orangeitems’s diary

クラウド専任の40代インフラエンジニアが書くブログ。新規事業マネージャー。20世紀末の就職氷河期スタート時にIT業界に文系未経験で入りこみそのまま生き残った人。

インフレとIT業界

 

色んなSaaSが高くなってます。高くなるのが普通で、まだ値段を上げていないとしたらそれは「安くなっている」と思ったほうがいいです。

SaaSが高くなったから、「こりゃいかん他のサービスに乗り換えよう」と思うのは止めてください。なぜなら他のサービスも値上げするからです。SaaSという形態を選んだらそうなるのが当たり前ですから、逃げまどっても意味がありません。

SaaSが高くなる要因は、SaaSもインフラの上で動いているからです。インフラは大抵IaaSと呼ばれる、AWSだのAzureだのだったりしますがそうじゃなくても同じです。中身は、インターネット通信費・データセンター費用・電力費用・ラック貸し費用、いろいろな要素が絡まってインフラ基盤の費用は決まっています。それらもろもろが高くなっているわけですから、最終的なSaaSの値段が高くなるのは当たり前です。

私が子供の頃、家の倉庫にいろいろ「昔のもの」が残ってました。100円札とか。明治時代の貨幣とか。今考えれば骨董品だなと思うのですが、当時はまだ価値を持ってませんでした。古い物の中に雑誌もあって、一冊30円とか50円みたいなものもあって、めちゃくちゃ安いなと思ってました。

当時の初任給が7万円みたいな時代もあったし、昔を振り返ると、今に向かって着実に値段って上がっています。ここ二十年くらいが異常だったと言えます。歴史的には上がっていく一方のものが値段です。

さて、値段が上がらないSaaSは安くなっていっているようなものだ、と言いましたが、これはほかにもありますね。我々の給料です。

 

www.nikkei.com

政府は4日、「新しい資本主義実現会議」(議長・岸田文雄首相)を開き、10月末にまとめる総合経済対策にむけた重点施策を取りまとめた。人への投資を重視し、リスキリング(学び直し)や労働移動を円滑にする支援策を並べた。来春の賃金交渉にむけて首相は「物価上昇をカバーする賃上げを目標にし、個々の企業の実情に応じ労使で議論いただきたい」と求めた。

 

そうなんです。物価の上昇に合わせて給料が上がっていくのであれば、これは全く問題ないということです。あと、給料が上がった分、累進課税も見直してほしいものです。みんな給料は上がったものの、結局税率が総所得に対して上がっていくので、実質増税になってしまいます。

本業においても、人件費が上がる以上は、見積価格も上げざるを得ないでしょう。そうやって値段が上がっていく社会にたくさんの人々が慣れないといけないと思います。

 

仕事で、クラウドをお使いの企業がいらっしゃって、性能が足りないので増強するような話をしました。これぐらい値段が上がりますよ・・という話をしたら「しょうがない、高いけど」とのこと。

高くなっていくのは当たり前、それに合わせて顧客に転嫁し、そして従業員も給料を上げないと人材が流出してしまう。

今回は特に、ITだけが値上がりしていくわけではなく、全体の価格が高くなっていくわけなので、ITを止めるわけにもいかないです。特に、今からの時代はデジタルが基本だと言われているわけで。

新しい資本主義かどうかはわかりませんが、もはや昨今の動き、新しいな、と思わざるを得ません。二十年間デフレに耐えて来たわけだから、ね。