orangeitems’s diary

クラウド専任の40代インフラエンジニアが書くブログ。新規事業マネージャー。20世紀末の就職氷河期スタート時にIT業界に文系未経験で入りこみそのまま生き残った人。

枯れた技術、新しい技術

 

いろいろと新しい技術は年々投入されるのだけど、残念ながら私の仕事領域に到達することは少ない。ITインフラは、安定とセキュリティーが常に求められるので、昔ながらの実績のある方法論が強いのだろう。それはわかる。

ただ、ずっとこの古い技術を運用畑で守っていると、あたかも古臭い技術でユーザーをベンダーロックインしているみたいじゃないか。もっと便利な技術・トレンドがあるはずなのに、”安定していることにあぐらをかいて”、新しい提案もせずにのうのうと運用日をむさぼっている。そしてそんな場所に若手をアサインするから、若手は新しい技術を吸収できずに希望を持てず辞めていく、なんて論調はよく見る。

だから、インフラ運用と言ったっていろいろあって、より先進的なインフラを目指すような職場もある。そういうところはたいてい、技術部門が先進技術事例をどこやらのベンダーのイベントでプレゼンを発表する。ウチは進んでるんだぞー、ということで求人を有利に進めたり、会社のブランドイメージを高めたりするんだろう。

でも数年後に、そういう企業が採用した先進技術が主流にならず、実際の運用も大変だったりして知らない間にその技術を辞めてたとか、詳しかった人が退職して負債になっちゃったとか、いろんな負の話も聞く。そう、新しい技術はとてもリスクが高い。便利なんだけど、副作用があることが使ってからわかったりして、大変。

枯れた技術にもちゃんと理論があって、そして時間を重ねて改良が着々と積み重ねられている。それをもとに運用方法も整えられていて、どノーマルだ。そうなんだけど、これを突き詰めたときの安定っぷりったら、ない。2000年から2010年あたりには、相当に業界全体で苦労した部分で、その対策・対応を積み重ねた上で現在があるから、私はその歴史を新しい技術で代替できる気がしない。

新しい技術がやってきても、じゃあとりあえず3年、本当に運用が安定し人手も削減でき、携わる人が本当に幸せになれるの?と疑う。業界全体においてはその新しい技術の実験に駆り出されるパターンも多いので、仕事を生み出すネタとしては否定しないが、やっぱり、本番サービスにまでたどり着けるのは、ほとんどない。

ま、私が携わっている領域が、とても信頼性が求められているということの裏返しかもしれないが・・。普通に動いてくれさえばいいから、余計なトラブル引かないでよ、妙なテクノロジーを採用しないでよ、という採用時の圧はすごい。

確かにユーザーからしてみれば、それがどこでどうやって動いてようと関係はなくて、普通に使い続けられればそれでいいのだ。それを技術者の趣味嗜好で、面白そうという理由で採用してはならない。

若手も、レガシーだから、枯れた技術だから、ということで現場を避けるのは本当にもったいないと思う。お金がどこに回るかといえば、こういう信頼性の高いシステムにこそ向くのだ。

よっぽど、10年後にはあるかわからない新しい技術にどんどん進んでいくほうが、「結局あの技術使わなかったね」に時間を持っていかれる可能性があり、リターンもあるけどリスクもあるんじゃないかな、と思う。

一方で枯れた技術は、この先10年も無くならないだろうし・・(というか、これを置き換えてくれる新しい技術になら行きたい)。どノーマルな基本的な、レガシーな技術をちゃんと勉強するのは悪くないと思うのだが、どうか。