orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

思いがけないビジネスチャットの効用

 

よくビジネスチャットは、感情が伝わらないので不便というか使い方に気をつけないと、という話がある。したがって絵文字などを入れて感情も相手に伝わるように工夫したりする。

そういう不便な点があるとは思っていたが、逆に、いいこともあることに気がついた。

私はとてもせっかちで、部下に振った仕事がいつまでも処理されないと、やっぱりイライラする。なんで速くやらないんだと思う。こんなの頼むより自分でやったほうが1000倍早いやんよ、と思ってしまう。

振った仕事の結果が今ひとつだと、がっかりする。これだけ時間がかかってこれが結果かよ、と失望する。自分がやったらもっと良くなるよ。

部下の結果に大胆な修正をしてフィードバックする。瞬時に。「こう修正しましたので、これを利用して進めてください。」、と返す。

よくある、上司と部下のコミュニケーションである。

昭和のオフィスであれば、「**くーん」と自分の席に呼びつけて、15分くらい説教を始めるシーンだっただろう。早く説教終わんないかなって部下が心の中で思うところまでテンプレだ。

しかしこれが、ビジネスチャットであれば、要件だけ伝えることになる。わたしのイライラやガッカリ、明示的な言葉を選ばない限りは伝わらない。というか、伝えなかった。イライラやガッカリを添付する必要、今はないな、と思って。

また、ビジネスチャットでは、回答を書いてエンターを押す前に、変なことを言わないように一度自分で確認できるから感情に流れた発言を自制しやすい。これが、直接のコミュニケーションであると、言葉は話した瞬間に流れて言ってしまうので、後悔するようなキーワードを選んでしまっても後の祭り、となる。

もちろん、マネージャーはむしろ、感情をコントロールするスキルを身につけるべきだろう。仕事が遅いくらい、満足な品質でないくらいで、感情を乱したらいけない。

いけないのだが、やっぱり人間である。

自分が、感情をコントロールできない可能性も考えて、ビジネスチャットを盾として使うのはとてもアリだなと思う。テキストが後に残るので、駄目なら駄目とはっきりするから、変なことも残したくない、という機能を利用できるのはとても良い。

まあ、仕事をしていて、だいたいの負の感情というのは仕事起点。仕事の情報交換を全て対面で実施していると、自分の負の感情が他人に放出する可能性が高くなる。仕事とのインターフェースをいったんデジタルにしておいて、その感情をどう解決するかを時間をおいて行動に反映させるほうが良い。

自分の中の怒り・不満などは、無視してはいけない。何かを教えてくれることがあるし、自分にストレスを貯めるような働き方はいずれ破綻する。ちゃんと向かい合うものの、それを自由に発散するようなマネジメントはもう時代遅れも甚だしい。

今日、実際に、自分がそういう状況にあって、ムカムカしながら仕事内容を確認し、修正し、ビジネスチャットを入力してたんだけど、ああこれ、対面で感情のまま怒りをぶつけるより100倍いいなと思った次第。

仕事絡まなきゃ、ネガティブば感情になることなんて、ほとんどないんだけどね。

だからこそのビジネスチャット、だな。