orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

会社で評価されないって不利益しかないと思うんだけど。

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またとんでもない理屈が出てきたな、という感想しかない。

 

note.com

「えぇーッ!?」である。

先日とある機会があって、お仕事現場の20代の若手社員さんとお話する機会があったのだが、何かの折に、このnoteのタイトルにある発言が出てきた。

「ホント、可能な限り僕らは社内での存在価値?みたいのを低くしておきたいんですよ」

思わず真顔で聞いてしまった。
「な、なんで…??」

 

まず、下記の記載から。

 

「他の社員の人とか、先輩とかとも話を聞くんですけど、
一個の会社とか現場に5年とか10年とかいると、どうしてもスキルというかその現場での存在価値が高くなっていくじゃないですか。」

「そうすると、あの人がいないとこの現場回らないよね、みたいなことになって、結果として自分が思うような(転職や別部署への異動などの)動きができなくなると思って」

 

これがおかしくて、別に、会社や所属部署のことなんか、転職時にはどうでもいいんです。日本の法律的には退職の二週間前に会社に告知すればよくって、まあそれは直前過ぎるよねってことで、1~2か月前に退職届を出すのが慣例となっています。

辞めにくい、という概念自体がおかしいです。引き留めにあおうがどうしようが、辞める権利があるので辞めましょうよ。

もしかしてですが、現場で評価が上がらない自分に対しての防衛線みたいな話になっていませんか・・。

 

「んー、それはそうですけど、
けど別にその成果って、会社の中で出さなくてもよくないですか?」

「僕らITマンは特にそうですけど、別に自宅で自分一人でプロダクト作るとか、友達とかとサービス作ってソレを成果にするとかでも全然いいわけですし、むしろその方が自分の力でやったことが分かりやすいと思って」

「ってなると、むしろ会社の中での存在価値とか、それのために必死になって一定以上の努力を費やすよりは、(前述の個人的に作るサービスなどに)力と時間を割いた方がいいと思うんですよ」

 

おそらく、この考え方が、私が反論したい動機となっています。

なぜ、会社で働くか、という命題が浮かび上がってきます。

会社は基本的に法人と呼ばれています。法人とは、人(「自然人」と呼ばれる)ではないけれど、法律的に人とみなされる資格を言います。人扱いするけど、生身の人間じゃない、不思議ですね。

法人が優れているのは、ちゃんと運用すれば死なないことです。中の人間はどんどん入れ替わるのですが、きちんと体制を作って仕事を分担することで、永遠の命を手に入れることができます。何か依頼したい仕事があっても、それを引き受ける人が「自然人」だと、病気するかもしれないし事故に巻き込まれるかもしれない。どうしても生物である以上は限界があるんですね。しかし法人ならば、もし担当者が突然退職したとしても誰かが何とかする。

もちろん、法人だから即信用、とは行かず、資本やら財務状況やら社員数やら、株主構成やらいろんなプロパティーがあるのですがそれらを勘案して信用するかどうかを決められます。生身の人間だったらそうはいかないじゃないですか。特に上場している法人だと、厳しく情報公開することが決められていて、信用度はすこぶる上がります。

だから法人って、生身の人間では保有できないほどの資産(現金や不動産など)を手に入れることができるんです。

そんな法人だからこそ、大きな仕事ができます。個人の信用では全然手が出ないような規模のプロジェクトに参加し、実績を積むことができるのです。

じゃあ会社員ならばその恩恵を受けられるかというと、ここで個人の評価の話が出てきます。より評価の高い人に、高い責任の仕事が振られてしかるべきだからです。ここで、「仕事の大きさに比べて給与が低い」という不満が出ることでしょう。それでも未体験ならば、大きな仕事を請けるべきです。経験するというのはその後大きな武器になるからです。経験したくても、一個人ではできないのですから。

その後、大きな仕事をやっつける経験と自信がついたのちに、会社の待遇が気に入らないのであれば、それは転職してもいいですし、仕事を受注する技術があればフリーランスでもいいでしょう。個人でも法人が請けるような仕事をこなした実績があれば、収入を増やすことは可能かもしれません。私はフリーランス自体は否定的ではありません。向く人は向くでしょう。

このように、会社に所属するメリットは、自分の成長のステージだと考えるべきです。会社に所属しているにもかかわらず評価はいらない、というのは、ステップアップしたい欲求とはめちゃくちゃズレた意見だと私は思います。

もっと狭めて言えば、一人もしくは友達とプロダクトやサービスを作って、それをスケールする技術があるのであれば、ベンチャー企業を作って法人格で仕事として行いそれに対して投資してくれる人を集めた方が速いのでは?と思います。結局はそれは起業することとなるのですが、わざわざ、やる気のない正社員のかたわらでやることなんですかね??。

 

特に、自ら独力でサービスを作ろうとするような"優秀"な人ほど、社内の仕事には「最低限のパワーしか割かないです」となっていくのかもしれない。

 

ならないでしょう。

優秀な人ほど、会社に評価され、仕事に恵まれ、そこでしかできない経験を蓄積しつつ普通に出世するか、すっぱり会社を辞めて起業したり、評価が最適化された次の会社に進むんじゃないですか?と。でもそれって、今に始まった話じゃないですよね。

また、別に、その会社でニンジンが十分にもらえなかったら、別の会社でもらえばいいんじゃないの?って話です。会社制度自体に絶望するのっておかしくないですか??。

とも思いました。

 

思っただけです。それ以外はありません。