、新しい発見を。

そんなタイトルの記事は散々読んだんだけど、当の私はすでに飽きているよ。このITインフラまわりの業務に。

知り尽くした、というほと博学でもない。ただ、わかっていることとしては、ほとんどの新しいことは、知らなくても勝手に消えていくということ。新技術だなんだと言われるものが3年持つか。ほぼ無くなる。だからほとんどは学ぶ必要もなく、必要に迫られたものだけ学んでいけばいい。

あとは、基礎と経験。それだけで十分、依頼者に満足される仕事ができる。

20年前と今で技術は全然違っているだろう、と思っている人が大変多いが、私は全くそう思っていない。この20年間大きく変わったことは、

・ハードウェアやネットワークの速度が急速に進化したこと
・ソフトウェアに付随する様々なプログラムが自動化されて、人が使いやすくなったこと

この2点に尽きる。ハードウェアやネットワークの進化が、ソフトウェアの進化をもたらした。この2つは独立ではない。それぞれがお互いの理由にもなっている。

ともかく、機械がパワフルになった。それでソフトウェアがいろんなことをしてもビクともしなくなった。

その結果、今の技術者は、インフラを「サービス」として見るようになった。結果を得ることが非常に楽になった反面、それがうまく供給されないときに、なぜうまくいかないのかを考えることが難しくなった。サポートに問い合わせ、でしか対応できない。なお、この話はクラウドだけではなく、オンプレミスでもかなりパッケージ化が進んだように見える。

しかし、ここまでの20年を見てきた私などは、自動化されているポイントは把握している。昔は手動だったのに、今は楽だよね、という見え方ができる。だから問題が発生したら、蓋を開けて、おおここがこうなってるのか、なんてやっている姿を若手が見ると、目を丸くするのである。

そして、私が仕事をする相手の様子を見ていると、まあどんどん劣化する。ITの経験はありませんが・・みたいな人が入れ代わり立ち代わり。こちらは20年を知っていて、相手は素人同然。

私が、挑戦をしなくても発見をしなくても、私個人としては日々価値が上がっていく。それはデジタルが社会に肥大化し「知っている人不足」になっていることの証である。この全自動社会は、知っている人を再生産できないのだ。できたとしても、きっと限られた重要な場所にしか配置できないほど人が限られている。

だから、もう私は、この立場に飽きている。だいたいわかったよ。

いろんなしがらみを振りほどいて、新しい分野にお目目キラキラで飛び込みたい欲望はあるけれど、どんな選択肢より今の立ち位置が良すぎてしまう。極論、努力しないでもいい位置にいられてしまっているから。

たいていの仕事論が、業界の将来性やらマネジメントの方法論に終始する中、こんな枯れた立場もあるんだなということを書いてみたかった。価値は提供できているし、これからも継続できる。でも当の本人の心の中は飽きに飽きているというね。だからこそ、反動でこんなにブログを書いてしまうんだろう。人生は複雑だ。