ソーシャルメディア敗北の日

 

なんだかこんな日が来るんじゃないかとは薄々感じていました。

 

www.bloomberg.co.jp

24日の米株式市場で、ソーシャルメディア関連銘柄の時価総額が1350億ドル(約17兆円)余り吹き飛んだ。同セクターはユーザー数の伸び悩みと金利上昇懸念がすでに重しとなっていたが、スナップが前日に業績見通しを引き下げたことでさらに逆風が強まった。

 

ソーシャルメディアは無尽蔵に人を集め、その人たちのつながりを演出し、リアル社会の閉塞感を吹き飛ばし社会の新しい基盤となる・・という立てつけでした。しかも、コロナ禍で人々のコミュニケーションルートが大きな制限を受け、まるで新しい生活基盤になるかのような勢いに。

しかし、結果はどうでしょうか。匿名性の強いソーシャルメディアであればあるほど、集められる情報はどんどんモラルやクォリティーを失い、スパムのような情報にあふれるようになっていませんでしょうか。匿名性が強ければ強いほど人々は、内なる攻撃性が露見してしまう、という話は昔の2ちゃんねるの時代からもありました。

匿名性が高い状態の解像度が上がれば上がるほど、リアル社会と状況は近くなり、おいそれと人々が関係を結ぶのが難しくなるのです。例えば、街中に出て、いきなり知らない人に声をかけ、「ねえ、私最近、こうなんだけどさ」って話しかけられますか?。相手の素性もわからないですから、リスクあり過ぎですよね。ネットなら安全、みたいな幻想も過去はあったのですが、最近は皆用心するようになるのと、また傷ついた人がネットから遠ざかるようになった結果、このようなソーシャルメディアのユーザー数伸び悩み現象が発生していると考えます。

今後は、ネットであってもコミュニティー要素が重要になるでしょう。不特定多数であり完全匿名のなぐり書きのようなメディアはもう伸びない。あまりにもノイズが多すぎて、ユーザーが魅力的なコンテンツにたどり着けなくなっているからです。リコメンド機能も各社は頑張っていますが、例えばTwitterでも、「おすすめツイート」なんて上に表示したら、ユーザーが「やめてくれ・・」と猛反対したのをおぼえています(今ではトップツイートと最新ツイートが切り替えられるようになってますが)。YouTubeはチャンネル機能を使って、雑多なチャンネルを見えないようにしたりしています。結局、このノイズの大きさによって、ソーシャルメディアは成長の天井に来てしまった感が否めません。

また、匿名性が高いという問題はもう一つあって、自分自身の匿名性も高いので、自分が何らかの社会に属している感が得られないことです。例え何か自分の投稿がバズっても、いいねが1000個ついても、自分はその1000人のことを何も知らないのです。これでは、メディア、と言いながら一方通行にしかなりません。

結果的に、インターネットはこれから、コミュニティーの時代に流れていくと予想します。リアル社会は場所と時間の制約が強すぎるので、インターネット社会はまだ大きな可能性を有します。ただ、ある限られたメンバー間であり、かつそのメンバーの品質が保たれ、モラルと活動性が両立できるような。それは、これまでのソーシャルメディアが達成していたような、何万人も一箇所に集めムーブメントを起こすようなやりかたではありません。個々のコミュニティーは数人から数十人だけれども、そこでソーシャルが熟成し、高いレベルのコミュニケーションが行えるような場の確立。

今年、いくつかの有名なネットメディアが閉鎖になりましたが、予兆だった気がしてなりません。特定の巨大ソーシャルメディアに大衆がなだれ込むのではない、本当に人々の心によりそうような存在が、インターネットに構築されるとよいと思いますし、本当にその方向に行くのではないかと期待しています。

今日は、すべてのインターネットメディアが悲観的に語られる日になりましたが、いくつかのメディアはもう気づいていて、行動を起こしているように見えます。