orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

新型コロナウイルス対策は、デルタ株の登場によって前提から変わってしまったのか

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最近は人々が新型コロナのことを話さなくなった気がします。マスコミは感染者数増加と、ステイホーム要請のことしか言わず、もうこのコロナ禍も長くなってきたので、話題に出すのも嫌になってきたのだと思います。

でも、ここであえて、新型コロナのことを記事に残してみます。

なぜかと言うと、これまでの前提が覆ったような気がしているからです。これまでの前提通りであれば、思考も不要でしょう。しかしそうではないなら、前提が変わったのならそれを踏まえ、リスクを洗い出し、対策を一つ一つ考える必要があります。再度思考を行うことにより、思い込みを避けることができます。これまで正しかったから、明日も正しいということはないのです。昨日の正しさが、明日の間違いになっているということは歴史を紐解いてもたくさんありました。都度、状況に応じて目を見開き、今何が起こっているかと、認識を改めるべきは改めることをしなければいけません。

(※本記事はあくまでも個人の見解です)

 

さて、今は第五波と言われる感染の山が来ており、オリンピックが終わりピークを付けて収束していくのか。それとももっと先にピークがあるのか、予断を許さない状態です。お正月やゴールデンウィークの第三波・第四波はなんとなくピークを付けピークアウトしていきました。だから、今回も同様の対策を政府は実施し、ほどなくピークアウトするという判断なんだろうと思います。当初は。

しかし、今回はこれまでとは桁が異なるのと、東京や大阪などの大都市圏だけではなく全国に広がっているということが違います。また、世界でも、落ち着いていたと思われている国ですら感染者数が増えてきているという話もあります。これらはデルタ株の影響と言われています。デルタ株の性質が第四波までの対応を無力化している。これは今や常識と言えましょう。

私は、国民が長期のコロナ対応で疲れてしまっていたときにオリンピックによって開放的になり、強く緩んでしまった、という論があるのを知っていますが、これは実は正しくないのではないかと考えています。実は国民側は何も対策は変えずこれまでどおり暮らしていたのではないか。これまで通りなのに、デルタ株の影響で、急速に感染が広まってしまった可能性を考えています。

オリンピックがありました、じゃあ、マスク取って騒ごう、なんて思考をする人が数十万、数百万もいるとは到底思えないのです。大多数の人が現状維持だったのではないか。私自身は最近テレワークを切り替えオフィスに行くようになりましたが、オリンピック期間が街の人出を増やしたふうには感じませんでした。現状維持という表現が正しいです。そこまで感情的に人が動いているとは思えないのです。できてない人は昔からできていないし、やっている人は昔からやっている。何も変わっていない可能性。

しかし、その状況でこれだけ感染が増加しているというのは、去年から今年にかけて人々が学んできた感染対策が通用しなくなったのではないかと考えます。ウィズコロナ、なんて言ってソーシャルディスタンスやマスク着用などいろいろおぼえましたが、場合によりは感染の脅威に対して無力化しているのではないか。

それが実際どんな場面なのかは、全然わかりません。わからないからこそここまで広まっている。多くの人々が「できている」と思っているのにどこかに穴がある。

 

一方、ワクチンのことも考えます。

ワクチン接種券は持っていますが、未だに予約できない状態が続いています。機会が来たら打ってこようとは思っています。

さて、このワクチン接種が進めば収束するんだと政治家は強弁しますが、一部の国ではワクチン接種が進んでいてもデルタ株による感染拡大が起こっていると聞いています。このニュースには耳を傾ける必要があり、ワクチンを打てばかからなくなるのではない。むしろ(確率は減ったとしても)普通にかかるし、マスク無しだとその場合誰かにうつしてしまうことになる。そんな話が今や有力になっています。全員にワクチンが行きわたっていない状況においては、ワクチンを打った側がうつす方に廻ってはいけません。

また、ワクチンは二回打てば終いではなく、定期的に摂取しないと効果が薄れてしまうということも現実化しています。どれくらいの時期で減衰するかについてはまだ確定しておらず、とにかく三回目を、という国も出てきています。

このような状態においてはワクチンは解決策ではなく、症状を抑えるための緩和策に過ぎないんだと言うことを今、覚えておく必要があります。打っても油断してはならないし、それでも感染する可能性はあるし、移す側にもなりかねない。

ですから、ワクチン接種による楽観論・早期収束などは今はまだ仮説としても置いてはいけないと思います。感染者数減少を実現しながら専門家が結論を出すのを待つ必要があると考えます。

 

ここからの展開ですが、もし高止まりする時間が長くなると世の中に相当な悪影響を与えることが必至な情勢です。毎日1万5000人以上が10日長引けば単純に10倍の15万人になってしまいます。医療機関はすでに悲鳴を上げています。もちろん月単位でこの状況が続けば破綻するのは目に見えています。

政府はもう次の段階を考え始めているのは間違いなく、今までよりも強行に感染を抑える方法を検討していると思います(表には絶対出ないでしょうが)。

強硬策を実施するかどうかは今後の推移にかかっています。私の感覚では今日(8/12)以降下がる数字が出なければ、内部では実装方法に関してより具体化が進み始めると思います。

国民は精一杯頑張っているにもかかわらず、それでも収まらないのなら、一時期でも強制的に人々の行動を一斉に変えなければ、破滅が待っているからです。

先ほど入って来たニュースで、緊急事態宣言の延長や対象地域の拡大の検討に入ったという話が出ました。

 

www.sankei.com

田村氏は11日のテレビ朝日番組で「日常としてコロナと付き合っていく時代になる」として、コロナ専用病院の開設を「早急に検討しなければならない」と述べた。コロナと共存する社会の在り方を示すのは急務となっている。

 

本当に、今週来週が勝負であり、その状況いかんでは、上記のような対策だけではどうにもならないところまで来ています。表向きにはこれ以上は言えないということだとは思いますが、これも、デルタ株が去年までの対策を無力化しているからではという仮説がぬぐえません。国が倒れるわけにはいかないので、おそらく憲法や法律を超越して行動しなければいけない場面まで想像はしているはずです。テレビでの政府関係者の発言と、官僚の考えるリスクマネジメントはおそらく別世界だと思います。現段階でもかなりいろんな可能性を検討しているはずです。

今や、原因がオリンピックかどうかなんてどうでもいい話で、この状況を脱することのために国民全員が知恵を振り絞らなければいけないステージに到達しつつあります。

ここまで書いたこと(デルタ株の登場で前提が全く変わってしまったこと)が全くの杞憂であるならば、何らかの原因で、今日以降、感染者数が右肩下がりになるはずですが、リスク管理としては最悪の状況まで想定する必要は収束までは常にあるでしょう。

新型コロナは、デルタ株によって形を変えて登場し、人々がこれでいいと思った対策の上を超えてきたのかもしれない。国民が緩んでいるのではなく、ウイルスの方が変わった。これまでと大きく前提が変わった中で、一度これまでの経験や知識をリセットし、自分が為すべき行動をゼロベースから考えるとともに、将来の社会の選択を注視していきたいと思います。今日から8月末までは大きな分岐点になると考えています。

(※重ねて言いますが、個人の見解です)