orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

IT系ネットメディアの記事を読む時に気を付けたいこと

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ITのネットメディアなんて、インターネットが始まった時期から毎日読んでいるのである程度傾向はわかっている。記事を読む時に全てを真に受けてはいけない。ポイントが数個あるので紹介したい。

 

ネット調査の記事

よく、日本の情シス〇〇〇人に調査をし、こういう結論になった、という記事がある。へえそうなんだ、となるかもしれないが、危険がある。

・ECを得意とする会社は今後EC市場が拡大してほしいと思っている。
・クラウドを売る会社は、オンプレよりもクラウドが拡大してほしいと思っている。
・リモートを支える会社は、リモートワークが今後社会に定着してほしいと思っている。

というふうに、調査を行う会社のスポンサーに、その調査によって好ましい結果が欲しいという動機が隠れていることが非常に多い。

ネットメディア経由で世論形成をしたいときに、好ましい結果が出やすいようなアンケートを作成しこれを記事まで誘導する傾向は捨てきれない。ネットメディアに金銭が渡っている可能性もあるので、各種調査記事については、誰が調査したのかを注目する必要がある。

 

業務提携の話

異業種のA社とB社が業務提携!、みたいな話が踊るが、実際のところ本当にどこまで提携するかは全くわからない。共同でサービスを作ってみたが鳴かず飛ばすでそのまま提携解消、なんてことはよくある。営業同士が交流してお互いの製品を合わせて売ってみたり、定例会を開いて情報交換、のような軽い提携も提携と呼ぶので、今一つ信用ならない。

ひどいものでいえば、Azureを基盤として使っただけで、Microsoftと提携、なんて話もあった。もはや最近はそんな露骨なものはないが、他社の製品やサービスを使っただけで提携の言葉を使うことはなくもないので注意したい。

 

新サービス・新製品発表の裏で

新サービス・新製品が日々出てニュースになっているが、これと同じペースで旧サービス・旧製品は販売終了になる。しかしそれはニュースにはならない。実は本当に知りたいのは今使っている製品がサポート切れになることで、新製品なんて発表しなくていいのにと思う。

ベンダーも商売だから仕方がないのだけど、旧製品が永遠に使えたら、実は二酸化炭素の消費量も減るんじゃないか、ぐらいの曲解をしてしまうほど、このライフサイクルによって業界はいつも入れ替えを迫られている。

ある情シスから「毎年毎年リプレースの連続で、メンバーが疲弊しています」と聞いたことがあり考えさせられた。

 

××社が〇〇を採用

ニュースの2割ぐらいが、ある有名企業があるソリューションを採用したという記事なんじゃないかと思うぐらい多い。これって採用事例をニュースで出すことによって得するのはその製品のベンダーだから、実際はお金がメディアに流れているんじゃないかと思うことがある。

別にどんな会社が何を採用したっていいじゃない、と思うが、有名な会社でも使うぐらいだから信頼性高いんだろうな、というCMになっている。

技術記事とCMは、素人目には差が付けにくく、ミスリードをさせるような記事がたくさんあると思っている。

 

社長会見

IT企業の社長は、もはや数十名で持ち回りでやってるんじゃないか、と言うぐらい会社間をぐるぐる同じ人達が回っている。もう年末が近く、外資は12月末で人事異動の季節。だいたい社長交代の半年前にはプレスの前に急に現れなくなって、あれどうしたんだろうと思ったら退任して別の会社の社長に就任、みたいなパターンをもう何度も何度も見てきている。

日本法人の社長と言っても、結局は海の向こうの(だいたいアメリカの)意図の通り動いているんだろうな・・。社長業も大変そうです。

 

 

ということで、記事を読むときにも、頭を使って裏の意味まで考えないと、仕事上の判断にも影響しかねないといつも思って、疑問符を持ちながら接している。

毎日目を通して業界のトレンドを知ることは大事だけれど、中には宣伝効果を期待した内容や、裏で誰かが手を組んでミスリードを誘う記事も散見されるので注意したい。