インターネットのニュース記事はだんだん昔の情報は無くなっていくもので、記事がちゃんと残りだしたのは2005年くらいじゃないかと思います。2010年からは大量にあるという具合です。ストレージの性能アップもあって今後は大量に残るとは思いますが、それでもいつか誰かが運用やーめたと言ってしまえばそれで終わりです。データが未来永劫残ることはありえません。
さて、そんな中でも過去記事は漁ればいろいろ出てきますが、かなり勉強になります。現時点から2030年、2050年の未来のビジョン、のような現代の話はよくありますが当たるかどうかわかりません。しかし、2020年のビジョンという記事を見れば、答え合わせができるます。
そんな、2020年のビジョンを描いた過去記事を紹介したいと思います。
2020年の国家成長戦略
麻生太郎首相は9日、来週中に2020年までの姿を描いた新成長戦略をとりまとめることを明らかにした。その上で、これを実現することで「2020年には実質国内総生産(GDP)を120兆円押し上げ、400万人の雇用機会を創出することが可能だ」と強調した。
「未来開拓戦略」と名付けた新成長戦略は、1)太陽光システムやエコカーの普及を目指す「低炭素革命で世界をリードする国」、2)介護雇用の創出などを掲げた「安心・元気な健康長寿社会」、3)観光大国やコンテンツ産業の育成を強化する「日本の魅力発揮」──の3つの柱で構成。この柱を軸に、官民による集中投資と制度改革を実行することで「当面3年間で、累計40─60兆円の需要創出、140─200万人の雇用創出を実現する」と決意を語った。
こちらは2009年4月の記事。2020年までの日本の姿を描いた新成長戦略を作るぞ、と。
その中身が面白い。
・低炭素革命
・介護雇用の創出
・観光・コンテンツの育成
こちら、本当にこの10年間、コロナ前まで相当日本が頑張って来た分野です。
低炭素革命なんてこの時代からあったんですね。しかし今、特にバイデン大統領誕生とともにこの言葉が注目されだしたのは、もう本当に地球の気候変動が急激に厳しいものになりつつあり各地で被害を出していることからだと思います。ただ、もし2010年の段階から手を付けていればもっと改善したのにと思っても時計を後ろには戻せません。ただ、日本のハイブリッドを追い越してEVがこの分野の主役になってしまったのが誤算かもしれません。
介護雇用については実際にこの記事のように増えています。介護の話題が社会問題になったのが2000年あたりと記憶していますが、2021年の今すっかり、介護に従事する人数が増えたと思います。ただ、職員の待遇が今一つ良くないと言う話があり、海外から日本にやってくる労働者にお任せする話もあったが、コロナ禍ですっとんでしまいましたね。
最後に、観光・コンテンツの育成ですが、これも大当たりし、結局2019年ごろには外歩いている人が全員外国人、みたいなことだって実現しました。日本はインバウンドの国になり、オリンピックは総仕上げだったはず、でした。あては大きく外れてしまいました。
なんだか、ちゃんとビジョンを作ってそこにまい進したのに、なかなかうまくゴールできなかった印象です。ただ、それぞれのビジョン自体は間違っていなかったようには思います。
2020年代の次世代車普及
経済産業省は12日「次世代自動車戦略2010」を公表。そのなかで、ハイブリッド自動車や電気自動車など次世代自動車の国内新車販売台数に占める割合を、2020年に最大50%とする目標を掲げた。
この答え合わせは下記。
2020年の乗用車(軽自動車を含む)に占めるハイブリッド車(HV)や電気自動車(EV)などの電動車の販売比率は36・2%となり、前年より1・0㌽上昇した。登録車は38・3%と前年より2・0㌽下回ったものの、軽が6・8㌽増の32・1%と大幅に伸ばした。
なんとなく、電気自動車(EV)がなかなか日本では受け入れられなかった印象です。ハイブリッド車だけが売れ続け、全体として50%にはなれなかった、という感じです。
なかなか電気自動車が席巻する未来に近づきませんが、そろそろ、次は来るんですかね。
バーチャルリアリティー中毒?
2020年にはバーチャルリアリティ中毒が問題になっているかもしれない――専門家はこんなインターネットの未来を予想している。
いろいろとんでもないことが書いてあっておもしろいですね。
英語は公用語になりませんでしたね。
あとバーチャルリアリティーと言われている様々なコンテンツですが、現実を代替するほど人間を楽しませるには至らなかったかなという感想です。一方で、ゲーム中毒のような現象はあり、微妙に正解している気もします。
また、多少AIの登場を予言しているような文脈もあり、未来を想像することの中に本当の現実になることが隠れているんだなということを感じます。
また「テクノロジー拒否者」なんて結局存在せず、皆がデジタルを共有できる時代へ、というイメージで現在進んでますね。
パートナーロボット
トヨタ自動車は、2005年3月に開幕する「愛・地球博」(通称:愛知万博)のトヨタグループ館で楽器演奏などを行う「パートナーロボット」の将来像について「2020年までに留守番や高齢者介護などができるレベルをひとつのターゲットにする」(開発担当の白水宏典副社長)方針を明らかにした。
この、ロボットが人間を助ける、というのは永遠の夢なんでしょうか。今一つ人型ロボットにする意味も感じませんが、何かロマンのようなものなんでしょうね。
2005年の記事ですが、いやあ、まだまだですよねこの分野。
そのうち、ドローンが出てきて、ドローン自体はAIとくっついてどんどん賢くなっている印象です。人間の形をしていることがボトルネックなのかもしれませんね。
下記は2005年の記事。
日本は月面基地の建設を支援し、2025年頃までに今の人型ロボットを進化させたバージョンをその基地に住まわせたい考えだ。宇宙航空研究開発機構(JAXA)のトップはそう語っている。
この考えはただの空想ではない。元NTTドコモ社長、現在はJAXA理事長の立川敬二氏が率いる「JAXA Vision 2025」と呼ばれる20年計画の一環だ。
これも同じですね。
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というように、ちょっと昔から今を眺めてみると、実現したりしなかったり、もしくは明後日の方向に行ったりと面白いです。
現在も、未来はこうなっている!!、と力説する方はたくさんいらっしゃいましたが、数年後に見直した方が良いかと思います。正しさは歴史が証明すると言いますが、インターネットのおかげで証明しやすくなったし、逆に、ああ全然当たってなかったね、とも言いやすくなっています。
最新の記事だけではなく検索条件を変えて、昔の記事をあさってみたら新しい発見があるかもしれません。ぜひお試しを。