orangeitems’s diary

クラウド専任の40代インフラエンジニアが書くブログ。新規事業マネージャー。20世紀末の就職氷河期スタート時にIT業界に文系未経験で入りこみそのまま生き残った人。

残業は経営者にとって、とても都合のいい制度

 

「仕事量」って波がありますよね。

一方で、(従業員数 x 労働時間)を「労働力」とするなら残業が無い場合は、「労働力」はいつも一定です。

ということは、ある時期の「仕事量」が「労働力」を上回る場合、従業員を新しく雇わないと仕事が終わらないということになります。

そこで、残業の制度が助けてくれます。ある一定時期の忙しさについて、従業員を雇わなくても、残業してくれることでしのぐことができます。

従業員を雇うのは最近では特に大変です。人を確保することが難しくなっているのは、人を雇う場合は、その人が今いる会社を辞めなきゃいけないことが全体だからです。日本は気軽に会社をホイホイ辞めたり入ったりをできる国じゃないと思います。何社も会社を移っていると、転職の際に「この人はすぐ辞める」と捉えられてしまうリスクがあります。

また、ある繁忙期に従業員を増やしたときに、今度は閑散期に入った際辞めさせることができません。労働力は(従業員数 x 労働時間)ですから、一度従業員を増やすと、仕事量が無くても人件費がかかり続けてしまいます。

仕事量に波があればあるほど、できれば忙しい時は残業してほしい、となります。労働力の従量制です。経営者にとって残業はとっても都合がいい制度です。

 

この残業という制度、かなりたくさんの人の人生や、大きく見れば国家レベルで影響があって、高度成長期時代から2000年くらいまでは、残業上等の時代でした。むしろ残業する方が仕事に対してやる気がある。会社に貢献するみたいな状況もありました。

しかし、おかげで人々の余暇が無くなり、お金を使わなくなり、少子化や晩婚化、未婚化も起きるような状況になったことを経て、働き方改革という政策が起きました。

でも、これ、そんな表向きの理由ばかりではなく、デジタル化の伸長と日本の成長鈍化で、経営者が残業時間にかかる人件費を減らしたいという動機もあると思っています。

経営側が労働側に「ほんとは残業するほど仕事ないだろ、利益確保したいから生活残業するなよ」というニーズと、「残業なんかほんとはしたくないよ」という労働側のニーズ、歪んた形で利害が一致し状況一変したのではないでしょうか。

その証拠に、会社によってはまだ残業がたくさんあります。36協定だって、36という言葉にも関わらず、

・年720時間以内
・3か月平均80時間以内
・月100時間以内

みたいな特別条項がしっかり入ってますから、仕事量が多い時は残業してよ、みたいな経営側のメッセージはが含まれています。合法的に360時間って数字は簡単に破ることができます。

 

この残業という制度。経営者にとっての余りの使い勝手の良さを考えると規制が入るのは当然です。労働者側もあんまりにも残業時間が多くて改善されないと思う場合は、この残業の、経営者にとっての都合の良い性質を考えた方がいいです。

経営者は狙って、残業時間を長くしている可能性、大ですから。