orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

令和に働く人に不可欠なデジタル人権を定義する

f:id:orangeitems:20220102103138j:plain

 

デジタル人権とは

もはや働くためにはデジタルが必要なのですが、どの職場でも手のひらにあるかと言われるとそんなことはありません。本来、前提として働く人それぞれが入手できているべきデジタルが、環境によってばらつきがあるというのは、これは是正しなければいけないことです。

会社である時点で、必ず備わっているべきデジタル。これをデジタル人権と呼び、どの職場も最低限を保障するような社会になって然るべき、と思います。

具体的なデジタル人権、定義していきます。

 

デジタル人権・骨子

①ビジネスチャットの導入・電子メールからの脱却

まだ電子メールを社内で使ってんのかい、と突っ込みたくなるシーン多数です。

ひどい場合だと、一言の会話のやりとりでメールが乱れ飛びます。

「この方法でよいでしょうか?」

「よいです。」

「承知しました。」

しかも、「●●さん、お疲れ様です。(本文)。よろしくお願いします。[フッター]」を守らないとビジネスマナー違反だと怒られる。

無駄過ぎませんかね。しかも、ToやCcに、無駄にメールアドレスを入れて拡散させ、メールの通数を倍増させてしまう傾向にあります。

せめて、社内ではビジネスチャットを導入し、電子メールは廃止しませんか?。

 

②スケジューラーの導入

スケジュール管理をまだ手帳を使ってやっている人、多数。

オフィスにはホワイトボードがあり、予定を書き込む。

いつまでアナログにスケジュール管理を続ける気なんでしょうか。

過去はメンバーのスケジュール管理を行うのが管理職の重要な任務でしたが、今やスケジューラーのおかげでほぼ自動化し、各メンバーは他のメンバーのスケジュールを見ながら調整するようになりました。

エクセル使うような現場もあったりして、何をデジタル風アナログな管理してんだよと突っ込みたくなる現場もあります。

使いましょう、スケジューラー。

 

③適切なスペックのパソコン

各社いろいろな事情があると思いますが、パソコンのスペックについて理解が及んでいない職場もたくさんあります。CPU、メモリー、ストレージ、そしてディスプレイ。明らかに職場のソフトウェアが求めるスペックとバランスが取れていないケースがまだまだ散見されます。特にノートパソコン。一度買うと増設もなかなか難しいので、はじめに買う時にスペック高めでお願いしたいところですが、値段の関係でロースペックなものを選ばれることも多いようです。

動作が遅いと、人間の仕事のスピードまで一緒に遅れていきます。これは職位は関係ありません。まんべんなく不利益です。職位が低いからロースペックでいい、という思考の人もまだいて、それでいて仕事は早く仕上げろという無理強い。

人件費に比べたらスペックを上げるためのパソコンの費用なんて微々たるものですから、全社員に高スペックのパソコンを与えるぐらいで丁度いいと思います。

 

④ワークフローの電子化

いつまで、ワードの社内テンプレート文書に記入し印刷し、決裁者のハンコをもらってやっと決済。なんてやってるんですかね。ところがまだまだ多い。

電子化っていっても、単にワードの文書に書き込んで、それをメールで送り・・なんてやっているところもまだまだ。

ワークフローというのは「繰り返し」ですから、ワークフローをシステム化することでかなりの無駄な工数を削減できるのは言うまでもありません。

これをエクセルや電子メールを使って、「わが社はデジタル化しとる」と言い張る会社もいますが、こんなのアナログそのものです。

手続きがめんどうなのでワークをさぼりがちに、いざやってもめんどう。こりゃ生産性も落ちますって。

ワークフローがよく走る処理の上から5番目くらいで、おそらく全社の7割が含まれてしまうはずです。さっさとやってください。

 

⑤プロジェクト管理ツールの導入

いろんな会社が仕事をプロジェクト化し、マネジメントを行っていると思いますが、これをまだエクセルでやっている現場も多いです。

しかも、結構有名なSIerですら、課題管理表やら、質問表やら、スケジュールやらを、エクセルで送ってくる。そしてエクセルの使い方もなってなかったりします。セル結合したり、タイムテーブルを手動でセル塗りつぶし。時間が変わると修正を反映するために、若手が塗り絵を再度やりなおさなければいけません。

何やってんだと。プロジェクト管理ツールは日々進化しています。プロジェクトの全ての仕事をスレッド化し、メンバーが記入していくと、全体の予実管理から、残件の確認まで自由自在です。

人力の管理に頼っていないで、プロジェクト管理ツールを入れましょう。

 

⑥モバイルの活用

家から、もしくは出先から。オフィスと同じことを社員にやらせるためには準備が必要です。これはコロナ禍によって各社、急ピッチで整えたと思うのですが、基本はパソコン中心だと思います。

もっとスマートフォンだけで完結するといいのにと思うことも多いのですが、社内システムには社内のパソコンからしかアクセスできないという制約も多いです。そうすると、社内のパソコンにVPNなどで接続し、そこからアクセスする・・、こうなるとモバイルとは呼べないと思います。リモートアクセスであって、モバイルではない。

もっともっとスマートフォンで解決できることを増やしてほしい。常にそうやって会社が考えていくと増えていくものですが、そもそもそういう発想すらしない会社も多いです。

 

⑦インターネット帯域/Wi-Fiのブロードバンド化

主にオフィスでの経験ですが、Web会議するとどうも音声が悪い。原因はオフィスのインターネットの帯域不足だったり、Wi-Fiアクセスポイントの位置が悪く通信状態が悪いなどなど。

最近は、いろんな企業がWeb会議を求めてくるのに、なんで自社は設備を整えようとしないのか。Web会議上で良い事を言っても、ネットワーク理由で相手に伝わらなければ大きなマイナスじゃないのか。結果として、顧客第一主義になってないんじゃないか、と思うことが度々ありました。

自宅は、自分でほぼ占有して使うのでこんなことは起こらなかったのですが、オフィスこそ、企業の存続をかけてインターネット帯域/Wi-Fiのブロードバンド化は必須としてやってほしいところです。

 

まとめ

今回、7つを書きました。

①ビジネスチャットの導入・電子メールからの脱却

②スケジューラーの導入

③適切なスペックのパソコン

④ワークフローの電子化

⑤プロジェクト管理ツールの導入

⑥モバイルの活用

⑦インターネット帯域/Wi-Fiのブロードバンド化

上記が全部達成したとしても、まだまだ上はありますがこれくらいにしておきます。これらを一部でも達成することがどれだけ大変なことか・・。

ファイルサーバーやActive Directory、社内の古いシステムの問題や、ストレージ管理など、社会でスタンダードな方法がまだ確立していない分野もあります。

こうやって書いていると、パソコンを使っていればデジタル、ということでは全くありません。パソコンを使いながらも人の手で管理する部分が多いと、結果アナログと同じです。なのにパソコンを使っているものだから、「うちはデジタル化している」と誤認する経営者も多いのでしょう。

デジタル人権の整備具合を会社ごとに公表したら面白いんじゃないかな。かなりの会社で未整備だと思います。

人権が確保されていない会社、そのうち誰も入社しなくなるんじゃないかな。