IT業界はメンタルが弱くても大丈夫だよみたいな記事を見てしまったので、いやいや、おいおい、何の冗談だよと。
過去を振り返ると屍が落ちていて、屍を避けながら20年超やってきましたよ。
どこでそんなにメンタルを消費するのかい、ということを言語化してみたいと思います。
1つの失敗に対して連日詰められるとき
この業界、何か失敗事象があったとして、デジタルなので誰が何をしたために発生したかを言語化しやすいです。ログが取られますからね、基本。ただログは技術者にわかるように出力されているため、それらを日本語にして、技術者じゃなくても理解できるように加工しなければいけません。
そのやっと日本語にした報告書をですね、上司なり客先に持って行ったりすると、またああだこうだと指摘される。もっともなことであることもありますし、理不尽なこともあります。
厳しいのは、このプロセスが連日続く時。ちっとも生産的なことができなくなります。原因はこれだ、とわかったらじゃあ対策は。再発防止策は。連日やっていると、何のために仕事をしているのか、むしろこの時間を使って、根本原因を関係者で議論したほうがはやいんじゃないのか、って。
業界の人々が、情報に細かいこともあって、なかなか精神的に辛い作業です。
長時間労働
この仕事、たっぷり脳を使う仕事です。
脳ってやつは、たくさん使うと疲れます。疲れるのに回復をさせず、また労働する。これを繰り返し繰り返しやっていると、脳が正常な状態を認識できなくなります。
人によっては疲れた時にテンションが下がるどころか、異様に上がる人もいて、まぁすごいとは思うんです。ただこれは危険な兆候。めちゃ上がった時、急に脳がオーバーヒートを起こし、身体に悪い影響を与える人がいます。倒れちゃうんですね。急に会社に来れなくなる。エネルギー不足のようになって、仕事ができなくなる。いわゆる過労の状態です。ここで倒れられる人はまだいい。たまに我慢強い人が無理に仕事を続け、そして慢性的な病気を引いちゃう人もいます。
心と体ってつながってますから、辛い時は、早めに手を打つことをお勧めします。
具体的には、たくさん寝ることです。脳は急速が必要なツールです。パソコンだって、CPU100%でずっと動かしてると熱暴走するでしょう。
想定外の事象
平和で、のんびりしているときに、「わっ!」って後ろから急に叫ばれたら、心臓がどきどきするでしょう。
そういうことをたくさん経験する業界です。わかりやすいストレスの起因になる出来事です。
システムには問題が起こったら人間にメッセージを伝える、いわゆる監視が働いています。その監視によってシステムの品質は守られるのですが、人間はシステム様に隷属しています。どんな状況だろうと無慈悲に「おいなんとかせい」と言ってきます。
システムの重要度によって緊張感は違ってくるのですが、人間、何もしていないときなんてほとんどないので、それに差し込んで「おいなんとかせい」が入ってくると、結構ストレスのかかる事象です。
「ちょっとごめんね、対応してくる」と周りに言って何かを中断して作業を始めます。作業することは全然苦じゃない。問題は差し込んでくること。集中していたりすると最悪。
ってことが、日々の日常になると、やっぱり「いやだー」ってなりますよ。
待たされるとき
システムを変更する作業で、たまに時間がかかる作業があります。
例えば大量データを、ある地点からある地点にコピーする、などの作業のとき。
コマンドは簡単です。コピー・・と。これが完了するのが・・10時間!?みたいなとき、この間人間が付きっ切りにならないといけないときがあります。
なーんもすることないのに。現場に残らなきゃいけない。しかもそれが深夜にかかり、睡眠時間を削ってくる場合もあります。
何か、花見の場所取りしてるみたいで、ほんとテンション下がります。
あんまりコミュニケーション能力が高い人が集まっていないので巻き込まれるとき
自分の言いたいことを相手が十分にすぐ理解してくれれば楽なのに。と思う瞬間はたくさんの人が経験すると思います。伝統的に、コンピュータとやりとりしていれば仕事出来るから、という理由で業界に入る人が多かった歴史があります。
今や、パソコンも完全にインターネットや社内ネットワークにつながり、コミュニケーションをすることをパソコンの中でも求められだしたので、コミュニケーション能力がないと業務に支障が出るのは現代ならではと思います。
ただ、そもそもコミュニケーション得意という人が進んで入ってくる仕事とは現在でも感じられず、どんなにツールが洗練されても、めんどくさいことになる可能性がある業界だと思います。
>>
というわけで、ストレスに弱い、というタイプの人はあんまりこの業界向いてないんじゃないかなぁと思うのは大昔からです。
私自身はメンタルの強さで生き残って来た部分はありますが、ストレスの高い環境において体調不良に悩んだ経験もあります。
ストレスが発生することはもうどうしようもない部分もあり、どう付き合っていくか、という経験則が大事な業界だと思います。