orangeitems’s diary

クラウドで働くインフラエンジニアの日々の感想です(ほぼ毎日更新)。

社内改革とは結局人を去らせ、雇い入れるプロセスである

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社内を改革しようとしたら、どんどん会社が辞めちゃった。

そんな例を3例ご紹介します。

どの例も改革者は大量退職にひるまず、突き進み改革を成し遂げています。

毎回こういう話を読むたびに、そうだよね、説得するだけ無駄だよね、と思っています。改革したいなら退職を恐れてはいけない、そんな話です。

 

ケース1 手芸屋さん

スーパーアナログな会社に、デジタルを導入し変革したお話です。

 

smbiz.asahi.com

 手芸用品の卸売りを手掛けるハマヤ(京都市)は、数年前まで電卓や電話、手書き伝票のアナログ業務が中心でした。専門商社出身の4代目がIT人材と一緒に、デジタルトランスフォーメーション(DX)を社内に浸透させて、労働時間を削減。手芸ブランドやDXコンサルティングも事業化し、利益率を大幅に高めました。

 

完全に時代遅れのプロセスで成り立っている会社を変革するとき、かならず古株の人たちは恐ろしいくらいに抵抗するものです。

この会社はどうなったかというと・・。

 

 有川さんは全社員と1対1で面談して業務やスキルを洗い出し、銀行出身の従業員に、経理業務を任せるなどの配置転換を進めました。年末の「決起集会」では、社員にデジタル化の必要性も細部にわたって訴えました。

 その過程で、会社を去る社員が続いたことから、母親である社長から「人が辞めたら会社がつぶれるのでは」と言われ、親子げんかのような状態にもなったといいます。

 

まさにそうです。どんなに情熱を持って訴えても、結局これは既得権益の打破、つまり権力争いなんです。

急に経営者が代わり、そして自分の権限が取り上げられる。素直に新しいビジョンを受け入れられない人って必ずいます。

私は何度かそういう経験をして、説得する必要があるような人には、もう説得すらしないで去ってもらったほうがお互いいいのでは、と思っています。

 

 

ケース2 自動車学校

というのも、この話をおぼえていたから。

 

toyokeizai.net

黄緑とオレンジの鮮やかな全身タイツに身を包み、交通安全教室やイベントにハイテンションで登場する。その名も「かめライダー」。南福岡自動車学校のイメージキャラクターに扮するのは、代表取締役社長の江上喜朗さんだ。新しい経営ビジョンを掲げ、2013年6月にキャラクターを生み出し、自らノリノリで演じていた。だが、その陰では、不満を募らせた社員の退職がとまらなかった――。

 

手芸屋さんの件と凄く似てますよね。

 

「ピーク時は週2人ペースで退職して、3年間で半数の社員が去っていきました。バカらしい、ついに社長がおかしくなった。そんな陰口が渦巻いていましたね」と江上さんは振り返る。

 

結局、古いやり方になりきった組織を変えるには、そこにいる人達を追い出すしかない。情熱と理論を持って説得しても、無駄な時間と関係の溝だけが生まれるだけなのですから。

老舗の大企業の、早期退職論や45歳定年論にも通じるところがありそうです。

 

 

閑話休題:悪い事ばかりじゃない

私は、下記の記事の意見に近くて。

 

news.yahoo.co.jp

大量退職が発生するとき、退職者たちはお互いに励ましあい、辞める勇気を後押ししあって、一斉に辞めていくものです。辞めた直後は会社の悪口を肴に飲むこともありますが、当然ながら転職先まで同じではない場合が多く、いずれ会うこともなくなっていきます。

一方、残された社員たちはどうなるのか。大量退職後の職場は寒々しく険悪なムード漂う職場になっていても不思議ではないと思うのですが、私が実際に見てきた光景はやや意外なものでした。多くの職場が、まずまず「明るく楽しい職場」になっていたのです。

 

そう、残った人と新しく来る人が、会社を明るくするんですね。

何度もそういうケースを見たことがあります。

退職が起きた時は残念ですが、それよりも明るい楽しい未来の方を見ていたいものです。退職するぐらい不満があるのなら、早く辞めてもらい、満足する職場に行ってもらったほうがお互いのためです。

 

良くも悪くも、会社というものは新陳代謝を繰り返しながら生き続けていくものです。その中で、何かの理由で一時的に退職が増えてしまうこともあるでしょう。しかし、慌てず騒がず、まさに「ピンチはチャンス」、職場改革の絶好の機会と考えて、淡々と働きやすい職場を目指せばよいだけだと思います。

社会的に価値ある事業をやっている会社が、組織的問題で減速するのはもったいない。大量退職のあった会社は、めげずに是非頑張って欲しいと思います。

 

とてもよくわかります。

どんなに正しくても、意見の相違は起こりますしそのたびごとに部下を説得していたら進むものも進みません。

ピンチはチャンス。本当にその通りです。

 

 

ケース3 産業処理廃棄物処理

本当、たくさんの人が戦ったんだな、と。

 

style.nikkei.com

「公害企業は地域から出ていけ」。住民の横断幕が工場を取り囲む。父親が興した産業廃棄物処理の石坂産業(埼玉県三芳町)は、風評被害で存続の危機にあった。「世界で一番、人から愛される会社に変わろう」。後を継いだ石坂典子社長は高い理念を掲げて社員の意識を変え、やる気を引き出す。反発する社員の大量退社も乗り越え、環境共生のモデル企業と呼ばれるまでになった。

(中略)

「細かいルールや手順が増え、覚えることも多く、社員には負担となります。朝礼で方針を語っている時、ヘルメットを床にたたきつける音がしました。1人の社員が、こちらをにらんでいます。私がじっと見返すとその人は目をそらし、立ち去りました。何人かの社員がそれに同調して出て行きます。改革を始めて半年間で社員の4割が退社していきました

 

本当、みんな一緒。

ここを乗り切らないと、改革なんて、ない。

 

 

オチ:2012年に実際にあった「40歳定年論」

今回の話の件でいろいろ調べていたら、2012年に政府が興味深いことを言っていました。

 

www.nikkei.com

国家戦略会議(議長・野田佳彦首相)の分科会は6日、国の長期ビジョン「フロンティア構想」の報告書をまとめた。国家の衰退を防ぎ、個人や企業が能力を最大限生かして新たな価値を生む国家像を2050年に実現するための政策を提言。「40歳定年」で雇用を流動化するなど労働生産性を高める改革案を盛り込んだ。

 

なんとかの民主党時代の2012年、40歳定年というパワーワードがすでに出ていたんですね。

 

改革案の柱は雇用分野だ。60歳定年制では企業内に人材が固定化し、産業の新陳代謝を阻害していると指摘。労使が合意すれば、管理職に変わる人が増える40歳での定年制もできる柔軟な雇用ルールを求めた。早期定年を選んだ企業には退職者への定年後1~2年間の所得補償を義務付ける。社員の再教育の支援制度も作る。雇用契約は原則、有期とし、正社員と非正規の区分もなくす。

 

この話、ずーーーーーーーーっとやってるんですね。

改革ができない原因って、やっぱり古株が残って、権力争いと一体化するからなんでしょうね。自民党政権じゃなくてもこんな意見が出てくるくらいなので、結局どの党が検討しても似たような結論になるんじゃないかな、なんて思いました。

結局は、改革者が意思を貫くとが大事で、そこで退職者が出てもひるまないこと。新しい人をどんどん入れて新陳代謝することが、結局社内に明るい空気を生み出し未来志向になっていく。

これは、40歳定年だろうが45歳定年だろうが60歳定年だろうが、間違いないようです。