orangeitems’s diary

クラウド専任の40代インフラエンジニアが書くブログ。新規事業マネージャー。20世紀末の就職氷河期スタート時にIT業界に文系未経験で入りこみそのまま生き残った人。

イノベーションが好きなだけでは時間とお金を浪費するだけ

 

「いいアイデア思いついた!」

ってのは、イノベーションが好きな人はありがち。こんなアイデアは他人には出てこない。そうやって興奮する。頭の中で何度シミュレーションしてもうまくいくとしか思えない。いろいろリスクはあるけど、そんなもの、一つ一つ片づけて行けばいい。だって、始めること自体が一番大変なのだから。

・・・と考える。

ただ、やってみないとわからない困難がいろいろとある。思っても見ないことは起こる。そしてアイデアと実装と、そして運用は全く別々のものであり、地味だ。そして時間もかかる。時間をかけて地味な運用に取り組まないとどんなことでもうまくいかない。そうなんだけど、そういうときにイノベーションが好きな人は飽きている可能性が非常に高い。そして、また別のいいアイデアを思いつき、「なんでこんなことに手を煩わせているのだろう」とすぐ離脱してしまう。

実際のところ始めてから結果を出すまでには、紆余曲折と山谷があり、「いいアイデア」という刹那的な表現だけではいろいろと意味を取りこぼす。大ピンチになったときに、「ああ、いいアイデアではなかったのか!」と絶望する人もいれば、淡々とリスク管理し、平常に戻すことが上手なタイプの人もいるのだろう。

このように、いいアイデアを思いつくことは素晴らしい事と世間では思われがちだが、実はそこまでなら大した価値はない。思いついた後それを長い時間固執でき、実現に執念を燃やし、そして実現するところまでが1セットである。

昨今は、このアイデアを出す、イノベーションを想像するところが持てはやされているのだが、そのイノベーションが本当に画期的かどうかは時間がかかる。それなのに、ただただ内容が華美なだけで価値を持つようになってしまっているように見えてならない。誰か、素晴らしいとされる人が、何かのアイデアを出すだけで価値を持ったら、それは過大評価だと思う。一人の人生に与えられた時間は、そこまで長くない。それまでに何個かの成功事例を持っているからと言って、この先に再現性があるかと言ったらそれは言い切れない。どこかの大金持ちのプランが、いつも全て成功するとは限らない。

だから、いいアイデアを思いつきました。それならば、より小さいモデルケースで実証して見よう、と。そしてそこで成功が得られたなら、次は規模を大きくするか別の場所でやってみようと。いろんなデータを取りながら、ああ、いいアイデアだと思ったがいろんなことに気づかされたから、一度止めよう。そんな思考も必要となってくる。

最もダメなのは、自分に酔っていきなり大きな予算を立てて実行してしまうことだ。当初、アイデアに酔っているときには楽しいのだが、いざ全部を組み立てた後に、なかなか伸びて行かないと焦りだす。先行投資が大きすぎてそれを取り戻そうとしてしまう。一手目が大きすぎたのだ。

こう思考すると、なかなか、いいアイデアとは厄介なものだ。だいたいは幻想だ。しかしたまに宝物が落ちている。そしてイノベーションとは一瞬であり、そして実装と運用は地道で壮大だ。単なるイノベーション好きで、失敗をしないようにしなければいけない。宝物かどうかを探り、育てるかどうかを判断し、そして大きくする。全てはつながっている。