日本のIT業界が詰んでいる理由

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IT業界も長いですが、実感したことがあったので語ります。

 

 

25年ほど前、インターネットがまだ世の中に落っこちてきたころからこれまでの歴史を目の前で見てきたのですが、どうも人材育成という話になると、スマートには全くなってません。

この業界は技術が汎用的で、別の会社に移ってもすぐ即戦力になれる傾向があるので、転職も激しめです。だから、いくら投資して育てたとしても、育った途端に他の給与のいい会社に移っちゃうという不信感があります。それだとコストが丸損ですよね。

だから、自社社員にはコストをかけず、「お前ら勉強しろよ」としか会社が言わない。発想はOJT(on job training)で、習うより慣れろ。わかんないことがあったらオレにきくんだぞ。何!?わからない!?。それはまず調べてから言えよお前の仕事は技術者なんだぞ。って数分前に言ったことすら忘れる始末ですね。

昔はもっと若い人で未経験者がたくさんいたので、それこそ志望者はすぐに戦場に送り、倒れたら死体のまま本社に運ばれ、蘇生した後に別の会社に「経験者」として送り込まれるみたいなことが日常茶飯事だったわけです。え?今もそう?。失礼しました。いろんなルートからまだゾンビ作戦が強行されているという話は聞きます。

だから、未だにSESで他社常駐、みたいな商売は消えません。だって自社で投資するより、お金で殴ったほうが早いじゃありませんか、もし使えなかったらチェンジ。

しかし、それでは永続的なIT投資には向かない、つまりDXなど内製的な文化を組成しなければ永遠に丸投げになってしまうということで、各社中途採用を頑張りだして、今は完全に売り手市場です。転職するなら今ですよ皆さん。

これって、結局各社、自社で教育するなんてことはさっぱり考えておらず、他社で何らかの教育的経験を経て一人前になったその成果を、お金で奪おうとしているだけですよね。外資企業が今、日系企業では支払えないほどの報酬で技術者を吸い込んでいますが、これも同様。今お金の殴り合いが起こってます。

いつまでこんな状況を継続するんでしょうね。やっぱりどこかで業界全体で転換して、ITを使うなら教育投資を増やすことを全体でやっていかないと、単にお金を持っているところが人を吸収して終わりなわけです。もしくはとにかく人だけ集めて、完成品のようにして派遣し、お金をいただくか。

こう考えると、そもそも自分すら、「勉強なんて裏でやるもんで会社から教わるもんじゃないでしょ」と長年思って仕事してきたわけだし、発想の転換が必要になっているということにほかなりません。もう、教育的投資はITを使うのとセットだ、と。中途採用で固めてビジネスを安定させようというやり方自体が、業界全体で破綻してきていて、結局活躍している人は転職市場に出ないし、教育が不十分な人が次のファンタジックな理想の職場求めてふらつくという、負の連鎖。そして世界で技術者不足に悩むという日々。

資格どうのこうのというより、教育を受けることを各社で責任持って行い、自社の不十分な社員を育てることにもっと責任を持っていかないと、この連鎖は逃れられないのだと、肝に銘じた今日このごろの私です。

どこかの会社が育て上げた人を中途採用で奪うんじゃなくて。自社の社員をもっと育て上げるという意思。もっと主体的に。