orangeitems’s diary

クラウドで働くインフラエンジニアの日々の感想です(ほぼ毎日更新)。

変電所トラブルの過去事例を集めてみた

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日曜午後の変電所火災、随分交通網が混乱しました。私は電車を利用していなかったので幸運にも巻き込まれませんでしたが、多くの方が大変な目に遭われたと思います。

 

nordot.app

 10日午後、埼玉県蕨市にあるJR東日本の変電所で火災が発生した。JR東によると、停電が起き、山手線や京浜東北線、埼京線など、東京や埼玉を中心に首都圏のJR在来線は一時広範囲に運転を見合わせ、利用客約23万6千人に影響した。11日は始発から平常通り運行するとしている。

 

この記事では、過去の変電所火災のケースを振り返り、どんな原因があるのかを確認しています。

 

 

1994年12月 新宿変電所のケース

私はもう三十年ほど関東に住んでいますが、住み始めて二年目に大規模な変電所火災で電車が止まったことがあります。もっと言えば、新宿駅で電車を待っていたときに、新宿駅ごと停電が起き、しかも時間が二十三時前で構内が真っ暗になったのをおぼえています。

この件、東京消防庁のページに記事がありました(PDFファイル)。

 

◇火災原因調査シリーズ・電気火災(1)

JR 新宿変電所の火災概要  東京消防庁予防部調査課

 

そう、1994年12月11日22時50分。よくもこんな古い情報がインターネットにあるもんだと感心します。結局この日、電車は動かなかったために私歩いて帰りました。その時に一人暮らししていた駅が隣駅だったので良かったのですが。

この時は新宿変電所が火災になった件で、原因は下記のように書かれています。

 

現場の見分結果・実験結果及び各種データから、直流変電所 1 階の OT1 ケーブルヘッド(22KV)の短絡によって出火したもので、その要因にあっては、小動物または OT1の一次側の接続回路を支持している碍子の閃落も考えられるが、残存物、実験及び現場の状況から、OT1 ケーブルヘッド直上の壁体のモルタルが剥離落下して、露出した充電部の銅棒が変形し、接触あるいは絶縁距離が短縮し、短絡によって出火したものと推定される。 

 

壁が剥がれ落ちることにより、設備に傷がつきそこから出火するんですね。

 

 

2016年5月 川崎変電所のケース

ブレーカーが損傷したケース。

 

www.kanaloco.jp

 JR東日本横浜支社によると、同変電所内にある南武線に電気を供給するブレーカーが損傷したことが原因という。発煙が認められたため消防も出動したが、すぐに鎮火したという。

 

 

2017年9月 蕨交流変電所のケース

これ、今日の変電所ですね。過去は作業ミスによって停止した模様。

 

www.asahi.com

JR東日本の変電所設備を点検する作業員ら=5日午前11時16分、埼玉県蕨市、朝日新聞社ヘリから、越田省吾撮影

 5日午前、JR東日本の変電所のトラブルで停電が発生し、山手線など首都圏の主要7路線の運行が一時止まり、約4万1千人に影響が出た。同社は午後、「変電所の作業員が点検の手順を誤ったことが原因」と説明した。

 

 

2019年7月 京王永山変電所のケース

こちらは人為的ミスにより起きた火災。

 

tama-inagi.goguynet.jp

京王永山変電所内の電気設備に取り残されていた点検用工具が地絡(ショート)していたことが確認されたそうです。その点検用工具とは「モンキレンチ」だったとのこと!我々も出先で置き忘れなんてことは日常茶飯事ですが、小さな一本がこれだけの出来事につながるのですから、何が起こるかわからないものですね。

 

システム運用の世界でも思いますが、一つの単純な、少しの事象が大きな問題につながってしまう。これは防ぎたいものですね。

 

 

2020年11月 久喜駅構内の変電所設備のケース

ケーブルの漏電が原因となるケース。

 

www.saitama-np.co.jp

JR東日本によると、変電所近くのケーブル2カ所が漏電により発煙、損傷したという。職員や消防が消火に当たり鎮火した。その後、長時間にわたり復旧作業が続いた。

 

 

2021年7月 日高市の変電所のケース

こちらは落雷が影響したケース。

 

nordot.app

 28日午後8時半ごろ、埼玉県南部で停電が発生し、東京電力パワーグリッドによると最大12万5千軒以上に及んだ。落雷が原因とみられ復旧作業に当たっている。同県日高市の変電所で火災が発生し関連を調べている。

 

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検索すると結構いろいろな事故が出てきますが、変電所の運用は火災と隣り合わせということがわかります。大規模な電気を扱うために少しでも設備に損傷があると、火災の原因になるということがわかります。

変電所と変電所の間の送電設備が問題を起こしても送電は止まります。また、駅にある受電設備も日々のメンテナンスが欠かせません。

これらを日々監視し予防保守をされている方は相当命がけで責任を持って対応されているんだなとわかります。特にここ最近は変電所トラブルも回数が増えてきているような感覚です。全体的に設備が老朽化したり、地震等で潜在的にダメージを受けていたり、原因はいろいろですが、それが火災になり、そして大規模に電車や送電が止まる。

それと比べると、まだシステム運用はすぐに物理的に被害を及ぼさないだけいいか、と思いつつ、例えば交通の運行システムのトラブルも交通を止めてしまうため、心意気としては同じなのかもしれないな、と想像しました。設備が出す日々いろんな微細な信号を人が読み取り、予防を重ねて平安を保つ。その気持ちだけは同じですね。