行動力 その意味を理解する

 

あの人、行動力あるな、と他人が感じるまでには、いろいろな要素が絡んでいる。すぐ行動なんて、さっさとやればいいんでしょ、と思いがちだがこれは違う。向こう見ずで行動したって、結局手足は動くけれど今いる場所をぐるぐるまわったり、後退したり、行き止まりに向かって終い途方にくれたりといろいろである。行動力とは、すぐやればいいってものではない。

構造的に考えると以下のとおりである。

①どうなりたいか想像する。(目的地の定義)

②どうやってそこまで行くかをおおざっぱに定義する。(タスク分解)

③タスクをやる(実行)

④やった後、想定と違う場合に、修正する。(調整力)

この4つが成り立ってこその行動力である。

案外、目的地がふわっとしたままで走り出す人は多く、その場合スタートから間もなくどこに行けばいいかわからなくなる。つらい。つらいが忍耐力で続けてしまう人はいるが、時間の問題である。達成感がないので足は止まる。

また、タスク分解をしないと事が大きすぎて足が動かない。まずできる少しのことから手を付けるべきだが、それを達成したらどうするか、ある程度の道筋を決めないと毎回タスクが完了するたびに道を決め直しになる。おおざっぱに、に下線をつけたのは、ここにこだわり過ぎる人は何もできなくなるからである。だって、走り出してそこまで行かないと見えない景色がある。行ってからタスクを詳細化することはよくあることだ。目的地を見失わなければいいだけである。

その後実行して、行ってみたら様子が思ったのと違う、ということはよくある。その場合、修正しなければいけない。目的地ですら設定のし直しが求められるかもしれない。この柔軟性を持たないと、すぐ走り出して、ふらふらした挙句、どこに走っていたかを見失ったり、走ること自体に希望を持てなくなって、そもそも止めてしまう。

目的地の定義⇒タスク分解⇒実行⇒調整、この連続をスピーディーにできることを行動力と言う。プロジェクトマネージャーはこの手のスキルが大変求められる。プロジェクトメンバーはタスクをこなすことに集中するため、快適に手を動かせるのである。マネージャーが目的地を決めてくれなかったり、気分でころころ目的地を変えたり、タスク分解せずメンバーに丸投げで、メンバーが思い思いに仕事をするため漏れが出たり、そして仕様変更など重要な場面で調整せず進捗しなくなったりといろいろである。

自分は行動力がある、と思っているのに結果が伴わない。なぜこんなに手足を動かしているのにうまくいかないのか。これは言葉の表の意味に騙されている。考えることと一体であることを忘れてはならない。

よく人が集まったときの話し合いで、「言ってくれたら何でもするからね」というタイプの人はいる。この手の人は、実行、だけをやりたいのであり、優れた人についていきたいという防御線をはっている。私は、目的地は何でもいいし、タスク分解もしないし、調整もしないけど、達成感だけ感じたいんだよ、そういうことである。

人を集めたら結構集まるけれど、その後人々は運営にがっかりして離散する。これはそういう仕組みである。乗っかりたい人は沢山いるが、それらの人々をどう動かすのかは、技術がいる。

メンバーが全然動かないと言うマネージャー。率先して実行するも、実は誰にも目的地を詳しく語らないし、どういう風にそこに向かうかも適当で、そして目的地が変わっても誰にも説明せず、自分で行動してしまう。それでは、周りも戸惑い動けなくなるだけである。

熟慮あっての、行動力。単に手足を動かすだけではないのである。