orangeitems’s diary

クラウドで働くインフラエンジニアの日々の感想です(ほぼ毎日更新)。

年を取って老害と呼ばれる人・達人と呼ばれる人、何が違うのか

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年を取ると、おぼえが悪くなり過去の経験に固執し学習できなくなっていくというイメージって世間にありますよね。脳が固くなっていくとか衰えていくとか。

ところが自分の場合(四十代ですが)に置き換えていくと、あまりそんな実感はないんですよね。むしろ新しい話があれば勇んで出ていくし面白そうならやってみたい。前文のイメージに近づいている実感が全くない。

そんな違和感を大切にして世の中を見ていくと、そもそも達人と呼ばれている人って年長者が非常に多いですよね。あの方たちって若いころから研鑽を積み重ね地道に学びを続けて来たからこそ、その長い時間の中で思考を熟成したくさんの人から信頼を得たに違いありません。子供の頃から天才って決めつけるのは本当に変で、そこからの人生が数十年ありその中でこつこつやり続けることができた人が達人の域に達することができるんだと思います。若いころにできたからって一生を通してできるとは限らない。また、年齢を重ねるごとに伸びる人だっている。

一方で、明らかに衰えている年長者、はいますよね。新しいことを学ばない。学ぶ態度がない。そのために若手からどんどん追い抜かれていく。それもまた事実としてある現象だと思います。最近は「老害」なんて言葉も流行しました。

そう、年を取るから衰えると全員に決めつけるのは間違い。一方で衰える人もいる。

なぜこのように二極化していくのでしょうか。

一つの原因として企業におけるキャリアパスの問題が大きく関与しているのではないかと推測しています。

若手はまず現場をおぼえ、そこからリーダーになり人を使うことをおぼえ、そしてマネージャーになり全体を統率していく。よくあるパターンですよね。

しかし、このように人を使うようになると、現場の仕事からどんどん遠ざかります。過去の経験をもとにして人の管理ばかりに集中することで、新しいことをおぼえないことが習慣化し、自分の経験の中だけで思考するようになります。

そうすると、人は過去の知識がどんどん忘却していきます。新しいことをおぼえず、古いことは忘却していき、そして自分の経験の中だけで思考することを長い間続けることで、思考の柔軟性がどんどん失われていくのではないでしょうか。

最近、大企業がベテランをどんどん放出しようとしていますよね。

 

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パナソニックが9月末に実施する早期希望退職に、1000人を超える応募があったことが24日、分かった。2022年4月の持ち株会社制移行に伴う組織再編の一環で、退職者には割増退職金を加算する。

 

お金がかかってもベテランを追い出したい動機として、企業は自らが育てた人材の思考の柔軟性がないことを認めています。大企業、人を辞めさせないためにいろんな福利厚生を厚くしつつ、教育にも力を入れた結果、お金を出して追い出すという皮肉な話、もはや社会現象化しています。

端的に言って人材教育の失敗ですよね。

年長者になっても活躍できる人材をたくさん輩出できるのであれば、お金を出して辞めさせるなんてしないでしょう。

偉くなればなるほど、現場の学習を行う機会が失われ、大量の「思考の柔軟性のない年長者」を生み出していると考えると、怖くなりませんか。大企業の45歳希望/早期退職の連発や、45歳定年制はその結果を示しているとかんがえます。

 

今日は、鬼滅の刃無限列車編がテレビで流れてたくさんの人が視聴している裏で、私は障害対応をしていました。実際に手を動かしながら問題は解決し、また一つ賢くなってしまったな、と自嘲気味に考えていましたが、こんな立場で居続ける限りは、現場の仕事を忘れようもないしますます(半強制的に)学習していっちゃうな、と思った次第。悪い事ばかりではありません。

大企業にありがちな、「人をたくさん従えるから偉くなる」、という人間に刷り込まれたバイアスを乗り越えない限り、偉くなる人から思考が硬直化していき学習できなくなるという悪循環にはまっていくのではないでしょうか。

また、現場に近い職人が腕を磨くごとに評価されていく社会、ああ、これってジョブ型雇用の理想と結構似ているのかもしれないとも思いました。