orangeitems’s diary

クラウド専任の40代インフラエンジニアが書くブログ。新規事業マネージャー。20世紀末の就職氷河期スタート時にIT業界に文系未経験で入りこみそのまま生き残った人。

インターネット、と言ったときの概念が世代で違う話

 

珍しくツイートが拡散したので、自由に話しておこうと思う。

 

 

だからZ世代ってさ・・なんて話じゃなくて、これはもう理解の仕方から世代で違うと思ってる。両者がインターネット、という言葉を聴いたときに思い浮かべる概念が全く異なる。同じ言葉を使っているものだから話が食い違うのだ。

今のインターネットの世界におけるSaaSの存在感は恐ろしく強く、そして栄枯盛衰も激しい。どんどん便利なサービスやアプリが出ては消え、それをいかに追いかけ使いこなすかということがZ世代においてはインターネットそのものに見えていると思う。むしろFacebookは昔のインターネット、Twitterを見ている人は中高年、みたいな雰囲気すら漂う。SaaSで余暇時間を取り合うという表現はものすごく正しくて、今はTikTokが優勢のように見えるが、明日また違うサービスが出てくるかもしれない。

しかし、私は40代だが、見てきたインターネットが違う。まずは「つながるか」というところから始めた。モデムでプロバイダーのアクセスポイントにダイヤルアップし、そしてつなげているだけでチャリンチャリン課金されるところから始まった。地獄のようなビジネスモデルだったが、それでも熱中した。その後、つなぎ放題、のようなモデルに転換したが、それでも回線速度がものすごく遅かった。「いかに速くするか」に戦いの土壌は移った。ISDN、ADSL、そして光になっていったそのプロセスは皆まで言うまい。

そういえばあの頃、つなげて何をしていたのだろうか。個人の適当な(かつ熱心な)HTML手組みでできたホームページを見たり、掲示板を見たり。それがどうしたと今では思われる用途がほとんどだったが、きっと、つながること自体が画期的だった。何をするかは二の次だったように思う。電話代を節約するために、「インターネット巡回ソフト」というのもあったぐらいだ。

・ダイヤルアップする
・URLを開き結果をキャッシュする(そこからのリンクをどれくらい追うかという設定込)
・リスト通りにURLを開いていく
・ダイヤルアップを終了する

URLを開いて読んでいたら通信料金がかさむので、この辺りを自動化していたが、何とも今のRPAのようで面白い。

さて、昔話はそろそろいい。同じインターネットの上にいるにも関わらず、その上にソフトウェアが現れた。かつ、巨大データセンターにつながっていてその結果をスマホやPCはもらっているに過ぎない。

今の時代のインターネットとは、その回線と回線のつながりのことではない。その先のどこかのデータセンターで動く処理とデータの結果のうち、最適化されたものを個人が受け取っているに過ぎない。

その処理をソフトウェアが担うが、それすらもデータセンターにある。今のクライアントとたるスマホにしたってPCにしたって、インターネット接続を切ってみてほしい。何ができる?。なんともチープなことしかできなくなると思う。

今のZ世代は、子供の頃からこの巨大データセンターの成果物と付き合っている。つながるか、および、その速さに一喜一憂していた我々とは感覚が違うのである。彼らは利用者としてはかなり洗練されている。世界の物事のほとんどはソフトウェアで解決できると思っている。それぐらいの万能感が、グローバルITによって生み出されていると私は思っている。

だから、我々世代がインターネットにつなげた後にいろいろと体験したり作ったり、話題となったあれやこれやは、Z世代にとってインターネットではない。縄文式土器を語るような目で見ていると思う。それより、このアプリ面白いよ、そんなこともできないの、という使いこなしのほうがよっぽどインターネットなのである。

この一介のインフラエンジニアが、「それはデータセンターにあるソフトウェアの処理の結果が・・」なんて言ったところで、「うるさい」と言われて閉口するのがオチなのである。

そういう意味では、パソコンではなくスマホ、となる話もわかりやすい。パソコン単体は今や結構な処理速度と記憶領域を持ち、単体で優れたソフトウェアを動作させ計算することができるが、インターネットの先にある巨大資源の結果に依存しているうちは宝の持ち腐れである。単なるビューアにしかならない。

インターネットにつないで、興味のあるデータをダウンロードして、そしてローカルで利用する。ここから始まったインターネットは、いつしか手元はビューアになっていたということだ。

世代間で同じ言葉で違うこと言っているんだから、そりゃ話は食い違う。でも、インターネット上のサービスなんてすぐなくなっちゃうのを、黎明期から付き合っている人はよくわかってると思う。これからも、そういう低いレイヤーからインターネットを見上げていたいと思う。あらゆるサービスがポシャっても、インターネットはあると思うよ。