orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

より電気を使わない何か、が今後のトレンドになる

 

技術トレンドについて、これまでは性能ブースト重視だった。電気をどんなに使ってもいいから、短時間においてたくさんの成果を出せる製品がハイエンド製品として高く売られていたように思う。新製品が出るたびに、消費電力が上がっていく現象はここ何年も続いた。

ところが、最近よく耳にするようになったのが、「あまり電力を使わないでそこそこの性能が出る」何か、だ。

つまり、たくさんの電力を使うと、電気代がかなり上がってしまったので、性能に対してかかるコストが高くなってしまったということだ。

これまで、無視できていた電気代が無視できない。むしろ電気代あたりの性能みたいなものが重要視される時代になる気がする。

クラウドでも、単なるCPUコア数とかメモリ容量のような、リソースベースの課金から、実際に使った電気消費量による課金みたいな流れに変わるかも知れない。プログラムがあまり計算しないシステムから、機械学習のように大量の計算で電気を使うシステムまで、電気から見たシステムというのは大変奥が深い。寝てる機械と起きている機械では雲泥の差だ。

このまま電気代が高止まりするのなら、きっと電気を使わない設計のハードウェアだったりソフトウェア、システムが、脚光を浴びるのは不可避だ。

 

最近、私のオフィスで異変があった。机の横にあったゴミ箱が無くなった。ゴミが出たら各自、オフィスの中央にある大きなゴミ箱にゴミを持っていくようになった。気軽にゴミを捨てられたのに、全く不便になった。

そう、ゴミを出すと不便になることで、きっとゴミ自体は減るはずである。ゴミをできるだけ作らないように社員はきっと心がけるようになるんだろう。

実は、ハードウェアやソフトウェアも、そうなっていくのかなという予感がある。電気をたくさん使うような処理をすると何らかのペナルティーをもらうような仕組みになるんじゃないか。また、電気を使うためにはかなり大変な設定をしないと動かせなくなるような。

省電力自体の性能アップが今後のイノベーションの鍵になるのは間違いなく、ほとんど電力を使わずこんな処理ができるようになる!、みたいなニュースがどんどん出てくるようになるだろう。そして電力を使わなければコストが安くなるサービスが、かなり売れるんだろうという予想まではできる。

一方、これまでのような大量に資源を消費して大量な結果を生み出すようなサービスは、きっと消費者から見切られるようになる。電気を使わないサービス・・ないですか・・という欲求が市場を駆け巡ることになる。

どう発電するか、ばかりが議論されがちなのだが、どう省電しつつ今の文化、生活を支えるかというビジネスが今後間違いなくトレンドになる。それはITでも起こる。そのときに発想を転換できるか。ゲームチェンジのようなプロダクトが世の中に今後出てくるのが楽しみである。それが実現できれば、資源問題も今の危機的状況から一段落するはずだ。