orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

オフィスに電話ってどういう判断なんだよと思ったこと

 

オフィスに電話するでしょ。

「XXは本日お休みを頂いておりまして・・」

となるでしょ。それで、

「YYさんはいらっしゃいますか・・?」

となる。YYさんも外出中だの在宅だの。

 

なぜこのコミュニケーションパスが、現代に残っているのか。コロナ禍で人類は鍛えられたのではないのか。要件があるなら課題管理システム(BackLogやらRedMineやら)にでも書き込んでおけばいいものを。メールだとすぐ返信してくれないから・・ってのはわかる。だったらビジネスチャットもある。何しろなんなんだオフィスの固定電話という判断は。

電話がかかってきたら、どんな仕事をやっていても、割り込まれるでしょう。あれが暴力的過ぎる。あなたの電話がなんで最優先にならなきゃいけないんですか、と。体制も優先順位をつけて順番に仕事をしている。電話をする人もされる人もわかってない。仕事は簡単に優先順位を入れ替えていいものじゃない。平等に待受けキューに入ってきて、そして現場がその優先度を判断する。そうやって仕事が平準化し、現場の誰が休んでもまわるようになっている。

それを「XXさんいらっしゃいますか?」はないだろう。別にXXさんじゃなくたってまわる組織を前提にしないとXXさんはずっと休めないじゃないか。XXさんは、もしかしたらどーでもいいあなたの電話を、とても重要な仕事の途中に受けなきゃいけないかもしれない。なんでそういう仕事の仕方を、お互いに許すかな。

 

・・・と、ふと思った。自分の部署じゃないので実際はどうでもいい。同じ会社にいても全然文化違うよな、と。まあそんなに、特定の人と話したければ携帯電話にでもコールすればいいじゃない。でもそれが嫌だから、ほとんどの人は携帯電話番号を顧客に提示していない。だからオフィスに電話がかかってくるという、悪循環が行われている。

この話、単に電話をかける、かけないという話じゃないと思っている。

電話をかけないと話が進まない、という体質が裏にあるんじゃないか。課題管理システムに書き込んだとしても無反応。期限を設定しても守らない。書いた内容について、読解力が受け手にないので口で説明しないとわかってもらえない。

メールも同様だが、どんなに洗練された手段が用意されていても、それを使う側にリテラシーがないなら、最後は電話だFAXだ対面だ会議だのような世界に舞い戻ってしまう。関係者全員が、そのデジタルツールのモラルを高いレベルで維持することが、結果として電話を使わなくても仕事がまわる、生産性の高いプロジェクトを完成させられる。

 

私の部署における、課題管理ツールの運用例を紹介しよう。

・もし、何か依頼や問い合わせのスレッドが作成されたら、すぐさま打ち返す。とりあえず受け付けたよ、という意思を示すのは大事。
・毎日期限管理を行う。期限が近づいたスレッドは優先度を上げ対応する。
・期限を伸ばさなければ行けない時は、黙って行わず関係者に承認を得て実施する。
・要件1つに1スレッドを厳守する。
・要件が終わったらスレッドは完了にする。

こんなことを当たり前にやっている。そのおかげで、電話はゼロだ。だって電話しなくても伝わるんだったら、スレッドに書き込んだほうが全てを伝えられるし、履歴も残る。期限も明確だ。いいことだらけだ。

ということで、電話をなくす、というのはきっとデジタルツールだけの問題ではない。コミュニケーションの特性に対する理解ができていないと、どんなに最新のツールを入れたところで宝の持ち腐れとなる。電話でなきゃ仕事がまわらない、というなら、頭の中が昭和のままだと言わざるを得ない気がしている。どんなに年齢が若くても、ね。