orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

オラクル、SAPもロシアでの販売中止、ロシアのIT事情はどうなるのだろう

f:id:orangeitems:20220303122721j:plain

 

もし、外資のソフトウェアが買えなくなるとしたら。

 

jp.reuters.com

米ソフトウエア大手オラクルは2日、ロシアのウクライナ侵攻を受け、ロシア国内の全事業を停止したと発表した。同業の独SAPもロシア国内で製品販売を停止すると明らかにした。

 

製品販売が停止したとしても、ソフトウェアの場合すぐには影響がでないだろう。今使っているシステムが止まるわけではない。

とはいえSaaSですべてリモートアクセスしているのであれば、サブスクリプション期限が終わり次第即停止、となる。ただ、ロシアの企業がアメリカ企業のSaaSを喜んでつかっているという絵はなかなか浮かびにくい。

ロシア国内のSaaSもあるだろうが、これらのサービスで、一つもアメリカ製品を使わずに組み上げているものがどれくらいあるのだろうか。もし日本で実現するとしたら、オープンソースで組み上げるしかないが、このオープンソースも規制の影響を受けるのは必至だと思う。

当たり前のように、Windowsを、Oracleを、なんて我々は考えるのだけど、それらが入手できなくなるとしたら結構途方に暮れるのではないか。

例えばパソコンだって、IntelかAmdのCPUがほとんどなのだが、これらも禁輸となる可能性もある。自前で互換CPUを作ってまともに動くのだろうか気になるところではある。

Arm系のCPUだってイギリスが握っているわけだし、これも中国あたりが互換CPUを持っているのでなんとか調達しようと思えばできるのかもしれないが、闇パソコンみたいな話になるのかもしれない。

 

logu.jp

こんな記事も見つけたが、やはりこうなるか、という話だ。

ロシアは資源を持っている国なので、電気やガスはなんとかなるかもしれない。しかし文明的な暮らしをしようとしたときに、デジタルが必要となるが、それを支える技術をすべて自前でなんとかしようとしているのであれば、ハードウェアにしろソフトウェアにしろ、高いハードルに悩まされることになるだろう。

そう言えば、アップルはもロシアでiPhoneを売ることを完全に諦めたようだが、マイクロソフトのWindowsやOffice、GoogleのAndroidはどうなるのか。アップルやオラクルと言った著名企業が「完全にビジネスを停止する」という判断を始めたことは注目に値するが、足並みが乱れるのかどうかを観察している。

そもそも、ITは無形であったり持ち運びが簡単であったりするので、外国で調達しロシアに持ち込むみたいなことも簡単な気もする。抜け道はたくさんありそうだ。ロシアのシステムエンジニアたちは今後どういうデジタル戦略を国内で行おうとしているんだろうか。西側からITや金融で完全に封じ込められたときに、「じゃあ、こういう設計でやりましょうか」というロシア人も多分いるんだろうな、と想像する。

なかなか別世界ではあるが、地球にはそういう環境も存在するのだ、ということを認識していきたい。世界のルールは変わったのだから。