orangeitems’s diary

クラウドで働くインフラエンジニアの日々の感想です(ほぼ毎日更新)。

新庄ビッグボス就任はロスジェネの逆襲である

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ロスジェネとはロストジェネレーション、つまり失われた世代という意味です。諸説ありますが、1970年~1982年頃に生まれた世代のことを言い、バブル崩壊から10年間の間に就職活動を行い、就職氷河期を経験した世代のことを言います。

ちなみに私もばっちりこの期間に入りますので、体感してきた世代の一人です。

よく就職氷河期のことばかりを強調されがちなのですが、私はそれだけではないと感じています。とにかく上の世代が強かった。高度成長期の旨味を味わった今の60代以上の存在感がとても強く、どんな世界にいても上に行けない、詰んでいる状況を見てきました。

私の20代は、このブログにもよく出てくるように、他社に常駐して過ごしていたのですが、なんと自分と同じ年の人間が「いない」という現象に直面します。私の世代はどこにいったのだろう、と。いつも10くらい年上の人と行動する日々で、私はたまたま潜り込んだ人間でした。30代になると、逆に年の離れた20代が入ってくるようになり、結局同じ年の人たちとは会えない。

そして、今もって、会えていません。

だから、多分私は、たまたまロストジェネレーションの谷にぎりぎり落ちなかっただけだと思います。

さて、新庄ビッグボスのお話です。今日監督就任会見がありました。その全映像がYouTubeで公開されていましたので閲覧しました。

 

www.youtube.com

 

新庄氏は自分のことを監督と呼んでくれるな、新庄ビッグボスと呼んでほしいと言うことであえてそう書いていますが、私は全編を見て、これはロスジェネの逆襲だということをはっきり認識しました。

新庄ビッグボスは1972年生まれですから、まさにロスジェネの方です。いや、阪神で大活躍していたよね、メジャーリーグにも行ったし、と。それでロスジェネではないのではとお思いのかたもいらっしゃるでしょう。

しかし、引退したのが2006年で、34歳ごろ。そこから一切、野球から離れることになってしまいました。会社員でスペシャリストとして34歳になったとして、そこからその専門分野を離れることなどありえるでしょうか。

個性を発揮すると、上の世代から「あれはあり得ない」「なってない」「常識を知るべき」と見下され、一線を外されるというのはロスジェネの人々が多く経験していることではないでしょうか。能力はあるのにポストにつけられない。能力はなくとも上の世代と迎合できた人だけが生き残る。

多様性を否定し、同調圧力に汲みした人だけが残る世界。

野球をはじめスポーツ界は、強さばかりが追及されエンターテイメント性を失くし、「なぜ私たちは野球を見るのか」ということすら捨てて勝利に突き進むあまり、今では民放で野球中継は無くなり、スポーツニュースからも野球の話題は消えつつあります。

私が小学生の頃--35年くらい前は、プロ野球の結果だけで毎日一時間を費やしていました。「プロ野球ニュース」という番組があって・・、それはいいのですが、学校に行くとどこが勝っただ負けただと大騒ぎだった世界。今はその人気が消え失せてしまいました。一部のファンが支えていますが、ひとまず私の手からは零れ落ちています。

新庄ビッグボスは2006年以来、野球界からは必要とされてこなかったのに、2021年にして白羽の矢が立ったことは偶然だと思えないのです。

コロナ禍が襲来し、過去のやり方自体が全く立ちいかなくなるバックグラウンドが生まれました。

そしてこの前の衆議院選挙では、大物議員がどんどん落選するというのが話題となり、世代交代が起こりました。これは単なる世代交代ではなく、ロスジェネ世代にとって大きな岩となっていた人々が去ったということを意味していると考えます。

お偉い人の言う通りやっていればいいんだ、おりこうさんにしていればいいんだ。旧来の仕組みをなぞっていればいいんだ、と。

しかし、それでは新しい時代を乗り越えられないのが明白になり、上の世代が力尽きていくのを間近に見て世の中には閉塞感が生まれていきました。

もう大きな岩が立ちふさがっていないのであれば、これからは新しい時代を元気で才能がある人々が、同調圧力のない中で堂々とまい進していけばいいのだ、と。社会が新しいリーダーを求めたのです。

私も四十代ですが、周りを見渡しても、おそらく新庄ビッグボスが世代でトップのリーダーなのではないか、と思っています。全国民に注目される立場です。

彼がこの十五年間全く野球界から相手にされなかった、そして今日監督になる。自分自身を曲げなかった彼の明らかな勝ちであり、そしてここからロスジェネ世代は逆襲を始めるのです。今まで能力があっても活躍の場がなかった人たちが時代から求められるようになる。新庄ビッグボスがその先頭に立ち、表現してくれると思います。どんな成績になるかは度外視で、そのパフォーマンスに今からわくわくしています。そもそも私は野球から離れていたので、勝ち負けの問題ではないのです。野球を見る人が増えるだけで勝ちなのです。そもそものビジョンから、新しく構築する機会がついに降りて来たのです。

インタビューを見て思いましたが、一見突き抜けた言動をするように見え、周りに対する気遣いや言葉を選べること。そして野球観をしっかり磨いているあたり、彼を排除してきた野球界は大きな反省をすべきだし、それはロスジェネを今まで虐げてきた社会に対しても同様に思うところはあります。もう我慢だけをする時代は終わりつつあるのです。

さあ、新庄ビッグボスに続こう。

ロスジェネは、これからだ。