2010年ころ
外出するにあたっては、モバイルルーターとノートパソコンを一緒に持っていくことが必須だった。もっと言えばノートパソコンの電池が持たなかったのでACアダプタも一緒に持っていく。だから、リュックサックを買いまとめて入れていたこともあった。
そして、携帯電話はまだガラケーだったので、会社用のガラケーと自分のガラケーを荷台持ちしていた。
電波は今よりも繋がりにくく、モバイルルーターと言ってもイーモバイルで、地方に行くとてんでつながらなかった。なので、場合によって会社にお願いしてドコモに変えてもらったこともある。ドコモのエリアはさすがに地方では強かったが、それでも山の中に行くと残念なときもあった。
一度、登山をしたときがあって、その間にシステム障害があったときには、中腹でノートパソコンを広げてミドルウェアを再起動したのを覚えている。登山も何もあったもんじゃなかった。
なお、ガラケーにはアラートメールが来るようになっていたが、悲惨なのは多数の障害が起きたときにメールが大量に着信し、受け取れず、電池がどんどん減っていくこと。仕方がないのでインターネットをオフにして電話だけ着信するようにした。
何しろ電話しか連絡手段がなかったこともあり、何かあるごとに電話がどんどんかかってくるのがストレスだった。
あんまり思い出したくない環境だ。
2022年
今は、スマホを1つだけ持ってでかけている。SIMカードを複数スマートフォンに収納できるようになったので、自分と会社のSIMを共用できる。
ノートパソコンは持っていかない。スマートフォンで、VPNに接続したり、リモートデスクトップにつないだりできる。
スマートフォンの液晶は小さくて、文字を入力するには多少大変だけど、できなくもない。非常事態のときは、リモートデスクトップでターミナルを開き、コマンド入力している。ただ、指がつる。
したがって、これは作業が大変かもと思うときには、諦めて家に帰るか、同僚にチャットで連絡し作業ができるか調整するようにしている。
以前は電話しか連絡手段がなかったが、今はチャットがあるので非常に便利になった。
もし本当に遠くに行くときは、ノートパソコンを持っていくようにしている。最近は電池の性能がよくなったのもあり、ACアダプタまで持っていくことはまれになった。
USB-Cでどこでも充電出来る時代・・とまではいかないが、将来はそうなってほしい。ACアダプタは重い。
電波にしても、スマートフォンのテザリングで行けるので、WiFiルーターなど持ち歩かなくなった。これも素晴らしい。スマートフォンの充電環境は非常に良いので、スマートフォンとノートパソコンがあれば大抵のことはできると思う。そして、以前より全国でつながるようになっているので、出張の悩みなどもなくなった。むしろ新幹線でもネットがつながるので嬉しい。
今後に期待
どうあったって、ノートパソコンを持っていくのは非常に負担だ。
あと、ノートパソコンもそんなに丈夫ではない。熱いところや寒いところに持っていくと素材が劣化する。壊れやすくなる。
ぜひ、スマートフォンですべてができるようになってほしいところだが、何しろ画面が小さい。小さい画面の小さい字を見るのも年々つらくなってきたので、これはスマートフォンの限界かもしれない。
ノートパソコンとスマートフォンの間のデバイスと言えばタブレットだが、タブレットで電話するのはちょっとコツがいる。BlueToothでワイヤレスイヤフォン+マイクがあればできそう。ただ、基本、タブレットに電話はつかないので、どうしたものか。
すごく画面が大きいスマートフォンがあり、タブレットのように使えばいいのかもしれないが、これが持ち歩きが不便になると思われる。
何か、もう一息なのである。昔よりは絶対に楽になった。スマートフォンで8割のことができるので、あと2割をどう埋めていくか。これは意外と人類が解決できていないのかもしれない。
ひょっとしたら、折りたたみスマホがその救世主なのかもしれない。
画面が折りたたみ可能なスマートフォン、いわゆる「折りたたみスマホ」の市場が急成長している。
私もまだ使ったことがないのでわからないが、リモートデスクトップを片方の画面で開きながら、片方でソフトウェアキーボードが出たらどんだけ使いやすいのかと思ったことはある。
なんだかんだで、10年の間にシステム運用者は、気軽に外出しやすくなったようには思う。ただ、スマホだけのときは少しヒヤヒヤしているのは確かなので、もう一息、この折りたたみスマホに期待をかけているところである。iPhoneで出たら、買ってみたいかなと思っている(出るかわからないけど)。