引用:今月の額面広告に掲載されている問題はこれだ!(日能研より)
今日、外出の帰宅途中に電車に乗っていて、目を引いた広告が冒頭の写真です。これは本当の中学入試で小学6年生に質問された問題らしい。
飛鳥時代から奈良時代にかけて中国の進んだ政治制度や文化を取り入れるために、航海の危険をおかして遣隋使や遣唐使が派遣(はけん)されました。
(問)遣唐使には、大国の唐や他のアジア諸国と外交をおこない、日本の国際的な地位を高めるという大きな責任がありました。
このように重要な任務をおこなう遣唐使に選ばれるのはどのような資質(※)の人物だと思いますか。あなたの考えを自由に述べなさい。
※資質:生まれつき持っている性質や才能・身につけた能力
すごくいい問題だな、と。
最近、人材採用のことで考え込むことが多かったので目を惹いたのでしょうね。「こういう仕事があるとして、どうやって採用するのか」という話、社会の問題になるのか。しかも小学生に問うのかという驚きもあります。
さて、自分だったらどう答えるだろう。こういう回答はいかがでしょうか。
「今まで暮らしてきた日本の常識や価値観、学んできた学問領域にとらわれない柔軟な考え方ができる。身分や地位、性別や生まれに関係なく幅広く人と付き合うことができる。自分や自分の国のことに精通し、中国の人々にわかりやすく伝えることができる。かつ日本の文化に尊敬をし、価値があると考えている。一方、これから学ぶ中国のことを、日本に帰ってからも体系的に整理し日本に伝えることができる。
結論として、以下の能力を持ち合わせている人。
・これまでの教育・環境にとらわれず、思い込みのない柔軟な思考ができる。
・幅広く様々な社会集団へ飛び込むことができる行動力。
・自国文化を尊敬し、かつ精通している。
・中国へ自国のことを説明できるコミュニケーション能力。
・中国から学んだことを体系的に整理できる情報処理能力。」
いかがでしょうか。
さて、このサイトには「正解」が掲載されているので答え合わせをしてみたいと思います。
解答例
例1 唐の言葉を話すことができ、唐や他のアジア諸国の人達とも親しく交流できる能力を持っている人物。
例2 他国の制度や文化に対する敬意と、それを積極的に学ぶ姿勢を持つと同時に、自分の意見や考えを相手に伝えられる能力を持っている人。
ヤバい、書きすぎた(笑)。
確かに、中国の言語を使えるという発想は必要だな、と。
採用の現場にて一つ重要だと言えることが隠れていて、「遣唐使に応募してくる人は、中国の言葉なんて使えて当たり前だろう」という思い込み、です。
そう、これを書かないと、「言ってからおぼえます!(てへ)」みたいな人まで応募してくるんですね。盲点ですね。
ITの採用の現場でも、これは重要だなという感想です。一番当たり前で、前提となっていることが、採用条件に書き漏れることは最もはじめに考えた方が良さそうだな、と思います。
ま、私の答えも例2とはよく似ているのでいいか、と思いつつ。いや最近の小学生ってこの手の思考も問われると思うと、私の小学6年生のときって何かほんと幼かったです。塾も行ってなかったし公立小・中と進みましたから、平和だったな、何も知らなかったな、って。そもそも暗記中心でしたから、教科書で太字になってる単語と意味、そして全体の文脈をおぼえたら、社会はとても対策しやすかったな、という時代でした。今では思考まで問われるのか・・。
教育の現場も、現代に合わせて進化しているんですね。