orangeitems’s diary

クラウドで働くインフラエンジニアの日々の感想です(ほぼ毎日更新)。

レスポンスバトル テレビでもネットでも議論が全くかみあっていない理由

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最近のネットなり、テレビの討論番組なりを見たり聞いたりして思うのは、お互いに日本語でしゃべっているにも関わらず、相手の言っていることの意味を理解しないで話していることです。お互いに言いたいことがある場合で、両方を採用することができない場合に議論はよく起こります。両方ともできるのであれば議論などはいりませんよね。

そこである人は主張します。早口で。私は言っていることはわかる気がしました。

別の人も主張します。早口で。これも私は言っていることはわかりました。

じゃあこの両者、どうするかというと自分の主張を展開するばかりで相手の言うことを全く理解しないで話を進めます。

最近はこういうスタイルが流行っているんですかね。いや、形式的には、「そうは言いますけどね」みたいな受けの言葉を挟むのですが、そこから先は自分の言いたいことだけです。

見た目には議論をしているように見えるんです。だってそれぞれの意見は並び立たないのですから自分の意見を展開するだけで相手の反論になるからです。

でも、これ、最終的にはお互いが言いたいことを発散したら、番組も終わり。ネットのやりとりも終わり。むしろブロックするんですかね最近は。

コロナの話題など、誰も経験したことのない未知の問題について、かつ医療も政治もものすごく専門性が高い前提では、表現する概念もとても高度なものになります。ですから日本語で表現したからといって、日本人に伝わるかというとこれは違うと思います。

日本語で明瞭に話せば相手に伝わって当たり前だ。これはもしかしたら日本人の日本語バイアスかもしれません。相手にはさっぱり伝わっていないし、相手も聴くつもりもないのかもしれません。自分の主張と知識を表現することでいっぱいいっぱいかもしれないのです。

ツイッターをリツイートするとき、「記事を読みましょう」という注意書きが出るようになりましたね。

 

www.watch.impress.co.jp

リンク先の記事を開いて、内容を読んだ上でリツイートや引用ツイートしてもらうための機能。記事の見出しだけでは内容は把握できないため、Twitterで開いていない記事をリツイート/引用ツイートしようとしている人に対し、「記事を読みましょう」リマインダーを表示する。iOS/Androidアプリ上で順次提供していく。

 

ネットにおいてのコミュニケーションは「レスポンスバトル」だと言う表現をTwitterで見て、面白いなと思いました。

何しろレスポンスが早くて、端的な表現で、刺激が強い方がよい。これに「いいね」「リツイート」が付くことで権威が上がっていく、という仕組みになっています。

ところが、その発言ばかりが切り取られて、その前後の文脈が一切無視されるという現象が起こっています。

その類の人に多いのが、独談会です。YouTubeで自分のチャンネルを持ち、どんどんしゃべるしゃべる。そして相手はいらない。

これは、レスポンスバトルの延長だと思っています。反対意見は不要だしそもそも聞いていません。自分の言いたいことをどんどんぶつけていくゲーム。

そういった方が自分のチャンネルに呼ぶ人としては、完全な反対側にいる人は呼びません。それはノイズにしかならないからです。反対意見がなく同意してくれる人を呼びがちに思います。

このようにかみ合っていない日本語の会話を見る機会が多く、ネットやテレビには多くの日本語が飛び交っていますが意味を成しているのだろうか、と思います。単に自分の気持ちのいい言葉を探して、勝手に人々が納得しているだけなのかもしれません。

レスポンスバトラー、のような人が最近人気になりがちですが、よく「本を読んでいるからいろんな人の意見をよく吸収している」と言うことも言いがちです。しかし、本に書かれている内容をそのまま本人が受け取っているかは微妙な話です。自分の価値観に捻じ曲げられ、都合のいい部分だけを吸収したり意見が違うところは読み飛ばしたりと、本を読むからと言って著者の意見を理解しているとは限りません。

相手の意見を、自分の価値観と切り離して純粋に理解するためには、本来時間が必要です。しかしレスポンスバトルたる現代では、この時間を大いに省略し、そして自分の発言時間を確保しようとし、そして端的に発言する。よろしくない議論のやり方が横行しているように思います。